CSI: Miami - Season 4, Episode 15 ====== #87 Skeletons ====== * 邦題:「壊れた男」 * 脚本:Elizabeth Devine, John Haynes * 監督:Karen Gaviola * 初回放映:2006-02-06 ---- //I, am going to let you take your best shot at me. Okay?// ===== 事件概要 ===== ==== ウォルター・レズデンによる連続殺人事件(オスカー・ベガ、クリント&ビヴァリー・ホルツ他) ==== ビーチバレー大会の開催中、コートの砂の下から身元不明の男性の遺体が発見される。たまたま現場には非番だったデルコとAVラボのダン・クーパーがいた。被害者の首にはベルトで絞められたような跡があり、近くのゴミ箱には血痕とベルトのバックルがあった。被害者はどこか他の場所で殺害され、そのゴミ箱で遺体を運搬したと思われた。 ホレイショは10年前にニューヨークで発生したウィルソン事件を思い出す。その事件の容疑者はウォルター・レズデンで、レズデンの事件には、直接犯行に使用しなくてもそばにベルトを置いておくなど、かならずベルトが関わっていたのだ。 ホレイショはその事件以降、被害者の遺児ジェニファーをずっと保護してきたが、ここにきてそのジェニファーと連絡が取れなくなったという。ジェニファーも年頃になり、いつも近くに警官がいては自由にデートもできないからと、警備を断ったのだ。ジェニファーはインターネットを通じて知り合った「リー」という男性とデートしていた。 砂浜に遺体を遺棄したのは、その場所の管理人マルティネスで、ゴミ箱に入っていたバックルも彼の物だった。マルティネスは、知らない男から1000ドルで遺体を遺棄するよう頼まれたという。 被害者の身元は、特徴的な日焼けの跡から郵便局員のオスカー・ベガと判明。オスカーの口の中には、どこかの家の鍵が入っていた。オスカーの自宅へ向かい、その鍵を試してみるが合わない。だがオスカーの家に入ってみると、そこには男女2人の遺体があった。その位置は、ウィルソン事件の時とまったく同じだった。ホレイショは、レズデンの関与を確信する。 ジェニファーのPDAに残る記録から「リー」の正体を探ると、何とレズデン本人であった。「私は両親を殺した犯人の姿を見たのよ。彼じゃない」とジェニファーは反論し、彼女を迎えに来たウォルター・リー・レズデンと一緒に帰ってしまう。ウォルターを一連の殺人と関連付ける証拠もなく、ホレイショは去って行く2人を見送るしかなかった。 オスカーの自宅で発見された男女の遺体は、殺害してから冷凍した形跡があった。凍傷から判断して、死後3ヶ月。フロリダ州の失踪者には該当者がいなかったが、胃の内容物が「シンシナティ・チリ」であることを手がかりに、オハイオ州シンシナティで行方不明になったクリント&ビヴァリー・ホルツ夫妻を発見。 カリーとウルフは、レズデンによると思われる連続殺人事件のファイルを調べ直す。被害者はいずれもレズデンと同年代の夫婦で、遺体の配置状況がすべて同じ。つながりを探しながらさらにプロフィールを調べると、どの事件でも、被害者のどちらかが80年代の前半にNYのモリス&ヘレナ・イェイツ夫妻の里子になっていたことがわかる。そしてその時期の里子の中にウォルター・レズデンもいた。 元里子たちの中で唯一生存しているのは、マイアミ在住のジョン・マスリー。オスカーの口の中にあった鍵はマスリーの家の物だった。マスリーは、イェイツが里子たちをよく「ベルトで叩いた」とホレイショに語る。ウォルターは特にひどい虐待を受け、クローゼットに閉じ込められていたという。マスリーはウォルターをかばおうとしたことがあった。 ホルツ夫妻の遺体を運んだ冷凍トラックが発見される。トラックは清掃され証拠らしい証拠は残されていなかったが、運転席のシートの間に挟まっていたシートベルトから、かろうじて上皮細胞が発見され、DNAがレズデンと一致した。 モリス・イェイツは現在マイアミ在住。