通算53話「37年の誇り」
マーケットで女性が刺されて死亡する。ブルックスとホーキンスは新しい警部補のもとで捜査に着手するが、現場に大勢いた目撃者の供述は食い違い、なかなか犯人像が絞り込めない。
Law & Order:UK シーズン5(字幕版)
Law & Order:UK シーズン5(吹替版)
- 脚本:Richard Stokes
- 原案:Richard Sweren, Matt Witten
- 監督:Jill Robertson
- 初回放映:2014-06-11
Crown v. Robert Washington
ファーマーズ・マーケットで女性が刺され、間もなく死亡する。ブルックスとホーキンスは現場で目撃者から話を聞くが、供述はさまざまに食い違い、なかなか犯人像が絞り込めない。
犯罪捜査部には新しい警部補のエリザベス・フリンが赴任して来る。
犯人が逃走したスクーターが見つかるが、盗まれた後に乗り捨てられたもので、持ち主はアリバイが確認される。ヘルメットから部分指紋が検出され、近くの団地に住むボビー・ワシントンの存在が浮上。
ボビーは逮捕されるが、指紋は不完全ですぐに釈放されてしまう。
ボビーは姉の恋人に車で送ってもらっていたが、立ち寄った経路でナイフが発見され、ボビーは逮捕される。ブルックスはボビーが逮捕時に「あの白人女が悪い (The white bitch deserved it.)」と言うのを聞いて犯行を確信するが、ホーキンスや他の警官たちには聞こえていなかった。
ナイフは洗浄されており、凶器であるという特定はできなかったが、柄にはギャングのマークが刻まれており、そこからボビーの母ションダのDNAが検出される。それはギャングに加わっていたボビーの父親が持っていたもので、ションダは身を守るためにボビーにそれを与えていた。
公判が始まるが、弁護側は自白は確実でなく証拠も不十分であることを理由に棄却を求め、判事はそれを認めて事件を棄却する。
ブルックスはもう一度証拠と証言をしらみつぶしに調べ、目撃情報と逮捕時のボビーの服装が違っていることに気づく。事件当日に着ていたシャツは姉の家で発見される。選択されていたが血痕が付着していた。シャツを捨てなかった理由を聞かれたボビーは「実の父親が買ってくれたものだから」と言う。
ボビーは再度逮捕され、ブルックスに何を言ったのかと聞かれ「あの白人女が悪いと言った」と答える。
本家オリジナルはシーズン10「疑いの目」で、こちらは未見。
5シーズン(英国では8シリーズ)53話続いた「Law & Order: UK」はこのエピソードで終了となった。厳密に言うと決定は「休止」だが、実質は打ち切りと言って良いだろう。本家が10年以上経ってリバイブしているから、UKもその可能性はゼロではないけれど。
つまりグランドフィナーレなのだが、その割にフィナーレ感がないなぁというのが正直なところ。むしろ前回の方がフィナーレらしかったと思う。
これは想像だが、本当は前回がシーズンフィナーレで、このエピソードは新シーズンの1話になるはずだったのではないだろうか。だってシーズン1から3は全部13話の構成で来たのだ。当初の予定ではシーズン4も同じ13話(前回の「強硬手段」まで)で終わるはずだったのではないか?
制作スケジュールがどうなっていたのかはもちろんわからないけれど、ブルックス役のブラッドリー・ウォルシュが別のプロジェクトで多忙になって降板することは番組の継続/キャンセルより先に決まっていたはずなので、これを「お別れエピ」として1話だけ予定よりちょっと早く制作していてもおかしくはないと思う。
でも結局番組は打ち切られてしまったので、これを終わりにくっつけて完結とした――のではないかと推測している。米国版は通算40話以降を「シーズン4」としても良かったと思うのだが、なぜかここだけ英国版と同じ話数でシーズンを分けている(放送スケジュールの都合?)。
ブルックスが本当に異動するかどうかははっきりしなかったし、最後はフリン警部補の信頼を得た感じで終っていたので、何年か後ウォルシュのスケジュールが空いたら、このメンバーで再開……という可能性もあったのだろうか(高くはなさそうだけど)。
そんなこんなで、フィナーレらしさはイマイチな感じであったけれど、ともあれ皆さんお疲れ様!最初の方では本家と比較してあれこれ言っていたが、後半の方では本家版を見ていないエピソードも多かったので、普通に英国の刑事/法廷ドラマとして楽しめた。
ブルックスはシーズン1からここまでずっと、全話に出演している唯一のキャラクター。本家のブリスコーに相当する存在だが、回を追うごとにブルックスとしての人物像に深みが出てきてドラマ世界に欠かせない存在感を養ってきたと思う。ブルックスの降板とともに番組が終わってしまうのも当然なのかもしれない。今回の尋問シーンは迫力があったし、前回の「強硬手段」やシーズン4「残された者たち」のラストに流れたモノローグは、しみじみと心に染み入るものだった。
そしてもう一人!全話出演ではなく今回もいなかったけれど、映像分析やその他の地道な調査を担当していたアンジェラも全シーズンに出演している功労者である。アンジェラもお疲れ様!彼女はきっと、新しいボスの下でうまくやっていけるだろう。
さて事件の方は、証拠が弱いんじゃないかと不安に思っていたがやはり棄却されてしまった。しかし審理を進めて無罪になっていれば、後から証拠が出てもダメなので(一事不再理)むしろ良かったのかもしれない。
また、ボビーの「自白」は、字幕では「あの白人女が悪い」となっていたが、原文では「The white bitch deserved it」だった。「deserve」は「~に値する」「ふさわしい」といった意味で、昇進などのポジティブな場面でも使われるが、今回のような場合は「当然の報いだ」という感じだと思う。相手にふさわしいものを自分が与えてやるという場面で使われることが多いので、ブルックスはこれを自白と受け取ったのだろう。字幕の表現では少々弱い気がした。
2025-12-30
