CSI - Season 7, Episode 10 ====== #151 Loco Motives ====== * 邦題:「殺人模型アーニー・デル」 * 脚本:Evan Dunsky * 監督:Kenneth Fink * 初回放映:2006-12-07 ---- ===== 事件概要 ===== ==== ポーラ・サリヴァン&アリョーナ・イワーノヴナ ==== 刺殺された女性の遺体が建築現場で発見され、グリッソム、キャサリン、ブラス警部が向かう。その傍には、女性を遺棄したと思われる男が腰までセメントに埋まり、そのまま固められていた。男はドリルで掘り出されて連行されるが、氏名も事情もいっさい供述しようとしない。 その頃、とあるアパートでアリョーナ・イワーノヴナという年配の女性がオーブンに頭を突っ込んで死亡しているところが発見され、ニック、ウォリック、ソフィアが捜査を開始。一見ガス自殺を図ったように見えたが、不自然な点があり他殺の疑いが生じる。被害者の耳には緑色のゼリーが付着しており、部屋の外にも同じゼリーが落ちていた。その跡をたどって行くと、向かいの部屋へたどり着く。その部屋のキッチンの床には何かを拭き取った跡があり、調べてみると血液反応が出る。 向かいの部屋の住人はポーラ・サリヴァンといい、スージーという少女の子守をしていた。スージーの話によると、前日に子守をしたのは夫のマックスの方で、台所の床にこぼれた「赤と緑」の何かを拭き取っていたという。聴取を終えたスージーは帰宅途中で、キャサリンの事件のセメント男とすれ違い「ハイ、マックス」と呼びかける。 セメント男ことマックス・サリヴァンは、台所でゼリーのボウルを落として割ってしまい、片付けようとしたら足を滑らせ、ボウルの破片で妻を刺して死なせてしまう。向かいの部屋に住むアリョーナに見られたことに気づき、説明しに行こうとするが、そこで彼女にぶつかり死なせてしまう。マックスは少年時代にも過って自分の祖母を死なせたことがあり、到底信じてもらえないだろうと思い、アリョーナを自殺に見せかけ、妻の遺体を車のトランクに入れる。スージーにTVを見せながら台所を掃除し、その後建設現場に遺棄しようとするが、そこで自分までセメントに埋まってしまったのだった。 ==== レイマンド・スアレス ==== グリッソム、サラ、グレッグ、ブラス警部担当。マンリー・チキンという鶏肉処理工場で、従業員のレイマンド・スアレスが鶏用の感電水槽の中で感電死する。その傍には、イジー・ディランシーとペニー・ガーデンの事件と同じように現場を詳細に模倣した模型があり、同じ人形の写真が隠されていた。 イジー・ディランシーは動物愛護運動家でもあり、マンリー・チキン工場での処理方法が残酷であると痛烈に非難したことがあった。また、レイマンドはオーナーであるマンリーの妻と浮気をしていたという事情も明らかになるが、マンリーの犯行を直接示す証拠は何も見つからない。 グリッソムは、ペニーの事件で模型を届けに来た男の映像を新しい機材で精査し、シャツの図案が「ロコモーティブ・ビル」という鉄道模型グループのシンボルマークであることに気づく。ロコモーティブ・ビルのメンバーの中には、マンリー・チキンに勤務するアーニー・デルの名前があった。アーニーは事件前夜の夜勤担当。アーニーの自宅には精巧な鉄道模型があり、地下室にはさまざまなパーツや鋳型が置かれていた。 届けられた殺人現場模型にはすべて、アーニーの鋳型で作られたパーツが使われていたが、アーニーはパーツは販売しているので買って利用することもできると主張。それ以外に直接的な証拠もなく、アーニーは釈放される。だが、その後イジーとペニーの両者と通話していた使い捨て携帯電話がアーニーのカードで支払われていたことがわかり、ブラス警部はアーニー逮捕に向かう。 一方、グリッソムはアーニーからのメールを受信する。開いてみると、アーニーからの告白動画が再生される。だが殺人事件についての詳細を語ることなくアーニーは拳銃で自殺してしまう。 ---- ===== 感想 ===== キャサリン姐さん、笑いすぎ……。でもマックス事件はもう、清々しいようなアホエピだった(←褒めてます)。スージーが可愛いわ~♪ オーブンの中で亡くなっていた女性の名前が、『罪と罰』に登場する金貸しと同じ「アリョーナ・イワーノヴナ」だったので何か意味があるのかと思ったのだけど、別に関係はなかったみたい。紛らわしいわね。 こちらの事件はデッドエンドだったのがスージーの活躍で一気に解決してしまったが、マックスを刑務所に収監して大丈夫なのか? 今度はムショ仲間や看守たちが巻き添えで次々不運な目に遭いそうな気がしてしょうがない。 その一方で、グリッソムの担当する模型殺人は相変わらず不気味……何というか、ひんやりと湿ったような、変な不気味さの漂う映像。マックス事件とのギャップが変な感じなのだけど、それが一風変わった魅力になっているようでもある、という不思議な雰囲気のエピソードに仕上がっていた。 今回、アーニー・デルが何だかよくわからない「告白動画」を残して自殺。でも、どう見てもこれで解決のはずはない(シーズン後半の邦題を見るまでもない)。これからどういう展開になっていくのだろう。 アーニーは模型殺人の共犯なのか、それとも犯人に利用されただけなのか。アーニー宅にあった鋳型は本当にアーニーが作った物か、それとも犯人がこっそり紛れ込ませたものなのか。電子メールを送ったのは本当にアーニーなのか。なぜグリッソム宛に送ったのか。アーニーが「告白」で言おうとしたことは具体的に何のことなのか。ペニーの家に模型を届けたのは本当にアーニーだったのか。人形の意味は。う~ん、シーズン後半の展開に期待、かな。 今回、人形の全身像が明らかになったけれど……今までの写真からするに、正しい人形の向きは左側の方だよね。右側(ピンセットでつまんで拡大した図)は裏から見たところ? {{http://hermitage.rdy.jp/csi/img/caps/csi_151.jpg}} 健康のため、あるいは環境負荷を考えての菜食主義はまだ理解できるけれど、「肉食は残酷だ」という主張に私がどうしても共感できないのは、動物と植物の間に明確な境界線を引けないから、なんだろうなぁ。「肉食は残酷だけど植物はOK」が成り立つなら、その境界線をもう少しずらして「人間を食べるのは残酷だけど他の動物はOK」も同様に成立するんじゃないかと思うんだな。もっとも、その境界線をもっとずらして「食人OK」にすることはさすがに無理なので(呪術的な意味でのカニバリズムは話が別だ)、理屈じゃないってことなんだろうけど。 --- //Yoko (yoko221b) 2008-09-29// [<>]