CSI: NY - Season 2, Episode 11 ====== #34 Trapped ====== * 邦題:「悲しき罠」 * 脚本:Peter M. Lenkov * 監督:James Whitmore Jr. * 初回放映:2005-12-14 ---- //I've got enough problems for one day.// ===== 事件概要 ===== ==== キャンディことジョアナ・ケルトン殺害事件 ==== マック、リンジー、ホークス、スキャグネッティ刑事担当。ジェル状のプールで客とのレスリングショーを見せるストリッパーの「キャンディ」が、ステージの外のライトの上で水着姿のまま死亡していた。ライトの熱で身体は焼けただれていた。直前のステージでは、キャンディに絡んで叩き出された客がいた。また、キャンディは「浮気者」を晒すサイトに写真を載せられており、そのプリントアウトが更衣室に落ちていた。 プールに落ちていた指輪から、キャンディに絡んだ客の身元がわかるが、客は「指輪を取りに戻ったらキャンディはすでにライトの上で死んでいた」と主張する。キャンディの足にあった「A」の刺青から、そのイニシャルを持つ恋人の嫉妬による犯行という疑いも生じた。 キャンディを「裏切者」サイトに晒したのは、元恋人である写真家のアンジーだった。アンジーは、キャンディが自分を裏切ってクラブのマネージャ、アンディと寝たことを恨んで晒したのだった。現場には、アンジーが持っていた琥珀のペンダントの痕跡もあった。マックは、アンジーの新しい写真がピンボケであることに気づく。アンジーはキャンディに謝りに行ったがそこで争いになり、キャンディをライトの上に突き飛ばして死なせてしまった。アンジーの写真がピンボケだったのは、その時に強いライトで目を傷めたためだった。 ==== ハンター・ハドソン殺害事件 ==== ステラ、ダニー、フラック刑事担当。大富豪のハンター・ハドソンが自宅の寝室で喉を切られ殺害されていた。ハドソンは少年時代、弟(兄)のジョシュアが誘拐され、両親が身代金を払ったにもかかわらず殺害されたというトラウマがあり、その後遺症と強迫神経症のため精神科医の治療を受けており、めったに外出もしなかった。 ダニーは浴室で電気をつけようとしてボタンを押したが、その途端に扉が閉まり、ダニーはハドソンの遺体とともに部屋に閉じ込められてしまう。ハドソンの寝室は銀行の金庫室のような堅牢な「パニックルーム」になっており、扉のロックは夜の9時に閉まり朝の9時に解除されるようになっていた。だが、それ以外の場合に部屋をロックした場合はコードで解除しなければ扉を開けることはできない。パニックルームを設置したジェリー・ゴードンが現場に呼ばれるが、マスターコードがないため、扉をドリルで破るしかなかった。それに必要な時間は約13時間。ダニーはビュースクリーンや携帯電話で外部と連絡を取りながら、キットなしで現場検証をしなければならなくなった。 検死官はダニーから電話で遺体の様子と肝臓の温度を聞き、死亡推定時刻を朝8時頃と判断する。だが、パニックルームは朝9時にならないと開かないはず。ダニーはさらに、部屋にあった接着剤とコーヒーメーカーを使って、凶器の包丁の指紋を採取。ステラがそれを撮影してデータベースにかけると、ハドソンのボディガードと判明する。だが、それは事件以外の時に付着した指紋で、ボディガードにはアリバイもあった。 ハドソンのパジャマにはニコチンの染みがあった。周囲にいる人物では、精神科医のペンが喫煙者だが、彼にもアリバイがあった。残る喫煙者はメイドのリンダだけだった。ハドソンの家は禁煙だったので、リンダはペンから催眠療法を受けて喫煙を止めていた。洗濯機の中からは、血に染まったリンダの制服が洗いかけのまま発見される。 ハドソンは遺言でリンダに高額の遺産を残していたため、それを狙っての犯行が考えられた。だが現場には、ハドソンの他にもう1人の血液も残されていた。リンダは傷を負っていないので、共犯者がいたことになる。ステラがリンダを尋問している最中、リンダの携帯電話に着信がかかる。その着メロは、パニックルーム設置者のゴードンと同じメロディだった。ステラはゴードンから「彼女と同じ着メロにした」と聞いたことを思い出す。果たして、電話をかけてきたのはゴードンだった。 ステラに知られたとわかったゴードンはパニックルームの扉を開け(マスターコードがないというのは嘘だった)、ダニーを人質にとってリンダを釈放させようとするが、ステラとフラックが駆けつけ、ゴードンを逮捕。 ---- ===== 感想 ===== ステラ&ダニーの事件は、ベガスのシーズン4や小説版に続く「ご家庭でできる科学捜査シリーズ」といった感じで、その場にあったものを使って即席のラボを作ってしまうプロセス描写が面白かった。ただ、その割に事件自体の印象が薄かったというか、証拠がいくつかそのままになってしまっているのが残念。ニコチンの染みがいつどうやって付いたのかよくわからなかったし、リンダとゴードンが具体的にどのようにして犯行に及んだかも、いまいち具体的にイメージがわかないままだった。薬を取り替えたり催眠術を覚えたりしたのに、結局は実力行使?「被害者以外の血液」があるとダニーが気づいた理由もよくわからず。そのあたりのプロセスでもう少し「なるほど!」と思わせる場面が欲しかったかなと思う。 でも、それはそれとして久々に「主役を張るダニー」を堪能できたのは良かった。今シーズン初めて……だよね、ダニーメインのエピは。シーズン1「疑惑の任務」以降のマックとの関係は、タングルウッドの件はその後どうなっているのか、気になるところではあるのだが、おいおい描写されてくるのだろうか。どうやらダニーにはずっと疎遠だったルイという兄(か弟)がいる様子。ルイはどういう人物なのか、彼はタングルウッドと関係があるのか、いろいろ気になってしまう。 このエピソードでは一応マックの事件が「A」プロットということになるのだろうか(先に登場したから)。でも、こちらはあまり印象に残ってないな……3人の容疑者を一巡してこの人でした、というパターンね。 浮気者を晒すサイト、何だか本当にありそうで怖い。そんな所に晒して誰が見るの? という気もするけれど、情報提供よりむしろ、腹いせ・嫌がらせのためのサイトって感じで。もちろん、cheats-on-you.com なるドメインは存在していなかったけど(2007年2月末現在)。 --- //Yoko (yoko221b) 2007-02-27// [<>]