CSI:Cyber S2-15 Python’s Revenge

CSI:Cyber シーズン2 CSI: Cyber

通算28話「パイソンからの贈り物」
引っ越したばかりのエイヴリーの新居に、荷物にまぎれて不審物が運び込まれる。意外な人物の指紋が付着していており、エイヴリーはパイソンが戻って来たことを知る。

CSI:サイバー シーズン2 DVD-BOX

  • 脚本:Devon Greggory
  • 監督:Vikki Williams
  • 初回放映:2016-03-02

shodan map(ショーダン・マップ):デバイスの位置情報が得られる検索エンジン

引っ越したばかりのエイヴリーの新居に、荷物にまぎれて不審物が運び込まれる。箱の中にはタブレットと女性の生首が入っていた。

生首を入れた袋からは、血染めの指紋が発見される。指紋の主はインターポールのミゲル・ヴェガ捜査官。ミゲルは手配中のサイバー犯罪者「パイソン」にパートナーを殺害された後、インターポールを辞め、単独で渡米しパイソンを追っていた。

タブレットに入っていたのは、エイヴリーの娘ハンナが事故死した時の映像と「あなたは娘を救えなかった。私を救えるのか?」というメッセージのみ。映像を再生するコードには不要な文字がいくつか記述されていた。その文字を取り出してみると「NOWTHEGAMESBEGIN.MIST」となる。

そのURLにアクセスすると、氏名を聞くプロンプトが表示される。ミゲルでもエイヴリー自身でもない。映像を見て、エイヴリーが娘のように思っているグレース・パーカーの名前を入力すると画面が変わり、どこかに監禁されているグレースの映像が映し出される。

その後、映像に「パイソン」ことダンテ・ウィルカーソンが現れて「ゲーム」のルールを告げる。パイソンが問題を出し、正解すれば時間を得られる。間違うと薬が注入され、3本でグレースは死ぬ。グレースが手に持っているスイッチを放したり、接続を切ったりしてもグレースは死ぬ。

最初の問題は「多くの物の中の1つ 革でくるまれ 目の前にある」という文。パイソンは以前、作業員のふりをしてサイバー犯罪課に来たことがあった。ネルソンは、エイヴリーのオフィスに何冊もある本から、1冊だけ革で装丁された『アートの宝』を見つけ出す。

だが本のタイトルを入力しても不正解。単純な答ではなく本の内容が問題なのだ。グレースが苦しみ出した姿を見て、ラッセルは本に掲載された「魔女のメディア」が答だと気づく。メディアはドレスに毒を仕込んで復讐した。パイソンはグレースの上着に毒の瓶を接続している。ラッセルは正解し、次の問題が表示される。

次の問題は数字の羅列。ラッセルとネルソンが解読に取り組む間、エイヴリーとレイヴンはグレースから誘拐された状況を聞き出そうとする。だがその時、FBI内の機器がいっせいに不具合を起こし始める。レイヴンは侵入を検知。エイヴリーは、パイソンのサイトとの接続のみを残し、それ以外のシステムはシャットダウンするよう指示。

以前パイソンが侵入した後、彼らは周辺機器や充電器も含めてすべての機器を交換し、ソフトウェアも再インストールして万全の対策を講じたはずだった。だが1つだけ、サージプロテクタ(落雷などで生じる過電圧から機器を保護する装置)だけはノーチェック。パイソンはそこにデバイスを隠してネットワークを傍受していたのだ。パイソンを追い出そうとすると、サイトとの接続を切らなければならない。

エイヴリーに送られた頭部はレネッタ・ウィルカーソンのものとDNAで確認される。レネッタは自宅に遺書を残して姿を消していた。首に残る痕から、自ら首を吊ったものと思われた。

イライジャは、独自捜査でパイソンの運び屋を追っていたミゲルと同道。ミゲルはパイソンの荷物を受け取ったアッシャーという男から「パイソンから預かった頭部のない女性の遺体を焼却して、遺灰を渡した」という供述を得る。レネッタはペンシルヴェニア州の出身。ここへ遺体を運んだのは故郷へ撒くためだろう。2人はレネッタと関係のある街へ向かう。

ラッセルとネルソンは、出題された数字の羅列が周期表の数字であることに気づく。そこに書かれた材料を収集し、「レシピ」どおりに加工してみると、できたのは水晶だった。だがパイソンの問題は単純ではない。レネッタが生まれ育った街は、かつて水晶を採掘していたが、今はしていないので、おそらく「空白」こそが答だろう。

解答欄を空白のままでエンターキーを押すと正解。その次に表示されたのは、自身の尾を飲み込むヘビ「ウロボロス」の絵だった。このヘビは「永遠」を表す。つまり謎解きは永遠に終わらない。パイソンはいずれにしてもグレースを殺すつもりなのだ。

クラミッツは居場所を割り出す方法を思いつく。グレースを撮影しているカメラの機種がわかれば、ショーダン・マップを使って位置情報を検索できる。だがそのためには、スイッチを放してカメラに近づいてメーカー名と番号を読む必要がある。スイッチを放しても、生命の危険が生じるまでは25分程度の余裕があるので、その間に位置を特定すれば救出できる。グレースは意を決してカメラに近づくが、型番を読み取れず昏倒する。しかし頭上の鏡に映った映像から機種が特定できた。

クラミッツらは機種からカメラの場所を探し出し、レネッタの故郷やパイソンの言葉から得たヒントなどと合わせて場所を割り出し、イライジャとミゲルを急行させる。2人は途中でパイソンの車とすれ違うが、そのままグレースの監禁場所へ向かい無事に救出。

サイバー犯罪課ではシステムをすべて入れ替え、エイヴリーは自宅へ戻る。その夜、エイヴリーが物音で目を覚ますとパイソンがそこにいた。パイソンは母親の遺灰を撒き、エイヴリーに銃を向けるが、エイヴリーが一瞬早く発報し、パイソンを射殺する。


シーズンの前半でグレースが登場した時、彼女が再登場するとしたら「実はブラックハッカーだった」か、または「エイヴリーの宿敵に誘拐される」かどちらかだろうと思った。なぜそう思ったのかなと考えてみると、CSIジュニアたちは大抵そうだったから(笑)。

CSI全体を通じて、息子や娘が登場する時は、トラブルメーカーか拉致されるかのどちらかなのだ。ラッセルは娘だけでなく孫娘をさらわれたこともあった。

だから最初のプロンプトで、もうこれはグレースしかあり得ないと思い、エイヴリーやミゲルの名前を入力しているのがむしろ意外な感じだった。誘拐と暗号という道具立ては、本家シーズン13の「地獄の9つの円」を連想させる。主役が女性になっても「娘の受難」は変わらないのか。

で、こういう展開だと犯人のパイソンがストーリー展開をリードすることになるので、見る側としても何だか受け身にならざるを得ないところがある。シーズン1のフィナーレもそうだった。

パイソンが逃亡していたので、これはシーズンフィナーレまで持ち越すのかなと思ったら、あっさりと終わってしまった。この最期は少々「とって付けた」感があったかな。護衛の捜査官を倒したパイソンを射殺したエイヴリー最強。というか、長台詞で恨みつらみを語ろうとするから隙ができるのだ。ただし、パイソンのあの様子は、ある種の自殺だったように見えなくもない。

2025-06-13

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