CSI: NY - Season 5, Episode 15 ====== #107 The Party's Over ====== * 邦題:「パーティーの裏側で」 * 脚本:Barbie Kligman * 監督:Oz Scott * 初回放映:2009-02-18 ---- ===== 事件概要 ===== ==== キャプラン副市長 ==== 副市長のキャプランが主催するチャリティパーティで、副市長本人が遺体で発見される。パーティの演出に使われた風船の中から落下してきた時にはすでに死亡しており、死因は首を絞められたことと思われた。 パーティにはウィットフォード警視も出席しており、彼女がその場で捜査を開始する。市の財政状況は悪く、警官の給料が一部未払いとなっていたため、警官たちは表向き「病欠」ということにして実質的なストライキに突入。マンパワーは通常の半分くらいまで減っていた。現場に現れたダニーも、組合から連絡を受けて病気を理由に帰宅してしまう。 キャプランの一人息子、ジェイクがその場にいるはずなのに居場所がわからないと聞き、アダムがサーモグラフィを手にジェイクを発見。ジェイクはアダムのiPodに興味を示し、2人は親しく言葉を交わす。 被害者の首には絞められた跡があり、そこからはコーティングに使用される物質が検出される。襟の部分からはバルサ材でできた丸いチップが見つかり、また風船にはジェイクの物と思しき睫毛が何本も付着していた。ジェイクは強迫神経症で睫毛を抜く癖があったようだ。親子なのでジェイクから父親に転移してもおかしくないが、状況から考えて付着したのは死亡する直前。アダムは、まだ13歳のジェイクに父親を殺す力などないと思うが、頸動脈を圧迫して死なせること自体は、それほど力がなくても可能。キャプランは妻を亡くしてからジェイクに対して怒りをぶつけることがよくあったという。 ウィットフォードのもとへは「金の流れを終え」というタレコミめいたメッセージが寄せられる。送ってきたのは、パーティにも顔を見せていた新聞王のダンブルックではないかと思われた。調べてみると、実際にキャプランは建設工事の発注や工程に関して不正を行っていたらしいとわかる。ダンブルック自身が事件に関わっている可能性もあるが、純粋な情報提供とも考えられた。ダンブルックが発行しているのはタブロイド紙なので、紙面に載せるよりも権威のある警察に委ねたという可能性だ。 チップを調べていたアダムは息抜きに音楽を聴こうとし、被害者の首にあったものと同じ物質が表面に付着していることに気づく。それはジェイクのネクタイのコーティング剤で、被害者の首の痣はネクタイのクリップの跡だった。 ステラとフラックはキャプランの自宅へ行くがジェイクの姿はない。部屋にあったボードゲームには、証拠品と同じ形のチップが使われていた。フラックはジェイクの写真を見て、警察署で「アダム」を待っていた少年がいたことを思い出す。 ジェイクはアダムに対し、父親の首を絞めたことを認める。ジェイクは母親の死後に強迫性障害を患い、家じゅうのコンセントを抜いたり自分の毛髪を抜いたりする行動を繰り返していた。父親はそれを見て怒り、ジェイクが持っていたチップを取り上げようとした。それは、ジェイクが母親と遊んでいた大切な物だったので、ジェイクは思わず父親を殺害してしまったのだった。 事件は解決し、ダンブルックによりNYPDには2000万ドルが寄付されたため、給与問題も解決し、警官らは職場に戻って来る。 ---- ===== 感想 ===== 前回アダムがお休みだったのは、今回の大活躍に備えてのことだったのか! アダムは今シーズンからシド先生とともにオープニングクレジット入り。ブルー・インフル(後述)で人手が足りないせいか現場にも登場。少年との心のふれあい、そしてラストの涙目にぐっときた。真相については、すとんと納得いかない部分もあったような気がするが、どうでもいいや。 今回はサブストーリーのような形で、警官の「ブルー・インフルエンザ」(原語はBlue Fluで語呂が良いのに)とメディア王ダンブルックの登場があった。 「ブルー・インフル」というのは警官のストライキ。