通算124話「狼の末路」
6年前の失踪事件の手がかりがベガスで見つかり、マローンは現地でCSIのグリッソム主任らとともに合同捜査を行う。その後、事件は連続殺人事件の様相を呈し、手がかりを追ううちに容疑者がニューヨークに戻って来たことがわかる。
Without a Trace/FBI失踪者を追え! シーズン6
- 脚本:Jan Nash, Greg Walker
- 監督:Jonathan Kaplan
- 初回放映:2007-11-08
失踪者:ジェイソン・テイラー
前編は「CSI:科学捜査班」のシーズン8「絆に飢えた狼」
ボルダーシティで警官を射殺して逃亡したテリー・リー・ウィッカーはコービーを連れて長距離バスで移動していたが、ラジオでニュースを聞き途中で下車する。
マローンは、ラスベガス警察のCSIグリッソムとともにウィッカーを追ってアリゾナ州のヒルサイドに到着。ウィッカーはコービーを薬で眠らせ、車を盗んで逃亡しているようだ。
マローンのチームが調べた結果、ウィッカーは数年前まで鉄道の保全係をしていたが解雇され、以前はクイーンズに住んでいたが、コービーが生まれた後は不明。シルヴィアという妹がいるが、兄とはずっと連絡を取っていないらしい。人付き合いに難がありセラピーを受けていたが、妹には時々アクセサリーをプレゼントしていた。
グリッソムはラスベガスに戻り、ジーナの車を分析。中にあったカードから、ジーナとウィッカーがコービーの学校に来ていたことがわかる。コービーと親しいアンジェリカに事情を聞くと、ウィッカーはコービーと二人きりになった所で自分が父親だと話し、「ツーソンでキャンプをしよう」と誘ったという。
その後、手配した車がツーソンで発見される。マローンはその近くに埋められていた子どもの人骨を発見。ウィッカーは手配をすり抜けてツーソンから飛行機でニューヨークへ戻ったらしい。
グリッソムが証拠品を持ってニューヨークへやって来る。FBIの地下にあるラボで歯形を照合したところ、ツーソンで見つかった人骨はジェイソン・テイラーのものと判明。
ウィッカーの元の住居を調べると、そこには赤ん坊を抱くウィッカーを映したビデオがあり、現在の住人が殺害されていた。残されたカップには口紅が付着しており、風俗嬢を呼んでいたことがわかる。彼女はウィッカーに呼び出され、コービーのために食事を作らされたと認める。その後、ウィッカー親子が目撃され、コービーが車から逃げ出したらしいとわかる。
今までであれば子どもを殺して鉄道で逃亡していた。だが今回それはできない。ウィッカーの行動に大きく影響するのは愛着。おそらく、妹に連絡しようとするだろう。シルヴィアは、兄から贈られたアクセサリーがすべて殺された女性のものと知ってショックを受ける。
ウィッカーはシルヴィアに電話をかける。マローンは懸命に説得し、線路脇にウィッカーを呼び出すことに成功。ウィッカーは一度コービーを捕らえたが、彼を殺しそうになり逃がしたと言う。マローンは信用せず「コービーを渡せ」と言うが、ウィッカーは拳銃で自殺してしまう。
ウィッカーが乗っていた車にコービーの姿はなかったが、怯えた子どもが身を隠しそうな場所を絞り込んで捜索したところ、貨物車両の中に隠れているコービーが見つかり保護される。
マローンはジェイソンの自宅へ向かい、両親に結果を報告する。
シリーズ初のクロスオーバー作品。前半は「CSI:科学捜査班」シーズン8のエピソードとして放送された。前編を見たのは2009年で、確か同時にこの後半エピソードも見てエピガイを書いたはずなのだがデータが見つからない。というわけで新しく書くことにした。
前編の方もU-Nextで配信されているので再視聴。グリッソムさん懐かしい~。マローンが取調室で暴力を振るってブラス警部に怒られる場面では「いや、この人こんなもんじゃないから……」と思ってしまった。
さてストーリーは、前編で逃亡した犯人のウィッカーをひたすら追う話なので、WaTのエピソードとしては少々物足りない。「失踪の理由はその人の人生にある」というのがWaTの面白さのはずなのだけど、殺人犯が逃げるのは当たり前じゃんね。
ウィッカーの人生を辿るには時間が足りないし、そもそものきっかけだったジェイソンが死亡した状況もはっきりしないままだった。
最後にグリッソムと交わした言葉。マローンは失踪者を取り戻すことで報われているけれど、最近はあまり取り戻せていない――最近のシーズンでは、失踪者が生きて戻る回数が減っている気がするのだが、脚本家さんもそう思っているのだろうか。そうだよ、最近のあれや前シーズンのあれもこれも、失踪者を生きて見つけるという展開にできたはずだ!
2025-08-22