2018年に鑑賞した展覧会 ベスト10

投稿者: | 2018-12-31

さて年末恒例となってまいりました、展覧会ベストテンを選んでみたいと思います。順位は敢えて付けず、ざっくりと見た順に並べています。リンク先は各美術館の公式サイトです。

歌川国貞展(静嘉堂文庫美術館)

国貞(三代豊国)が描いた江戸の女性たち。遊女や役者のような「スター」ではなく、江戸という街に暮らしている等身大の女性の生活感あふれる姿や仕草が面白かった。岩崎家(三菱)の女性たちが買い求め、ファッションカタログのように眺めていたそうです。

名作誕生-つながる日本美術(東京国立博物館)

「美術史」というと何となく自動的に「時代」と「流派」で区切るという見方をしてしまいますが、そうではなく「作品」を中心に時代と絵師をつないでいくという見方がもたらす驚き。

モダンアート再訪(埼玉県立近代美術館)

モダンアートの変遷と「行きつく所まで行っちゃった」感。近現代は本当に時代の流れが速いですが、一巡して「古いものが新しく感じられる」みたいなこともありますね。

ヌード NUDE(横浜美術館)

古典的な西洋絵画のヌードから、現代社会にするどく切り込む作品まで。人体の表現と人体へのまなざしについて考えさせられました。

ミラクルエッシャー展(上野の森美術館)

エッシャー展、ものすごく久しぶりです! 《メタモルフォーゼ》の実物を見られて嬉しかった。

「江戸名所図屏風」と都市の華やぎ(出光美術館)

《江戸名所図屏風》は本当に何度見ても面白いし、ずーっと眺めていても飽きませんね。

ジョルジュ・ルオー 聖なる芸術とモデルニテ(パナソニック汐留ミュージアム)

ルオーはあまり好きではないのですが、この展覧会はすごかった。内覧会に参加して説明を聞けたからということもありますが、信仰と芸術、イコンと版画、受肉と絵画など、情報量がめちゃくちゃ多かった。会場はコンパクトなのに密度が高くてマジで疲れました、頭が。

ヨルク・シュマイサー 終わりなき旅(町田市立国際版画美術館)

全然知らない作家さんでしたが、世界各地の風景や博物学的な作品群、余白に書き込まれた「日記」の記述が興味深いと思いました。

花魁ファッション(太田記念美術館)

この展覧会も情報量多かった! 吉原の歴史、構造、遊女の衣装や髪型の変遷など、解説が細かく書かれていました。現代でイメージされる「花魁」像って、300年以上の歴史の中でのごく一部、短い期間のものだったのですね。

ロシア美術の至宝(東京富士美術館)/ロマンティック・ロシア(Bunkamuraザ・ミュージアム)

同時期に開催されたロシア絵画展で、画家も何人か重複していたので2つまとめてエントリー。どちらかを選べと言われたら、より「ロシア的」な作品の印象が強かった富士美の方かな……。Bunkamuraはまだ開催中です。


以下、次点の皆さまです。今年も最後まで迷いに迷いました。

こうして見てみると、フェルメールやムンクや縄文展など、大型の展覧会があまり入っていませんね。別にヘソ曲りで外したわけではないのですが、大型展は混雑していて疲れるし、絵も良く見えないんですよね(この中でいちばん混んでいたのはエッシャー展かな)。それに、私が選ばなくても評判良いんだから大丈夫よね、みたいな気持ちもあります。他に誰も選んでいないと「ひとり占め」感あるし!

まぁその他にも、日本美術と西洋美術、古典と近現代など、なるべく幅広く選びたいし、同じ美術館からは1つだけにしようとか、会期が偏らないように(どうしても印象の新しい秋以降の展覧会を選びがちだから)とか、いろいろ考えて選んでいます。今年は特に、作品だけではなく「見せ方」で新しい視点が得られたものや、勉強になったものもいくつか選んでみました。

昨年までの「ベスト展」は、こちらです。


美術関連で、今年話題になったことを振り返ってみると、こんな出来事がありました。

  • 疎開中に損傷したモネの大作が発見される:来年の松方コレクション展で見られる?
  • 宇佐美圭司の絵画を破棄:「作品」として認識されてなかったみたい
  • リーディング・ミュージアム構想:コンセプトがよくわかってませんが、何となくうさんくさい印象あり
  • 福島駅前の巨大像撤去:あれ何であんなに大きいの?
  • 名古屋ボストン美術館閉館:図録買えなくて残念。閉館はもっと残念。

来年も素敵な展覧会に出会えますように。来年は、西洋美術では19世紀の世紀末芸術(アール・ヌーボーやウィーン分離派)、日本美術では「絵巻物」を中心に観賞したいと思います。

それでは皆様良いお年を!