通算134話「1ドルと夢」
宝くじで大金を獲得し、一夜にして大金持ちになった元ウェイトレスがキャンプ場から失踪。一緒にキャンプに行った恋人は、彼女が何者かと言い争う場面を見ていた。
Without a Trace/FBI失踪者を追え! シーズン6
- 脚本：David H. Goodman, David Mongan
- 監督：Martha Mitchell
- 初回放映：2008-05-02
失踪者：レイシー・モラン
宝くじで3200万ドルを当てたウェイトレスのレイシー・モランがキャンプ場から失踪。レイシーは恋人のジェフ、ジェフの妹のポーラとその夫エリオットの4人でキャンプに来ていたが、どうしても外せない予定があると言って一人で先に帰ったという。レイシーは確かに自宅の駐車場で車を降りたところが防犯カメラで確認されるが、該当する予定は確認できない。
宝くじを当てたレイシーは急激に金使いが荒くなり、高級アパートに高い調度品を揃え、またチャリティにも高額の寄付をしていた。
ジェフは、キャンプ場でレイシーが知らない男と言い争っていたと言う。その男は慈善団体の職員で、レイシーから多額の寄付をする約束を取り付けていた。だがレイシーは「あれは私のお金じゃない」と言って断っていたという。
レイシーが当てた宝くじの番号から販売店と時刻を調べてみたところ、防犯カメラに映っていたのは年配の男性だった。映像から氏名はデズモンド・カーターと判明し、訪ねて行くとカーターはすでに死亡していた。隣人に事情を聞くと、カーターは癌を患い、レイシーが面倒をみていたという。カーターが亡くなった後、身の回りの品とともに宝くじを譲り受けたのだろう。
失踪前のレイシーの自宅にピザの宅配があったことがわかり配達員に話を聞くと、レイシーはピザを受け取った時「ジェフ」という男性と「金を持って逃げる」相談をしていたという。もしその時、ジェフがいたのであれば、彼のアリバイはくずれる。
だが、改めてジェフに事情を聞こうとすると、彼は車の中で銃で頭を撃ち死亡している。状況から自殺と思われた。
ポーラに話を聞くと、レイシーは宝くじが当たりであることを知ったものの、自分がもらって良いのか悩んでいたという。カーターは身寄りがないと思われていたが、実は疎遠になっていた息子がいる。本来ならその息子が相続するはずではないのか――。ポーラは「親を見捨てた息子より、あなたの方がもらう資格がある」と言ってレイシーを説得していた。
デスモンドの息子アレックスは、レイシーに会って金を要求したことを認める。レイシーはいったん断ったものの、その後「金を返す」という連絡を受けた。だが彼女は結局現れなかったため、自宅の前で待ち伏せしていた。するとレイシーらしい女性が現れたので呼び止めたが、顔をよく見ると別人だったという。アレックスは写真を見て、レイシーによく似た女性はポーラだったと断言する。
ポーラは夫とともに故郷へ向かっていたところを発見され拘束される。彼女はレイシーが金を返そうとしたことが許せず、キャンプ場で争って頭を殴ってしまった。レイシーは打ち所が悪くその場で死亡。3人は共謀してレイシーの遺体をキャンプ場に埋め、ポーラがレイシーに扮して車で自宅へ戻った。ジェフは自分を許せず拳銃で自殺したのだった。
キャンプの後、車を運転するレイシーの姿がバックミラーから「ふっ」と消える。いつもの演出だが今回のはアンフェアでは？
この場面はレイシー役の俳優が演じ、顔がはっきり見えている状態だった。キャンプ場の管理人からは「そう見えた」ということなのかもしれないが、実際にここで車を運転していたのはポーラだったことがわかる。という真相であれば、冒頭のこの場面は顔がはっきり見えないようにしておいて、終盤で顔にズームしたらポーラだった！という映像表現にするべきではないかと思った。
ピザ屋が配達する場面もそうだ。
推理小説ではこういう場合、客観的な地の文で「レイシーが～」と記述するのはルール違反とされている（管理人の視点で、レイシーと認識してそう語るのはOK）。
ポーラが「私たちのお金」というのはどうなんだ、という気がしなくもないが、ポーラもレイシーを手伝ってデズモンドの世話をしていたのであれば、そうかなとも思う。ためらうレイシーを説得したのも彼女だし。いずれにしても末期がんだったのだから「持ち物は好きにして良い」という文言を書面で取っておかなければいけないなと思った。
さて、マローンは今回から職場に復帰して、何をするのかと思ったらブライアンの身元調査。性犯罪の前歴が見つかったようだが、これはどうなるんだろう……。
使用楽曲
- Life in Grey by Jade McNelis
2025-11-08
