通算131話「リセット」
ヴィヴィアンは人身売買組織を摘発するために、違法な堕胎を行った病院に強制捜査を行うが、証拠品はすでに「別の捜査官」によって押収された後だった。ヴィヴィアンはマローンと連絡がつかず心配する。
Without a Trace/FBI失踪者を追え! シーズン6
- 脚本:Jan Nash, Greg Walker
- 原案:David Amann, Jose Molina
- 監督:John Polson
- 初回放映:2008-04-03
失踪者:ジャック・マローン
ヴィヴィアンは、人身売買組織に協力して堕胎を行ったと疑われる病院に強制捜査を行う。院長のカペルを拘束して事情を聞こうとすると「前日に来た捜査官にすべて話し、記録も手渡した」と言う。その捜査官とは、どうやらジャック・マローンのようだが、マローン本人とは連絡がつかない。
ヴィヴィアンは、マローンがジョー・ジュスティを追ってはどうかと言ったことを思い出す。ジュスティはジェニファーをレイプした男で、マローンはジェニファーに会ってから気にしていた様子だった。だがともかく、今はカペルから聞き出した断片的な情報を基に捜査を進めるしかなかった。
その頃マローンは銃撃戦に巻き込まれ、瀕死の重傷を負って倒れていた。マローンは人がいなくなった隙に布で止血し、死んだふりをする。
マローンの車が黒焦げになった状態で発見される。目撃者の話では、男が運転して来て火を付け、迎えに来たバンで帰って行ったという。写真を見せたところ、火を付けたのはヴィヴィアンらが探しているロマーだとわかる。
ロマーが火を付けた直後、付近で使用された携帯電話の信号を調べてみたところ、ロバート・ニュートンの名前が浮上。逮捕された売春宿のマダム、シャロンの弁護士だった。シャロンはその朝から音信不通。ニュートンは、ロマーのことは知らない、店の客だと思っていたと主張する。
マローンの車から位置情報の記録装置を回収してデータを復元してみたところ、廃工場の近くで長時間停止していた場所がわかる。踏み込んでみると、そこには大量の血痕と何かを引きずったような痕跡が残されていた。
マローンが被害女性のイヴェットと接触していたことがわかり、ヴィヴィアンは移民局の留置センターへ向かう。イヴェットはマローンから質問され、シャロンに連れられてパーティへ行ったことと、その場所について話したという。
シャロンが腕を撃たれ、ERに駆け込んだことがわかる。廃工場からはシャロンの血痕が検出されていた。シャロンは連行され、マローンから「ロマーと会う段取りを付けろ」と強要されたと話す。シャロンはマローンとともに廃ビルへ行くが、そこで銃撃されて逃げ出していた。
ヴィヴィアンらはシャロンから聞き出した情報や目撃情報をつなぎ合わせて、何とかロマーの行方を追おうとする。さらに、廃工場を所有する会社の社長がロバート・ニュートンであることがわかり、ニュートンは再び尋問を受ける。ロマーは口座の現金をすべて引き出し、金庫の中身を持って来るよう指示していた。弁護士はマイクを装着して指定の場所でロマーを待ち受け、マローンの居場所を聞き出そうとするが、ロマーは途中で気づいて弁護士を刺す。ヴィヴィアンはその場でロマーを拘束し、マローンの居場所を言わせる。
マローンは瀕死の状態で沼地に遺棄されていた。ヴィヴィアンらはマローンを発見する――。
前回のエピソード放映から3ヶ月近く経ってようやく再開。この年は脚本家のストライキがあり、ストがようやく集結したのが2008年2月。なので、このエピソードは長いブランクを経てスト明けに制作されたものだろう。その間にマローン役の俳優さんは髪を切ってさっぱりし、サム役の人もお腹が目立つようになってきた。
そしてシーズン開始からえんえん引っ張って来た人身売買組織の捜査がようやく大詰めを迎え、ヴィヴィアンは違法な堕胎を行った病院に強制捜査をかける。同一人物が複数の女性の堕胎費用を払ったことから足がついた。地元警察のマース刑事は今回出番なし。合同捜査本部は解散?
ヴィヴィアンの回想シーンで増員を求めていたので、本来は病院の強制捜査から元締めの身元へと迫っていくはずだったのだろう。だがここに来てマローンの意味不明な暴走。
ヴィヴィアンは「証人を脅して令状もなく証拠品を押収」を根拠にマローンと断定する(そして正解だった)が、マローンの暴走ぶりが(伏線はあったとはいえ)少々唐突だし、何だか「らしくない」気がする。結果的に、そのおかげでロマーを捕らえることができたわけだが……。
ここはタイトル通り、ストーリーアークを仕切り直し(リセット)するエピソードだったのだろうか。少々失礼な言い方にはなるが、WaTの脚本陣は連続ストーリーがあまり得意でないのかなと思った。
2025-10-30