ホレイショがイェイツ家に急行すると、ウォルターがモリスに銃を向けていた。ホレイショは「そんな奴、撃つ価値はない」と説得する。ウォルターはホレイショに銃を向け、ホレイショはウォルターを撃つ。モリスは銃で牽制するホレイショを「お前もウォルターと同じ、銃がなければ何もできない」と嘲笑するが、ホレイショが銃を置いて「ならかかってこい」と凄むと大人しく降参。 ホレイショ自身、かつて父親に虐待を受けていたという過去があった。ウォルターは父親に立ち向かったホレイショを羨み、自分を見捨てた仲間たちを恨みながら犯行を重ねていたのだった。 ※「容疑者ホレイショ・ケイン」の字幕(Closed Caption)では、名前が Walter Dresden だったが、今回は Walter (Lee) Resden になっている。字幕が間違っていたのか、どこかで名前が変わってしまったのか、よくわからないが、とりあえず当サイトでは字幕に合わせて表記を混在させておく(だって今さら直すのも面倒だし)。 ---- ===== 感想 ===== ホレイショの「NYでの過去」の一端がまた明らかに……というか、かえって混迷が深まったような。 結局ジェニファーの両親を殺したのはウォルターではなかったということ? レズデンの犯行と目される一連の事件にウィルソン事件は含まれていなかった。年齢的にもウィルソン夫妻はウォルターよりかなり年上だと思う(ジェニファーは86年生まれで、被害者のひとりは74年生まれだった)。ということは、ウィルソン事件は模倣犯の仕業なのか、逆にウォルター自身がその事件を模倣して殺人を始めたのか。それとも、ウォルターがホレイショの注意を引くために、わざとパートナーの浮気相手(ジェニファーの母)を殺害したのか。ウィルソン事件の犯人がウォルターでないとしたら、ジェニファーの記憶は正しく事件はまだ未解決ということになるのだが……でもラストの「一件落着」な雰囲気からすると、やはりウォルターだったということなのかな。なんだかスッキリしないなぁ。 だが、それ以外の事件の犯人がウォルターなのは確実なはず。かつて自分とともに養われていた仲間たちを次々に殺害し、10年前にはNYでホレイショを刺して重傷を負わせて(血を保存して)、ホレイショをディナーに呼んだだけのレイチェルも殺害してその罪をホレイショに着せようとし、さらに無関係の郵便配達員を殺害して遺体をビーチに遺棄させたのである。「あなたが羨ましかった」とか唐突に言われてもな~。この前のリックもそうだったがレズデンも、ホレイショを称えるための装置と化しているような気がして、何だかなと思う。ホレイショも "You rot in hell" くらい言えばいいのに。 事件以外のところでは、事件ファイルがホログラムのように立体化して、関連を図示するようにひらひらと動くのが面白かった。こういう無駄に派手でカッコいいCGをよく使うよね。なんだか「マイノリティ・リポート」みたいだ。ランダムだと思われた被害者が、運転免許取得などの記録でつながっていき、その中心にレズデンがいて、そのレズデンの顔の位置にホレイショが登場する――というのは、レズデンとホレイショの共通性みたいなのを表しているのだろうか。でもホレイショが変な場所に無言で出現するのはいつものことなので、最初は「また変な登場の仕方してる~」程度にしか思わなかったけど。 それにしても、マスローさんは何であんなに大量のパインクリーナーを持っていたのだろう(専用のキャビネットまで置いて!)。個人で大量に使うのなら、業務用のもっと大きいのを買うだろうし、販売用の在庫にしてはディスプレイがきれいすぎ……自宅でデモ&即売でもやっていたのだろうか。 デルコとナタリアの間でちょっと何かあったみたいだけど、それはまぁどうでもいいや。 ---- ===== 単語帳 ===== * Ripley's Believe it or Not:TV番組「うそ?ホント?リプリーの大発見」 * Cincinnati Chili:シンシナティの郷土料理 --- //Yoko (yoko221b) 2007-03-23// [<>]