Dexter - Season 8, Episode 4 ====== #88 Scar Tissue ====== * 邦題:「傷を癒すもの」 * 脚本:Tim Schlattmann * 監督:Stefan Schwartz * 初回放映:2013-07-21 ---- ===== 概要 ===== デクスターは「脳外科医」の次なる容疑者として、ヴォーゲルの患者だったA・J・イェーツに注目し、後頭部の手術跡を見て驚く。イェーツは脳に病変があり、ヴォーゲルはそれが凶暴性の原因ではないかと考えて切除を提案していたのだった。 デボラはヴォーゲルの家に住み込んでカウンセリングを受ける。ヴォーゲルはデクスターのことを相談するハリーのビデオを見せ、「ハリーはデクスターを守ろうとした。あなたがあのコンテナでしたことも同じ」と言う。 ハウスキーパー、ノーマ・リベラが殺害され、メトロ署殺人課は捜査に着手。 デクスターはヴォーゲルから「あなたはこの先デボラの人生に関われないかもしれない」と言われて動揺する。「デボラが必要だ」と言うデクスターに対して、ヴォーゲルは「デボラはあなたの理想を映す鏡で、モンスターだと思う自分の暗い面とバランスを取っていた。今はその鏡に亀裂が入り、暗闇だけを映すようになってしまった」と言い、さらに「あなたは怪物ではなく、自然が生み出した意義のある存在」だと言う。 デクスターはイェーツの自宅に忍び込み、女性用の靴がいくつも隠されていることを知る。だがイェーツはその時宅内にいて、各部屋に取り付けたカメラでデクスターの様子を監視中。同じ部屋には若い女性が監禁されていた。イェーツは足音を忍ばせてデクスターに近づくが、彼がヴォーゲルに電話するのを聞いてその場から去る。 デボラは休暇を早めに切り上げてオフィスに戻り、エルウェイと食事をしながらお互いの父親のことを話し合う。 デクスターはイェーツの持っていた靴の指紋を調べ、行方不明の女性の物であることを知る。そして再び自宅へ忍び込むが、イェーツは証拠品を持って逃亡していた。デクスターは地下室を見つけ、イェーツに自分の姿を見られていたことを知る。そこには、切断用の器具や脳外科手術の手引書などがあった。物音に気付いて戸棚を開けると、そこには行方不明中のジャネット・ソートンが監禁されていた。デクスターは彼女を病院へ運び、ヴォーゲルをイェーツの家へ呼ぶ。 パソコンには、ヴォーゲルの書いたレポートが入っていた。デクスターは、自分について「本物の感情などないとは気づかず、妹への思いが本物だと思い込んでいる」と書かれた文章を読み、「自分は実験材料か」と怒り、イェーツが死んだらもう二度と会わないと言い渡す。 デボラは、ヴォーゲルのパソコンから、ハリーが死ぬ直前のビデオをこっそり見る。ハリーは犯行を繰り返すデクスターの姿に苦しみ、切り刻まれた遺体を目の当たりにして「もう耐えられない」と口にしていた。 デクスターは父親の介護施設を騙ってイェーツを呼び出すが、イェーツは父親の呼吸装置をはずして看護師を呼び寄せ、混乱に乗じて逃げてしまう。 デクスターは警察署でデボラに会い、一緒に車に乗る。デクスターは、デボラの傷が治り始めていることを知って喜ぶ。だがデボラはハリーのビデオのことを話し、ハリーが自殺したことをデクスターの口から聞くと、「やり残したことがある」と言ってハンドルを奪い、池に車ごと突っ込む。釣り人がデボラを助けて岸へ引き上げる。デボラはデクスターを乗せたまま車が沈んでいくのを見て行けに飛び込み、デクスターを救出する。 ---- ===== 感想 ===== デボラがちょっと元気になってきたと思ったらラストで衝撃の展開! でもやはりデボラはデクスターを助けた――最愛の兄が目の前で死ぬという事態にはどうしても耐えられない。だから何度でもデクスターを助けてしまう。あのコンテナの場面に時間を戻しても、やはりまたラグェルタを撃ってしまうのだろう。 ハリーが自殺したという設定、再変更して削除してほしいと思っていたけど、やはり消されていなかった模様。しかしデクスターという「怪物」を育ててしまった罪悪感に耐えられず自殺――というのは、ドラマとはいえ無責任極まりない行為であるし、ベテランの警官であり、また自分の愛人がバラバラにされた現場を見ているはずのハリーの行動としても納得しがたいと思っていたので、この設定はやはり再変更してほしかったな。ヴォーゲル博士が、その後さっさと英国に戻ってしまったというのも何だか変だ。 「脳外科医」事件では新たな容疑者イェーツが浮上。ヴォーゲル博士の患者の中で殺人衝動を克服できた人って、そもそもいるのだろうか。ていうか博士はこんな危ない人たちを何人も野放しにしていて平気なのか? デクスターには「掟」があったけど、イェーツもガルッツォもそんな掟は持ってなさそうだし。 やはりヴォーゲルが黒幕なのだろうか。実はヴォーゲル自身サイコパスで、患者を操って殺人行為を繰り返させていたが、だんだん収拾がつかなくなってきたのでデクスターを使ってひとりずつ始末させようとしているのではないか。そんな気がしてきた。 それ以外のところでは、クインが巡査部長に昇進するかどうか、またマスオカの「娘」の登場が気になる。マスオカが学生時代に提供した精子で生まれた女性が「生物学上の父」に会いに来るのだが、この話はどういう方向に発展していくのか。 --- //Yoko (yoko221b) 2015-05-03// [<>]