Law & Order: UK - Season 1, Episode 7 ====== #7 Alesha ====== * 邦題:「アリーシャ」 * 脚本:Catherine Tregenna * 原案:Michael S. Chernuchin, Christine Roum * 監督:Mark Everest * 初回放映:2009-04-06 ---- ===== 事件概要 ===== ==== Crown v. Alec Merrick ==== アリーシャ・フィリップスが婦人科でわいせつ行為を受け、ブルックスとデヴリンに相談する。相手のアレック・メリック医師は特に素行に問題もないらしく、捜査は難航。そこで「以前メリック医師にかかっており、その後受診を止めた患者」を支払記録から絞り込んで事情を聞く。 ダイアン・パーキンスは「治らないから」と受診を止め、その後に自殺未遂を起こしていた。ローラ・トッドは麻酔なしでレーザー手術を受け、苦情を申し立てたが門前払いされていた。ドナ・ミラーは愛人関係になったので支払いを止めたが、SMプレイがエスカレートしたため別れていた。メリックの妻は長年にわたる虐待に耐えかねて自殺したらしいが、精神疾患とみなされていた。メリックが悪質なサディストであるらしいとわかり、デヴリンは怒るが有効な手立ては見つからない。 業を煮やしたフィリップスはメリックのクリニックを再訪。メリックは看護師を同席させようかと言うが、フィリップスは断る。するとメリックはフィリップスに薬を飲ませ、抵抗を封じたうえでレイプしてしまう。その様子はこっそり隠して持ち込んだビデオカメラに撮られていた。 その後フィリップスは警察に訴え、ビデオを提出。しかし、これは彼女が「自分から進んで事を起こした」証拠にされる可能性もあった。スティールは悩むが、フィリップスの強い希望に応じて公判を担当する。 フィリップスは証言台に立ち、弁護側は彼女の方から誘って合意で性交渉が行われたと印象付ける。フィリップスには別の主治医がいることや、元患者のダイアン・パーキンスがフィリップスの学生時代の親友であったことを知らされ、スティールは驚く。 ダイアンは大学時代にレイプ被害を受け、そのショックで退学。妊娠できるかどうか悩み、フィリップス自身が受診を勧めたのだという。フィリップスは、ダイアンも同じようにレイプされたのだろうと確信していた。 メリックも証言を行い、フィリップスから誘われて薬を使い、ロールプレイのつもりで過激なことをしたと主張する。陪審は無罪の評決を下す。 フィリップスの事件はこれで終わったが、メリックにはまだ大勢の被害者がいるはず。彼女たちが名乗り出るように仕向けるには――と、スティールは一計を案じ、ダイアンへのレイプ容疑で、わざと目立つ場所でメリックを逮捕させる。メリックと弁護士の映像がニュースで流れ、それを見た過去の被害者たちが次々に名乗り出る。 スティールは14名の女性たちからの訴えを突きつけ、終身刑での取引を提示する。 ---- ===== 感想 ===== (今回は本家エピのネタバレが強めなので、未見の方はご注意ください。) 元エピはシーズン3の「屈せざる女」――ということで、見る前から気が重かったエピソード。やはり、キャストの一員が被害者、特に性犯罪の被害者になるという話は好きではない。しかもアリーシャはメインキャストで、本家の被害者だったオリベットよりも出番が多く視聴者が感情移入することも多い対象なので、特に気が重い。 なので最初にDVDで見た時は、脚本家と監督のクレジットを確認して、あとはチラチラととばしながら見て、一応結末だけ確認して終わりにした。今回(スパドラ放送)はせっかくなので全編見たわけだけど、やっぱり後味の悪いエピソードだった。アリーシャはオリベットより若くダイアンとも親密だったせいか無謀さが目立つ感じだし、犯行の証拠は音声テープからビデオに進化していて生々しい。 ストーリーはほぼ本家版を踏襲していたので、法廷でいきなりダイアンの話が出て来るのも同じ。でも、ダイアンの件を隠していた――被害者の方から加害者に接近する動機があった、ということをアリーシャがスティールに告げなかったのは、なぜなのか。オリベットとストーンの間ではあり得たかもしれないが、アリーシャとスティールの信頼関係を考えると、ちょっとあり得ない気がする。ここはやはり、「どうしても事情を言えなかった」という描写がもう少しほしかった。 英国での放映時は、13話のシーズン1を2つにわけてシリーズ1、2としたため、このエピソードがシリーズ1のフィナーレになってしまった。重苦しいフィナーレだなぁ。 本家には同じシーズンに、この話の後日談のようなエピがあって、そこでオリベットとストーンが対立して最後に和解する場面がある。それを見た当初は、「仲間同士の対立ってイヤだな」と思ったものだが、後からよく考えてみると、このエピがあってようやく話が完結するのではないかとも思えた。オリベットが精神的なトラウマのせいで判断力が鈍っていたことを自覚し、ストーン検事の立場を理解して和解する場面がとても良かった。検事の誠実な人柄が感じられる場面でもあったし、あの場面でオリベットは自らのトラウマを克服したのだろうと安心できた。 しかしUK版ではその後日談はリメイクされていないし、仮にリメイクされたとしても、アリーシャとスティール検事をそのまま当てはめることはできないだろう。結局このエピソードは、重苦しい終わり方しかできないということなのか。 文句ばかりでも何なので、良かったシーンなど。今回はブルックさんが歩きながらお箸を器用に使って食べていたお寿司! {{http://hermitage.rdy.jp/csi/img/caps/louk_07.jpg}} 奥の向かって右側にあるのは、中身が緑っぽく見えるので、かっぱ巻きであろう。手前にあるのは、玉子焼きと蒸しエビのように見える。うーむ、やはりロンドンで生の魚貝は無理か……。 --- //Yoko (yoko221b) 2015-09-14// [<>]