Law & Order:UK S3-2 Safe

Law & Order UK シーズン3 Law & Order: UK

通算28話「親の都合」
遊園地のメリーゴーラウンドで、若い母親が「2歳の息子がいなくなった」と叫ぶ。彼女はシングルマザーで、その日は父親との面会日だというが、父親は姿を見せず連絡も取れない。親権を求めて息子を連れ去ったのかと思われたが……。

Law & Order:UK シーズン3(字幕版)
Law & Order:UK シーズン3(吹替版)

  • 脚本:Emilia di Girolamo
  • 原案:Michael S. Chernuchin, Janis Diamond
  • 監督:Julian Holmes
  • 初回放映:2011-07-17

Crown v. Robert Whitely

遊園地のメリーゴーラウンドの近くで、若い母親が「子どもがいなくなった」と叫ぶ。母親はケイラ・スタークで、2歳の息子ライアンを乗り物に乗せていたら、いつの間にか姿を消していたという。

ライアンの父親は元カレのジミーで、その日は面会日のはずだが姿を見せていない。ブルックスとデヴリンは、親権を求めていたジミーが連れ去ったのではないかと疑う。

だがケイラが記者会見を開いて「ライアンを返してください」と呼びかけた後、ジミーは驚いて警察に現れる。ジミーは関与を否定し、面会予定日は今日ではなく翌日だと主張。アリバイも確認される。

防犯カメラの映像ではライアンの姿は確認できず、目撃者も現れない。またケイラの話にも不自然な点があり、刑事たちは誘拐は狂言ではないかと疑い始める。携帯電話の写真やアクセス歴から、ケイラは恋人ができて息子が邪魔になり、違法な養子縁組のサイトで誰かに引き取らせようとしていたのではないかと思われた。

ブルックスはケイトとともにその日の足取りをたどりながら、いろいろ話をして事情を聞き出す。ケイラは現恋人のロブ・ホワイトリーという男の家に住んでおり、警察を案内した「自宅」には友達の母子が住んでいるという。ロブは粗暴な男で、ケイラとジミーが会うことを嫌がり、ライアンが泣くと怒ったという。ケイラはライアンが死んだことを認め、遺体を置いた場所に案内する。ライアンは複数の骨折があり、窒息死させられていた。ケイラとロブは2人とも、ライアンが死亡した時の状況は黙秘する。

ケイラの弁護人は、彼女が幼少期から性的虐待を受けてきたために適切な判断力を持たないことや、学習障害があり知能指数が10歳児程度であることから、責任能力がないと主張する。

ケイラとロブの弁護人は共同で訴答適性(当事者の訴訟能力)の審理を申し立てるが、結局2人とも訴訟能力があると判断され、起訴される。ケイラの弁護人は「過失致死で有罪を認める」と言って取引をもちかける。謀殺を取り下げれば、ロブを有罪にできる証言を行うという。ソーンはその取引をのみ、ケイラは5年の実刑とされる。

ロブの弁護人は、社会福祉局の職員がどの程度訪ねて来たかなどをケイラにたずね、ずさんな対応をした福祉局にも責任があったことを印象付ける。実際には、職員はできるだけのことをしていたが、事務処理のミスなどがあり、見せしめ的に解雇されていた。その元職員は、ライアンが死ぬ前の週に短時間話を聞いただけだと思われていたが、実際には、ライアンが死んだ夜にロブの自宅を探し当てて「保護申請をする」とケイラに伝えていた。

ケイラは保護施設の環境が劣悪であることから、ライアンを施設にだけは送りたくないと思いつめていた。彼女は証言台に立ち、ソーンはライアンが死んだ夜のことをひとつずつ確認しながら問い質し「私を信じて」と促す。ケイラは虐待に苦しむライアンの姿にかつての自分の姿を重ね、枕でライアンを窒息死させたのだった。

ケイラは謀殺を認め終身刑の判決を受ける。また、ライアンがロブの家に移ったことが間接的に死の原因になったということで、ロブは過失致死で最低8年の禁固刑を言い渡される。


遊園地で行方不明になった男の子。母親は必死に子どもを探すが……ということで、本家の元エピソードはシーズン6「天使のために」。本家では焼却炉の場面がとても恐ろしかったので身構えてしまったが、こちらでは焼却炉ではなかったようだ。どういう場所なのかよく見えなかったけれど、死因を窒息と特定していたので検死はできたはず。

本家では変な弁護人が突飛な言動を繰り返し、検事も判事もそれに振り回されていた感があったが、こちらはそういうこともなく、代わりに福祉局が人手不足で混乱していた様子や、違法な養子縁組サイトなど現代的な要素が加わっていた。

そしてケイラに学習障害があり、IQは小学生程度だというのもUK版で加わった要素だろうか。確かに、刑事たちに質問されて「ぬいぐるみを洗った」「シーツも洗った」と、その場ですぐ言い逃れができる割に、深く考えることができずすぐ言葉に窮してしまうところは子どもっぽいと言えるのかもしれない。これはケイラ自身が被虐待児であったことから「その場で殴られない」ための言い訳が上手くなってしまったということだろうか。そのあたり、もう少し描写があっても良かったと思う。

検事の会話で言及された「シャイ・キーナン」は、継父からの性虐待の経験を本に書き、性虐待サバイバーの支援団体を設立した女性。

2025-08-04

タイトルとURLをコピーしました