「マックス・ヘッドルーム」は、87年3月から88年4月にかけて、アメリカで放映された。ただし毎週放映されたわけではないので、放映期間1年に対して作品数は14しかなく、さらにそのうち2作品は当初未放映だった(再放送で放映されたらしい)。
()内の日付はアメリカでのオリジナル放映日。日本語タイトルはビデオ版のものを用いた。日本での放映については、1990年のNHK総合のみ(それ以外はチェックしてないので……)。
エディスンは奇妙な爆発事故を取材していたが、社の上層部から取材をやめるよう圧力をかけられる。新人の誘導員シオラとともに自社の内部調査にのりだしたエディスンは、爆発事故の原因が、ネットワーク23が開発した「ブリップバーツ」というテレビCMにあるということを探り出す。
日本では1990年10月9日に「コンピュータ人間・2つの知能を持つ男誕生」というタイトルでNHKで放映された。
シオラの弟が失踪した。弟の行方を追うシオラは、彼が「レイキング」に関っているという情報を得る。ネットワーク23はレイキングを新しいスポーツだと思って放映権の獲得に動くが、実はプレーヤーがお互いに殺し合うという危険なゲームだった。
日本では1990年10月10日に「恐怖の殺人ゲームにまきこまれた姉弟を救え」というタイトルでNHKで放映された。
恋人をさらわれた若い男が、エディスンのもとに協力を頼みに来る。その女性は臓器移植のために人体バンクに売られていた。ある大富豪が彼女の臓器を母親に移植し、さらに「永遠の生命」のため、マックス・ヘッドルーム式再構成を施そうとしていたのだ。
日本では1990年10月11日に「悪徳臓器密売組織の不正と闘え」というタイトルでNHKで放映された。
セキュリティ・システム――コンピュータのセキュリティ技術を握る大企業。その中核をなしているのが、人工知能A-7。潜入取材を試みたエディスンはA-7によって危険分子とみなされ、犯罪者の汚名を着せられて追われる身となってしまう。
テロ事件発生! だが爆破事件を起こしたテロリストは、テロを商品として取り引きする商人だった。ネットワーク23は彼と契約し、事件はやらせだったと報道した。だがその直後、本物の爆破事件が起きてネットワークの重役が負傷するという事件が起きる。
ある日、世界中の端末に無気味なメッセージが流れた。逮捕されているブランクスを釈放しなければシステムを破壊するというのだ。ブランクスとは、コンピュータから自らの記録を抹殺した反体制分子。エディスンは、マックスを使って首謀者のブルーノとの交渉を試みる。
ネットワーク23の番組がジッピングされた。ジッピングとは、衛星に割り込んで電波に別の映像をのせて端末に送るという行為で、極刑もあり得るという重罪である。調査を命じられたブライスは自分の後輩に当たる天才少年たちが犯人であることを発見し、思わず彼らをかばってレッジに罪を着せてしまう。
エディスンの番組で、復活を売り物にする宗教団体「ビュー・エイジ」を取材することが決まった。教祖のヴァナ・スミスはエディスンのかつての恋人。教団の実態を暴露されることを恐れた信者は、放送をやめさせるためにマックスを誘拐する。
日本でも放映されているはずだが、日付・サブタイトルは不明(調査中)。
テレビ選挙をひかえ、各局は自局の政治家を当選させようと――あるいはライバル局の政治家を蹴落とそうと必死の競争を繰り広げていた。スキャンダル暴きはいやだと言いつつも、エディスンはライバル局の政治家の情事をスッパ抜く。だがそれは、ライバル局の重役に返り咲いたグロスバーグの罠だった。
日本では1990年10月23日に「ライバル局への変身」というタイトルでNHKで放映された。
エディスンは街角でインタビューをしている途中、かつて親友でライバルだったパディに出会う。パディは「夢を売りに行く」と言い残して去り、翌日変死体で発見された。エディスンはパディが通っていた「マインズ・アイ」に潜入し、その恐るべき悪事を暴こうとする。
日本では1990年10月30日に「夢売ります」というタイトルでNHKで放映された。
外辺のビル倒壊現場で、エディスンは奇妙な光景を目にした。被災者たちの関心事は生命や財産ではなく、テレビ――それも粗悪な番組だったのだ。そして、それに不審を抱いた警官が殺害される。その番組は、依存性の高い有害な番組だったのだ。さらにマックスまでがそのとりこになってしまった。
シオラの親友が体外受精で子どもをつくることになった。夫婦ともに忙しい身体なので、妊娠せずに体外で胎児を育てる方法をとったのだ。エディスンは取材に出かけるが、赤ん坊が誘拐されてしまう。その影には、看板番組「天才児」の視聴率を上げようとする、グロスバーグの陰謀が見え隠れしていた。
ネットワーク23の大手スポンサー、ジックザック社は新しい広告媒体として「ニューロスティム」を消費者に配布した。これは脳に直接信号を送るという、強力で危険なシステムだった。エディスンはその裏に、ジックザック社の危険な思惑を察知する。
老朽化した衛星を撃ち落とす「スカイ・クリア祭」の夜、ある秘密学校が警察の手入れを受けた。そこにはなぜか、ネットワーク23の検閲官の姿があった。秘密学校の教師は、有料の教育番組を違法に使用した罪で逮捕される。事件を取材するエディスンの番組は、検閲で中止されてしまった。