通算115話「炎の友情」
スタントマンが撮影現場から失踪。彼はスタント仲間から「仕事をとられた」と恨まれ、撮影中に脅迫メールを送られていた。浮気癖があり私生活は不安定だったが、最近態度が変わり恋人とも婚約したばかりだった。
WITHOUT A TRACE/FBI 失踪者を追え! 5thシーズン 後半
- 脚本:David Amann, Alicia Kirk
- 監督:John Polson
- 初回放映:2007-04-15
失踪者:マーク・オニール
スタントマンのマーク・オニールが撮影現場から失踪。「お前は今日死ぬ」という脅迫メッセージを受信した携帯電話が残されていた。
マークは恋人のメグと婚約したばかり。マークの浮気癖が原因で離れたり戻ったりの仲だったが、軍隊にいた頃からの親友で弟のように思っていたヒュー・ドーランがバイクで事故に遭ってから態度を改めてプロポーズしていた。だが1週間ほど前から塞ぎ込むようになったという。
マークは条件の良い仕事を断り、監督に頼み込んで現在の仕事を得たため、別のスタントマンのジミーから「仕事を取られた」と恨まれていた。ジミーはその日も撮影現場に現れていたが、彼は関与を否定し「マークの後をつけたら、駐車場で男が待ち伏せして銃を突きつけていた」と言う。
マークの車は、路上で燃やされているところを発見される。中は無人だった。
マークと揉めた男はガブリエル・モリーナと判明。モリーナは撮影現場に来ており、脅迫メールを送信するところを映像に撮られていた。
モリーナは連行されるが、「話をしただけだ」と関与を否定。モリーナの妻ジュディはマークの従姉で、モリーナが薬物を使用しているとマークが保護観察官に告げたため、2人から恨まれていたのだった。モリーナが怒ったためマークは「保護観察官に連絡して間違いだったと言う」と約束していた。だが、その日は重要な用事があると言うので、その場は引き下がったという。
そしてジュディの話から、マークが病院に連絡を入れていたことが判明。
医師に話を聞いたところ、マークは患者としてではなくヒュー・ドーランの付き添いで来ていたとのことだった。ヒューは事故の後遺症で記憶障害を患い、マークは何とか治療できないかと必死だったが望みは薄くヒューは希望を失っていた。医師はヒューに自殺の恐れがあると判断してカウンセラーを紹介していた。
ダニーはヒューの家を調べ、浴室のシンクから血液を発見。
ヒューは妻のリリーが妻に問われる可能性があると知り、真相を告白する。ヒューは回復の見込みがないと知り、自ら命を絶とうと決めた。だが自殺では保険金が下りないため、「事故に見せかけたい」とマークに頼み込んでいた。
マークは彼の頼みをいったんは断ったものの、ヒューの決意が固いことを知り、また医師の判断をもあって考えを変え、ヒューに協力することにした。マークはヒューを浴槽に沈め、入浴中に風呂で溺れたように見せかけようとしたが、その時にたまたまリリーが帰宅し、ヒューを守ろうとしてマークを殴りつけた。打ち所が悪くマークが死亡したため、遺体を埋めて車を燃やしたのだった。
よほど打ち所が悪かったのかもしれないが、簡単に死に過ぎじゃないか、マーク……?
まぁリリーはその後遺体を埋めたりしているので、ああ見えて力持ちなのかもしれないが。それにしても気の滅入る結末だった。
リリーは遺体を埋めたりせず、出頭していれば罪に問われない可能性があったのではないだろうか。何しろ、夫が殺されそうになっているところを目撃したのだ。夢中で殴ってしまったとして、誰が責められようと思う。
「自殺を事故/他殺に見せかけて保険金を残す」という作戦は、ドラマでは大抵失敗することになっているが、おそらく視聴者への影響を考えた倫理的な理由があるものと思う。
ガブリエル・モリーナを演じたのはデクスターのエンジェル刑事。ムショ帰りということだったが、犯人でなくて良かった。とはいえ、マークは保護観察官に話をできなくなってしまったので塀の中へ逆戻りしちゃうのかな。
2025-07-21