Law & Order:UK S3-13 Fault Lines

Law & Order UK シーズン3 Law & Order: UK

通算39話「出来心」
科捜研に勤務する女性職員が自宅で刺殺される。婚約者に疑いがかかるが、そのすぐ後、別の職員がタクシーの運転手に襲われたことがわかり、連続殺傷事件の可能性が生じる。ケイシー刑事は脅える被害者を気にかける。

Law & Order:UK シーズン3(字幕版)
Law & Order:UK シーズン3(吹替版)

  • 脚本:Emilia di Girolamo
  • 原案:Richard Sweren, Christopher Ambrose
  • 監督:David O’Neill
  • 初回放映:2011-11-09

Crown v. Carl Lucas

科学捜査研究所に勤務する分析官のケリー・マーンが自宅で胸を刺されて殺害される。ケリーは同僚たちと出かける予定で、タクシーで帰宅して着替えると言っていた。

ケリーは独身だが婚約者のトムと結婚する予定で、2人は共同口座に現金を入れていた。だが少し前、トムが口座から全額を引き出したことや2人がケンカしていたことなどがわかる。ケリーはトムの浮気を疑い、「証拠品」のシーツを職場に持ち込んでいたが、調べる気になれないままロッカーに置いたままにしていた。また、ケリーが持っていたギフトカードは高級ランジェリーの購入に使用されたことがわかる。

トムに疑いがかかるが、その後やはり科捜研に勤務する臨時職員のルーシー・ケナードがタクシーの運転手に襲われるという事件が発生。彼女はナイフで脅されたが、通りかかった車がクラクションを鳴らし、驚いて逃げたという。科捜研の女性が続けて狙われたということで、ケリーを送り届けたタクシー運転手、カール・ルーカスが容疑者として浮上する。ルーカスの靴はルーシーの目撃証言と一致し、靴からはケリーの血液が検出される。

ルーシーは面通しでルーカスを特定し、ルーカスは起訴されるが、弁護人は「面通しの際にサム・ケイシーがルーシーの手を握っていた」ことを理由に排除を申し立てる。ケイシーはルーシーを元気づけようとして手を握っただけだったが、弁護人は「合図を送ってルーカスを特定させた」と主張する。判事は「目撃者と警察官の身体接触は禁じられている」と言い、面通しの結果を排除する。

ケイシーは実際にルーシーに魅かれており、自宅に送り届けて一夜を共にしていた。だがその後、再びルーシーの自宅を訪れたケイシーは浴室でランジェリーを発見。それは、ケリーから盗まれたギフトカードで購入されたものと同じブランドのものだった。

Crown v. Lucy Kennard

改めてケリーの周辺を調べ直すと、トムがルーシーと浮気していたことがわかる。トムはルーシーから「妹が重病で治療費が要る」と言われたため、口座から金を引き出して渡したが、その直後にルーシーは連絡を絶ってしまったという。

ケイシーはルーシーとのことをチャンドラー警部補に打ち明ける。警部補はケイシーを叱責するが、それを利用してルーシーから自供を引き出そうと計画。ルーシーは結局、自分に不利なことを口にしなかったが、警部補は司法妨害の容疑でルーシーを逮捕して自宅を捜索する。

ルーシーは、運転手に襲われた話や靴の特徴などは、トムから言わされたのだと主張する。トムは妹を助けてくれたので、婚約者殺しを疑われていることを気の毒に思い、犯人とは思わずに作り話に協力したのだという。

運転手の靴にケリーの血液が付着していた謎はまだ残っていたが、それはルーカスが犯人だと思い込んだ同僚が「犯人が無罪放免になるのは許せない」と思いつめて証拠を捏造したものと判明する。

調べてみると、ルーシーは他でも詐欺をはたらいており、毎回名前を変えていたが「妹が病気」というストーリーは同じだった。「妹が外国で病死したので遺体を運ぶ費用が必要だ」と言われた男性もいた。そしてケリーはルーシーの悪事に気づいていたらしいということもわかる。

ルーシーは謀殺罪で起訴され、妹の件を尋問されて「妹は本当に病気で亡くなりました」と答えるのだが、実際には生きており、その時法廷に来ていた。悪事をケリーに気づかれて殺害したのだろうと言われたルーシーは激昂し、判事に向かって「私と寝たら助けてやると言ったくせに、話が違う」と言い出す。

判事は身に覚えのないこととはいえ、いったんは事件を辞任しようとするが、ソーンは「別の判事に代わっても同じことですから」と慰留し、裁判は続けられる。ソーンは尋問でルーシーの嘘を暴き、ルーシーには有罪の評決が下される。


本家の元エピソードはシーズン20「甘い誘惑」で、これは1度見た(おそらくスパドラの再放送)だけなのであまり記憶していないが、大筋はほぼ同じだったと思う。ただ、本家版はルーシー(名前は違ったような気がするけど)のキャラがもっとエキセントリックというか「この人かなり危なそう」という印象だったと思う。ただ判事役が「ツイン・ピークス」のハンクだったので、それはそれで悪そうだったのだが。

こちらのエピソードで加わった要素としては、ケイシーが日本の思い出を語るところ。若い頃に日本に滞在し、新宿で遊んでばかりだったが、鎌倉に行った時は大仏に感動し、穏やかな土地でゆったりした時間を過ごしたようだ。バブルの時代かな?

そして地震と津波のことが言及された。このエピソードは2011年11月の放送なので、脚本が書かれたのは東日本大震災の直後くらいだろう。あの当時、世界中から寄せられた #PrayforJapan の温かいメッセージを思い出した。脚本担当のEmilia di Girolamoさんありがとう。

一方で驚いたのは、科捜研の分析官が証拠の捏造をやらかしていたこと!この部分、本家版ではどうだったか記憶していないが、CSIシリーズでは絶対にアウトな案件。こんな事があれば同じ分析官が担当した事件がすべて再捜査の対象になるのではないだろうか。NYでは保管袋の封印を破っただけでクビだし、ベガスでは証拠捏造で「死刑もあり得る」という台詞があったように記憶している。ここは英国だから死刑はないけど。

ともあれ最後はソーンの尋問で嘘が暴かれ、この事件は無事に有罪の評決が下された。ケイシーはルーシーの件で少しギクシャクしたブルックスと和解し、検察グループも、やりかけのDV事件を明日に回し祝杯を挙げに行く様子。シーズンフィナーレらしく和やかな雰囲気で終っていた。

2025-10-15

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