CSI: NY - Season 2, Episode 3 ====== #26 Zoo York ====== * 邦題:「ズーヨーク」 * 脚本:Peter M. Lenkov, Timothy J. Lea * 監督:Norberto Barba * 初回放映:2005-10-12 ---- //There's always something to find.// ===== 事件概要 ===== ==== ボビー・ヴィネッティ殺害事件 ==== マック、ダニー、フラック刑事担当。途中から新人のリンジー・モンローが参加する。セントラルパークの動物園で、トラが人を食べるという事件が発生。だが殺したのはトラではなく、被害者は死後にトラの檻に投げ込まれたのだ。トラの檻の上には、被害者の血痕と赤い車の塗料があった。 死因は失血死で、被害者の心臓には一度冷凍されて解凍された形跡があった。致命傷になった傷が食肉に使うフックによるものであること、靴に付着していた血液が牛の血であることなどから、殺害現場は食肉加工場と思われた。被害者ボビー・ヴィネッティは食肉加工業者。ヴィネッティの店に行くと、冷凍庫に人間の血液があった。従業員に話を聞くと、前日に解雇されたはずのライアン・ナイトと被害者の間にいさかいがあったという。マックは店の近くで、ボビーの伯父アンジェロの姿を見る。アンジェロはマフィアとつながりがあると言われていた。 ナイトは大金を所持していたが、ヴィネッティの殺害は否定する。仕事に戻してもらおうと交渉しに行ったらヴィネッティが死んでいたので、それに乗じて金庫の金を盗んで逃げようとしたのだ。ヴィネッティの手首に巻かれていたテープに残るDNAはナイトのものではなかった。 ヴィネッティの冷凍庫からは、園芸に使う肥料が検出されていた。また、リンジーはトラの糞からとげの刺さった指を発見。ボビーが発見された時、造園業者のフェリックス・パーカーがバラを配達していた。パーカーはボビーの店を買い取ろうとしていたが、交渉中にボビーの気が変わって売らないことにしたという。動物園にあった赤い塗料はパーカーのトラックのもので、そのトラックの中には血痕もあった。パーカーがボビーを殺害し、肉用の冷凍庫に入れ、遺体を遺棄する場所を決めてから手首をテープで縛り(ギャングの処刑のように見せかけるため)、トラの檻に投げ捨てたものと思われた。マックらはパーカーを逮捕しに向かうが、パーカーの姿はどこにもなかった。 パーカーを拉致し、おそらく殺害したのはボビーの伯父アンジェロと思われたが、それを証拠により立証することは(まだ)できなかった――。 ==== ブリアナ・フリーモント殺害事件 ==== ステラ、ホークス担当。白いドレスを着た10代の少女が回転木馬で死亡していた。そのドレスは「デビュッタント」が着るもので、被害者は社交界デビューを予定していたのだ。そばには洋服のボタンが落ちていたが、それはドレスの物ではなかった。 被害者は失踪届けが出されたブリアナ・フリーモントと判明。ブリアナは養女で、フリーモント夫人にはミッシーという実の娘もいた。ミッシーは美しく完璧なブリアナを妬んでいたが、前の夜はサム・ウィルソンという若者とホテルにおり、アリバイがあった。 ブリアナの死因は蜘蛛の毒と判明。また、唇から検出されたコラーゲンは、ターニャ・ダンヴィルという女性の美容サロンで使われているものだった。ターニャはかつてブリアナの養母ジェシカと同期のデビュッタントであり、ターニャの娘マディソンはブリアナの友人で同期デビューを控えていたという関係があった。ターニャは、自分のサロンでは蜘蛛の毒は使わないと否定。 回転木馬の制御盤から検出した指紋はサム・ウィルソンの物だった。サムはかつてブリアナと交際していたが別れ、やり直そうとしてブリアナを回転木馬に呼び出したが、やはり拒絶されてしまった。サムはペットとして蜘蛛を飼っていたが、毒の種類は違っていた。ブリアナに使われた毒は合成の物だったのだ。 現場で発見されたボタンからは、20年前のドライクリーニングで使用されていた化学物質が検出される。ターニャ・ダンヴィルは20年前にデビュッタントとして着たドレスを再び着用していた。クモの毒はやはりターニャのラボで合成されたものであった。 20年前、ターニャはサイモン・フリーモントを愛していたが、親友のジェシカにサイモンを取られ、ずっとそれを恨んできた。そして20年経ち、ターニャはジェシカの愛する娘を殺害することで復讐を遂げたのだった。 ---- ===== 感想 ===== ベガスの虫、マイアミのワニやサメに対抗して、というわけでもないだろうと思うがNYは動物(哺乳類)の登場するエピソードが多いな~。前シーズンでも馬や犬やネズミが登場した。今回は動物園が舞台なので、もう動物が出る出る。事件が事件なのでグロなのだが、NYのグロは「外からの物理的な力による破損」が多いような気がする。早い話が切断・押し潰し系。腐乱死体等とは違うし、加害者が直接「手を汚す」ことのない手口が多いせいか、ちょっと乾いた描写のように感じる。そのせいだろうか、あまりグログロしく感じない(単に慣れただけかも)。 エイデンの後任に採用されたリンジー、モンタナから来たばかりでいきなりコキ使われるわ、ダニーにからかわれるわ、トラの糞をかき回させられるわで前途多難そう。エイデンとは正反対な感じで少々垢抜けない印象があるが、緻密に粘り強く頑張るタイプかなという印象を持った。 この事件、犯人はわかったけれど今のところは被疑者(パーカー)が行方不明の状態で未解決――ということになるのだろうか。今シーズン内にマックがアンジェロの犯行を立証することはできるのだろうか。 ステラの事件は、ホークス先生との初組み合わせ。何だかおとぎ話というか現実離れしたストーリーだった。ドレスに舞踏会、社交界。美しく気立ての良い継娘に嫉妬する意地悪な実の娘って、シンデレラかよ! みたいな。凶器が毒蜘蛛というのもおとぎ話っぽい(ラボで合成だったけど)。 それにしても唐突な動機だなぁ。20年前に「テネシー・ワルツ」されたのをいまだに恨んでいて……なんて。でもジェシカさんは "ex-husband" と言っていたから離婚したのよね? だったらその時に奪い返せばいいじゃん。娘のマディソンは何事もなく社交界デビュー、本人も美容サロン経営で成功してるようだったし、「人生を破滅させられた」とまで恨むこともなさそうに見えたのだが。 事件の舞台になった動物園はセントラルパーク動物園のようだが(冒頭の空撮映像とエントランスから)、ここは小規模で動物の種類も少なく、どうやらトラはいないらしい。冒頭の方で映ったキリンやライオンもいないので、ブロンクス動物園(こちらの方が大きい)としているサイトもある。 ---- ===== 単語帳 ===== * chaperone:若い女性が社交界に出る時に付き添いを務める女性、行儀作法を教える人 * Miss Muffet:マザーグースに登場する、蜘蛛に驚く女の子 --- //Yoko (yoko221b) 2006-12-22// [<>]