通算128話「サンタクロース効果」
モールでサンタクロースに扮していた若者が失踪。失踪前には銃を入手し、自宅には脅迫めいた手紙が残されていた。彼はモールで働く以前は大学の研究室に所属し、大企業向けのソフトウェア開発プロジェクトに参加していた。
Without a Trace/FBI失踪者を追え! シーズン6
- 脚本:Alicia Kirk, David Amann
- 監督:Bobby Roth
- 初回放映:2007-12-13
失踪者:グレン・ベケット
モールでサンタのアルバイトをしていた若者グレン・ベケットが失踪。グレンは最近銃を入手しており、部屋には「殺してやる」という脅迫の手紙が残されていた。失踪前日にモールで女性と言い争っていたことはあるが、それ以外は皆に好かれており、トラブルもなかった。だが最近6万ドルを口座に預金しており、その出所は不明。
グレンは数学の天才で、飛び級で大学に入学してさまざまな業績を重ね、最近では大企業リチコープのソフトウェア開発プロジェクトに参加していたが、1か月前に大学を辞めてモールでアルバイトを始めたという。
グレンと言い争っていたのはサンタクロースに興奮する女性で、誘ったが断られたという。彼女の話から、その日に年配のサンタと争ったことがわかる。
年配のサンタは、グレンの前任者のサンタだったラッセルと判明。通常サンタ役は太った年配の男性が演じるものだが、そのモールでは「新しい発想が必要」ということで若いグレンに交代させていた。グレンはラッセルを気の毒に思い、アルゴリズムを使ってブラックジャックで稼ごうともちかけた。
ラッセルとグレンはカジノで儲けることに成功したが、店側に気づかれたため闇カジノに移る。そこで当たりを出した後、胴元のアーマンドに殴られ、カラクリを白状させられたという。グレンと争ったのは、彼が逃げ出したためだった。
学部長のマクニールはグレンと一緒に進めていたプロジェクトについて「守秘義務がある」と語らなかったが、恋人のゾーイから事情を聞き、製造現場を効率化して必要な人員を大幅に削減するためのプログラムだとわかる。ゾーイは「工場をリストラして労働者の仕事を奪うためのものよ」と非難し、グレンはショックを受けた様子だったという。
アーマンドはグレンを連れ出して脅したことを間接的に認めるが、結局はグレンと交渉成立して自宅に送り届けていた。そこではマクニールが待っていたらしい。
失踪前、グレンは大学のネットワークに不正アクセスしてプログラムを改ざんし、リストラできないようにしたが、マクニールはバックアップから復元してすでに納品していた。グレンの才能が必要だったマクニールは、何とか復学させようと説得を試みる。グレンは、大学のサーバーへの暗証コードを教えることと引き換えに、復学を了承していた。
マクニールらが納品したソフトウェアは、会社の株主総会で発表されるはずだった。会場のホテルで「サンタ男」の目撃情報があり、現地へ向かうと、リチコープのハリスがいた。グレンとゾーイから接触を受け、代替品のソフトウェアで「リストラせずに生産性を上げることができる」と提案されたという。ハリスはいったん断ったものの、グレンが銃を出したためソフトウェアを受け取り、2人は逃げた。
そこへグレン本人から「自首したい」と連絡が入る。グレンはFBIの監視下で子どもたちにプレゼントを配る。その後、ハリスは代替品を気に入って採用し、検事局も不起訴を決定してグレンは無罪放免となった。
12月放送のクリスマスエピソード。
冒頭、グレンが銃を手にして扉を開けるところで「ふっ」と消えていたので、闇カジノの胴元に拉致されてどうなったのかと思ったら、意外(と言っては失礼だが)にも話のわかる胴元さんで、交渉成立させ自宅まで送ってくれていた。お年寄りサンタのことはボコボコにしたのに(ひどい)。
でも夜のうちに自宅へ戻って来ていたということは、グレンは「失踪」している間、大学のサーバーで代替ソフトを制作していたということになる。つまり失踪でも何でもなく、勤務先のモールに連絡を入れておけば事件になることもなかったんじゃないか!認証コードを教えてもらったなら、正式にログインしているはずなので、システム管理者に聞けばわかるだろう。
最後は何だか良い話っぽくまとめられ、誰も死なずクビにもならず平和に終わっていた。CSIだと、こういう息抜き的なエピソードの後には深刻な話が来たりするものだが、WaTではどうなのだろう。例の人身売買組織の無情な側面が明らかになったりするのだろうか。
ともあれ、事件は無事解決ということで、メリークリスマス!(これを書いている今は9月だけど)
ジャックのサンタ姿、見たかったな。
2025-09-19