2019年2月に鑑賞した展覧会

投稿者: | 2019-03-07

いつの間にか3月になってしまいました。このへんで、2月に鑑賞した展覧会を振り返りたいと思います。

いつもなら、Instagram の該当ページにリンクをはるところなのですが、2月鑑賞したぶんは、あまり写真を上げていません。前後期の「前期のみ」観賞した段階のものが多いからです。

それでは、2月鑑賞の展覧会を振り返ってみたいと思います。

新・北斎展(森アーツセンターギャラリー)

昨年からけっこう宣伝されていて、また永田コレクションを東京で見られる最後のチャンスとあって、混雑必至の展覧会。最近、「日曜美術館」でも2週にわたって北斎を取り上げていましたよね。

私は平日に時間を作って行きましたが、それでも入場するまで30分ほど並びました。土日はもっとすごいでしょうね。とはいえ、話題になっていた特別出品の《雨中の虎図》と《雲龍図》の展示が終了したので、今はどうなっているかわかりませんが。

展示作品数もかなり多くて、ひととおり見るだけで3時間以上かかりました。そんなに時間をかけられない!という方は、肉筆画と摺物を優先的に観賞してはどうでしょう。北斎漫画や《富嶽三十六景》などの人気シリーズ物は、他所でも見る機会があると思います(全体の文脈の中で見るという意味はもちろんありますし、校合摺りとの比較といった興味深い展示もあるのですが)。

3月24日(日)まで。


江戸の園芸熱 -浮世絵に見る庶民の草花愛-(たばこと塩の博物館)

これは2月中に前後期鑑賞。「たば塩」は、渋谷から業平に移転して少々不便になりましたが、この内容で入場料100円って、おトクすぎます。生活の中の園芸から江戸の娯楽やイベント、園芸マニアの役者、芝居の中の園芸、染付の植木鉢など、とっても楽しい内容でした。

鉢植えの絵を図鑑のようにびっしり並べた絵がありましたが(分類としては「おもちゃ絵」に入るのかな)、植物だけでなく植木鉢の文様がひとつずつ全部違うのにびっくり。

江戸の園芸については、数年前に江戸東京博物館でも展覧会がありましたが、本当に園芸が盛んで、生活に定着していたんだなぁと改めて感じました。

3月10日(日)まで。


小原古邨(太田記念美術館)/前期

昨年、別の美術館(茅ヶ崎でしたっけ)で個展が開かれて注目度が急上昇中の、明治の版画家。昨年の展覧会とは内容が違うとのことです。

明治の版画は、江戸時代の浮世絵とは彫り方も摺り方も違っていて、「超絶技巧」的工芸品に通じる物を感じます。下絵と完成品を並べて見比べられるところも面白いですね。浮世絵の版下絵は主版を作る段階でなくなってしまいますが(絵を版木に貼り付けて彫るため)、古邨は絵絹に下絵を描き、それを写真に撮って版を作るという方法を取っていたとのこと。

3月24日(日)まで。


奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド(東京都美術館)/前期

これも昨年から「早めに行かないと混みますよ!」と言われていた展覧会。前期は早めに行きましたが、後期はいつ行こう……。

人気絶頂の若冲コーナーも混んでいましたが、又兵衛の絵巻もかなり渋滞していました。絵巻はやはり最前列でじっくり見たいのですが、鑑賞中の人がまったく動かないので横の方で待っていると、いつの間にか行列になってしまい、会場係の人が見かねて「お進みくださーい」を始めるわけです。

これって絵巻鑑賞あるあるだと思いますが、列で待っていると、待っている時は牛歩で全然動かず、ようやく自分の番が来た!と思った所で「お進みくださーい」タイムになってしまうこと多くないですか? そうなると、ちょっと立ち止まっただけでも急かされてしまって、ゆっくり見ることもできません。「順番はございませんので、お好きな所からご覧ください」とも言われましたけど、でも順番はございますでしょ。物語絵巻なんですから。

又兵衛の絵巻は、所蔵しているMOA美術館(熱海)で展示される時に(いつだろう?)ゆっくり見たいですね。

前期が3月10日(日)まで、後期は3月12日(火)~4月7日(日)。


河鍋暁斎 その手に描けぬものなし(サントリー美術館)/前期

暁斎展もここ数年、毎年のように開催されている気がします。昨年は暁斎・暁翠展、一昨年はゴールドマン・コレクション展がありました。その前にも、三菱一号館や三井記念美術館、太田記念美術館などで展覧会があったと思います。

今までは戯画や幽霊画などのイロモノ系というか「最後の浮世絵師」的な扱い、あるいは能・狂言画など、ある特定の分野をとりあげた展示が多かったと思います。一時期は国芳の弟子だったので、浮世絵師でも間違いではないのでしょうが、でも暁斎はやはり「狩野派の絵師」だったのかなと、今回の展示を見て思いました。ちなみに娘の暁翠は、流派を聞かれると「狩野派です」と即答したとのこと。

タイトルのとおり、あらゆる物を描いていた暁斎の作品を広く網羅しており、春画以外はほとんどカバーしているのではないでしょうか。本当にあらゆる物を描き、あらゆる古典作品に学んでいたのだと驚かされます。そして「浮世絵師」の印象を作っていた戯画も狩野派に源流があったとは! 暁斎だけでなく狩野派の印象も変わりますね。

3月31日まで。