CSI:Cyber S2-17 Flash Squad

CSI:Cyber シーズン2 CSI: Cyber

通算30話「セクシー強盗団」
ロサンゼルスで自動車のナビゲーションアプリを悪用した強盗事件が発生。犯人グループは若い女性3人で「フラッシュ・スクワッド」と名乗りSNSで派手に動画を公開していた。

CSI:サイバー シーズン2 DVD-BOX

  • 脚本:Scotty McKnight
  • 監督:Howard Deutch
  • 初回放映:2016-03-09

supercookie(スーパークッキー):ネット履歴を追跡するコード

自動車のナビゲーションアプリ「フリーレーン」がハッキングされ、エイヴリーらはロサンゼルスへ向かう。最初は内部犯行が疑われたため、民間の調査会社に調査を依頼するが、外部の犯行で最短ルートを割り出すアルゴリズムが操作されていたと判明。ユーザーのうち5名が別の場所に誘導され、そこで強盗に遭っていた。犯人は顔を隠した若い女性の3人組。

利用者のひとり、ジョエル・マシューズの位置情報が更新されていないことがわかり、現場に急行すると、男女2名が撃たれて倒れていた。男性は死亡していたが女性の方はまだ息があり、病院に搬送される。女性の身元は保育士のライリー・ヴァン・ロウと判明。

3人組の強盗は「セクシー強盗団(フラッシュ・スクワッド)」と名乗り、盗んだ物品をSNSで見せびらかしていた。サンバイザーで顔を隠し、接続元は偽装され追跡不可。

本部でデータを解析するレイヴンとネルソンは、ジョエルのスマートホンが「フリーレーン」を通じてハッキングされていることを知る。犯人は高級品を購入するユーザーを狙い、別の道に誘導して襲っていたのだ。ジョエルは小児科医で、富裕層ではないが病院のために寄付を募り高級時計のチャリティオークションを行っていた。

ジョエルが襲われた場所は鉄道の踏切の近く。踏切の遮断機はジョエルのスマホと連動しており、近付くと遮断機が下りて足止めされるように細工されていた。踏切の制御盤を開けると、スマホと通信して踏切を操作する装置が隠されていた。予想外に人を撃ってしまったため装置を回収せずに逃げてしまったのだろう。

レイヴンとネルソンは踏切に付けられていた装置の写真をもとに、ネットを検索し、列車制御システムのオンライン操作方法を調べる。おそらく犯人も検索に検索を重ねて設計や部品調達を行っただろう。クラミッツはLA在住のネットユーザーの膨大な検索履歴の中から、列車制御システムについて検索したユーザーを探し出す。条件を付けてフィルタリングした結果、1名のユーザーに絞り込まれる。

だが住所を突き止めて踏み込んでみると、そこの住人は被害者のライリーであることがわかる。ライリーは事件に巻き込まれたのではなくフラッシュ・スクワッドの一人で、仲間割れで撃たれたのだ。

レイヴンはライリーのSNSアカウント等を調べるが、フラッシュ・スクワッドに関連した内容は何もない。だが、あるメールアカウントに注目。毎日ログインしているが、受信も送信もゼロ。削除したのではなく使用された形跡がない。

そのアカウントはフラッシュ・スクワッド3名の共有アカウントと思われた。送受信すると記録が残ってしまうため、メールを送らず「下書き」の状態で置いておく。次にログインした仲間はメッセージを読み、その文章を削除して返信を書く。こうしてサーバーに記録を残さずにやり取りしていたのだ。

エイヴリーは3人の言葉使いや内容を分析し、命令口調のリーダー「アルファ」、リーダーに従う「ベータ」、その2人を持ち上げて自分を卑下する「オメガ」のやり取りを再構築する。ライリーはおそらく「オメガ」で、経済的に苦労し孤立している。

ライリーは意識を取り戻したが、すぐに弁護士を要求し、話は聞けない。

エイヴリーは、フラッシュ・スクワッドにとって最も重要な「有名になりたい」願望を利用することを思いつく。フラッシュ・スクワッドを取り上げた動画をゴシップサイトやエンタメサイトに掲載して拡散させ、「病院に収容されたリーダー格の女性のインタビューを流す」という誤情報を流す。

クラミッツは、フラッシュ・スクワッドの動画を見た後に「ライリー」と「リーダー」の語を検索したユーザーを発見。ライリーの名は報道されていないので、メンバーに違いない。

住所を突き止めてモーテルに踏み込むが、2人はすでにチェックアウトした後。車で西へ行ったと聞き、ラッセルはフリーレーンを使って誘導する作戦を思いつく。2人はまんまと、パトカーがひしめき合う場所におびき出され、逮捕される。

ネルソンは自分が起訴された事件で、検察側の証拠が適正な手続きを踏んでいなかったことを知り、FBIを相手に訴訟を起こす。FBI長官は、ネルソンの起訴をすべて取り下げることを決定す。ネルソンの犯歴は消えて自由の身となるが、更生プログラムは廃止される。


3人組の若い女性による強盗団がSNSで盗品を見せびらかして大はしゃぎ――というのは、ある意味すごくCSIらしいモチーフかもしれない。ベガス、マイアミ、NY、どのシリーズに登場しても違和感がない。ただし他のCSIだったら、現場に落ちていたサンバイザーの指紋やDNAは見逃さないと思うが。被害者だと思っていた女性が実は犯人グループの一人だった、という展開は面白かった。

検索内容で容疑者を絞り込んで行くという捜査方法は、実際にもあるらしい。たしか2013年、ボストンマラソンで起きた爆弾事件の時だったと思うが、「ボストンの爆破事件」「圧力鍋」「バックパック」を検索したユーザーが捜査対象になったと報じられたように記憶している(爆弾に圧力鍋が使用されたので)。この場合はまったくの偶然で、父親と母親と息子が別々に検索していただけだったのだが。

事件以外のところで、ネルソンが突然の無罪放免。検察側の証拠が違法に得られたものだったというのだが、起訴を取り下げるというのはただ事ではない。単純な手続きミスではなく重大な権利侵害があったはず。再審が通ると無罪になる確率が高いので、連邦検事が起訴取り下げを決めたのだろうか。何があったんだろう、気になる!

しかしネルソンを逮捕したのはクラミッツではなかった?シーズン1の1話でそう言っていなかったっけ。ただクラミッツはロミスの事件でも違法な捜査をしていたので、ああ見えて実はけっこうやらかしているのかもしれない。

それとも消えた800万ドルとの関係だろうか。FBIか検察の誰かがその800万ドルを着服していたりする?そして起訴取り下げはその不祥事隠蔽?更生プログラムをまるごと廃止するのはなぜ?

いろいろ気になるが残りはあと1話。納得のいく説明は得られるのだろうか。何だか期待薄……。


使用楽曲

  • F**k Love by Iggy Azalea (冒頭)
  • B U Niq (feat. Terrell Burt) by Aika Zabala (ゴシップニュースの場面)

2025-06-16

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