CSI Novel 16 Skin Deep

Skin Deep CSI: Crime Scene Investigation

引退した判事が失踪し、遺体で発見される。同じ頃、図書館では司書の女性が殺害されていた。CSIは2チーム別々に捜査を始めるが、両方の事件に共通する要素があることがわかり、保安官は合同捜査を命じる。

Skin Deep

  • 著者:Jerome Preisler
  • 発行:2010-08-31
  • ISBN:978-1439160824

小説版CSI第16弾、著者のジェローム・プライスラーは10作目 “Nevada Rose” 以来2度目の登場。

事件のうち1件は、ニックとサラが担当。引退した元判事のドーセットが誘拐され、身体にタトゥーを施された状態で死亡しているのが発見される。判事は以前からタトゥーを入れていたわけではなく、誘拐した犯人が行ったものと思われた。以前にも同じように誘拐されて強制的にタトゥーを入れられるという事件が何度か起きており、犯人は「タトゥーマン」と呼ばれたが未解決になっていた。ただし以前の事件では被害者は生きたまま解放されており、死亡事件は今回は初めて。

ニックとサラは以前の事件の被害者2名に面会して事情を聞くが、彼らに施されたタトゥーはかなりグロテスク。顔を時計の盤面にされた女性もいた。今回初めて死者が出たということで、今まで通報しなかった被害者も名乗り出て来た。そこから「タトゥーマン」の動機が何なのか、なぜ「この人にこの模様を彫るのか」が明らかになっていく。

被害者たちは皆、10年前に起きたある事件に関わっていたことがわかり、防犯カメラの映像を集めて整理することで、その時に何が起きたか、誰がどこで何をしていたかが明らかになっていく。アーチーお疲れ様!

もう一方の事件は、開館時間前の図書館で司書の女性ローレルが射殺される。被害者は頭を撃たれたが即死することはなく、自ら通報したものの、そのすぐ後に死亡。被害者の身体にもタトゥーがあったため、上記「タトゥーマン」との関連が疑われたが、現場を見たキャサリンは「手口が違う」とその判断には懐疑的。

ローレルの事件にはラングストンが加わり、タトゥー関連の聞き込みを行う。ローレルはかなりのタトゥーマニアだったが、そのうちの一部が犯行時に皮膚ごと除去されていたことがわかり、そこに動機が関連しているのではないかと疑われた。その後、カナダで起きた類似の事件が見つかり、こちらでも別の連続殺人の可能性が浮上。

周辺の聞き込み場面では、ローレルにタトゥーを施した彫師やタトゥーコンテスト、タトゥーを施した皮膚のコレクターなどマニアックな人々の世界が描写され、また関連情報としてイルゼ・コッホ(ブーヘンヴァルトにあったナチスの強制収容所所長の妻)の話も出てくる。ディープでマニアックな世界と言えばグリッソム(元)主任!グリッソムが膨大な資料を収集しており、ネットでキャサリンと会話する場面があった。

全体を通じて不気味な感じだが面白い。不気味さもビジュアル要素が強いので、映像化すると面白いんじゃないかと思った。

2025-07-23

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