給料の未払いに抗議してストに突入したようだが、警官のストは本来認められていないのか、「インフルエンザだ」という口実でいっせいに病欠。この「ストライキ」のやり方がよくわからないので想像だが、全員休むと大変なことになるので、組合の側で各部署や分署で人員を調整してスト決行を指示しているのではないかと思う。そしてCSIチームの中ではダニーが休むことになったらしく、現場に到着したところで連絡を受けてUターン。組合はなぜ、リンジーに「ちょっと早めの産休を取れ」と言わなかったのか? ダニーもなぜ「俺じゃなくリンジーにストさせろ」と言わなかったのか!?(リンジーだと中盤のステラとの会話が成立しないからか!) マックとステラはおそらく管理職だと思うので、組合員ではないのだろうか(あるいはスト破り?)。そしてラボの中でもストに対しては賛否が分かれている様子。検死局から異動してきたホークスは警官(sworn officer)ではないとここで明言。ホークスは何といっても医者なので、給料が出ないからといって患者を見殺しにはできないだろう。やはり職業倫理には厳しそうだ。アダムは組合員ではないのかな? そういえば解雇されそうになったときに組合を頼った様子はなかったように思う。 で、ストはまぁいいとして。問題はダニーの台詞だ。アパートまで怒りに来たステラに対して "I came from a family of cops" と言っている! ダニーは犯罪者に近い環境の出身で、家族は「当局の監視下にある」という設定だったはず。マックがダニーを採用する時も、それを理由に反対されたのだ。いつから警官一家の出身になったのだろう。 そういえば、本国のフォーラムで何かそういう話題があったような……と思い出し、検索して発見。 * [[http://talk.csifiles.com/showthread.php?t=58024|Grade 'The Party's Over']] - Talk CSI 読んでみると皆突っ込む突っ込む。そりゃシーズン1で「タングルウッド・ボーイ」があって翌年に「沈黙の過去」があって今回これだと驚くわ。 単純に脚本のミスだとは思うが、無理に解釈してみるとこんな感じだろうか。 * この場合の family は血縁家族ではなく職場の擬似的な家族のことである。 * ダニーの親は警官だったが不祥事を起こして辞め、それ以来監視対象になっていた。 * 両親や兄弟以外の親戚に警官がいる。 あるいは「大人の事情」を考えて、こんな可能性も。 * ストで病欠するのはフラックの予定だった。途中で脚本を変更したが台詞が一部残ってしまった。 * 設定変更。(マイアミかい) 脚本変更というのは、可能性としてありそうな気がする。今回はドンの出番がほとんどなかったので、役者さんのスケジュールの都合で変更とか。 あるいはそういう事情がなかったとしても、「ダニーは警官一家の出身」という記述は小説にもあったくらいなので(NYの2作目『焼けつく血』)、ありがちなミスかもしれない。ダニーを演じているカーマイン・ジョヴィナッツォ氏が警官一家の出身なので特に。だから、いちいち目くじら立てても仕方ないのかもしれない。 また、今後ストーリーアークに発展するのか? という所がちょっと気になるダンブルックの登場。タブロイド新聞を発行するメディア王のダンブルックがマックに急接近し、市に2000万ドルもの大金を寄付したことで財政は救われ、警官の給料も払われることになったが、彼の真意はどこにあるのか。副市長の汚職を告発したのも本当に彼だったのか? 今後もまた出演エピはあるのか? 何だかこのシーズン、こんなのばっかりだ。アン・スティールのフラッシュメモリとかギリシャコインの件とか、大掛かりなアークというほどでもないストーリーの切れ端がぷらんぷらんしてる感じ。 ---- ===== 使用楽曲 ===== * Mongoose (The Field's Disco Mix) by Sasha (ホークスとリンジーの証拠分析) --- //Yoko (yoko221b) 2011-02-21, 改訂 2015-01-05// [<>]