Law & Order:UK S3-10 Trial

Law & Order UK シーズン3 Law & Order: UK

通算36話「慢心が招いた悲劇」
大学で清掃員をしていた男性の自宅に爆弾が送られる。爆弾はライフルの撃針と水銀を使用した手製の物で、マニュアル本を見て作られたものと思われた。

Law & Order:UK シーズン3(字幕版)
Law & Order:UK シーズン3(吹替版)

  • 脚本:Nick Hicks-Beach
  • 原案:Jeremy R. Littman, William N. Fordes
  • 監督:David O’Neill
  • 初回放映:2011-10-19

Crown v. Simon Wells

団地に郵便爆弾が送られ、62歳の清掃員ウォルドマンが死亡する。22口径ライフルの撃針と雷酸水銀が使用されており、焼け残った紙片に残された文字から、ヘイトクライムが疑われた。1970年代に同じ材料の爆弾で事件が起きていたが、その犯人はすでに刑期を終えて隠居状態であり「自分の手口を盗んで勝手にマニュアル本を出した奴がいる」と言う。

本の出版社から顧客を調べてみると、ウォルドマン自身の名前で以前の勤務先だった大学に1冊が届けられたことがわかる。大学の郵便室には退職者専用のボックスがあった。誰かがウォルドマンの名前で本を注文し、転送される前にボックスから本を回収したものと思われた。

郵便室に出入りできた職員や学生をリストアップして調べたところ、歴史専攻のサイモン・ウェルズの存在が浮上。彼は日本の水俣病について研究しており、水銀の扱い方を知っていた。ウォルドマンが清掃していた精神医学部にサイモンも出入りしていた。寮に設置されたヒーターからは水銀が除去されており、サイモンの指紋が検出される。サイモンは犯行を認めるが、動機を聞かれると「彼は自分の夢に入り込んで内容を改変し、秘密を盗んで思考を頭に植え付けるから、自分は『声』に従って彼を殺した」と言い出す。

弁護側は精神疾患を理由に無罪を主張。サイモンは半年前から精神医学部で新薬の治験を受けていた。だが主治医であるミドルブルック教授によると症状は改善していたので、行動は病気とは無関係だという。

弁護側は、取調べの際に法的助言などの権利説明が不十分であることを理由に訴因の取り下げを要求。サイモンに事情を聞き始めた時は、自供するとは思われていなかったのだ。判事はサイモンの自供を排除。これが排除されると残りは間接的な証拠に過ぎないため、事件は棄却されてしまう。

Crown v. Martin Middlebrook

サイモンが釈放されたため、ブルックスは証拠を調べ直し、サイモンの父親が22口径ライフルを所持していることを知る。だが事情を聞こうとすると、ライフルは紛失したという。紛失したのはサイモンが帰省していた時。母親は、サイモンに投与された薬が効かず、妄想の症状を起こしているところを見ていたが、ミドルブルックは「ただのパニック発作だ」と、相手にしなかったという。

審問が開かれ、検察側の精神科医は「統合失調症の症状がある」と述べるが、ミドルブルックは薬が効いているという主張を繰り返す。評価記録はミドルブルック自身ではなく助手が行っていたが、助手本人が姿を見せないことをソーンらは不審に思う。

調べてみると、ミドルブルックは同じ助手を伴ってミュンヘンの研究所で同様の治験を行っており、患者からの「効かない」という訴えを無視していたらしいとわかる。患者のひとりはその後、鉄道自殺していた。助手は不正を知りながら虚偽の記録を行い、好条件で製薬会社に就職することが内定していた。実際には、ミドルブルックは不正が発覚した場合に責任をすべて助手に負わせようとしていたのだ。

ミドルブルックは「サイモンが好転していたと思ったのは判断ミスだが、治験でミスが起きることはある」と弁明するが、ソーンは、サイモンに妄想があることを知りながら入院させず被害者への警告も行わずデータを改ざんしたことは故殺に値すると指摘。

製薬会社から大量の証拠書類を取り寄せて調べたところ、PETスキャンの経費が計上されているのに結果の記録がないことがわかる。検査を行った機関で結果を調べたところ、サイモンには脳腫瘍があることがわかる。彼のの症状は統合失調症ではなく脳腫瘍が原因だった。ミドルブルックは良い結果を出すことに固執し、スキャン結果を隠蔽していた。サイモンは余命3ヶ月と診断される。


本家の元エピソードはシーズン7「ダブルブラインド」

本家では水銀を使った銃弾だったのが、こちらで爆弾になっていたのはやはりお国事情?(UKでも拳銃を使った犯罪は何度か起きているけれど)

しかし水銀が使われているのは同じ。水俣病を研究していたサイモン(本家ではアラン)が企業犯罪の犠牲になるという図式がやはり重要だったのだと思わされる。

なので、後半は同じ展開になるのだろうと思ったらやはりそうだった。「サイモンが死んだらミドルブルックを謀殺罪で起訴する」とソーンが予告するところで事件は終了。

その後、ソーンは母親の見舞いに。この母子関係も少しずつ描写されていくのだろうか。

2025-09-18

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