====== Chapter One ====== //It civilizes us to treat them that way.// * 脚本:Steven Bochco, Charles H. Eglee, Channing Gibson, David Milch * 原案:Steven Bochco, Charles H. Eglee, Channing Gibson * 監督:Charles Haid * 初回放映:1995-09-19 ----- ===== 概要 ===== LAの一流弁護士事務所を経営するテッド・ホフマンは、映画スター、ニール・アヴァドンの弁護をするため法廷に現れる。ニールはホテルで白鳥を殺したため、動物虐待の罪で起訴されていた。ニールは"no contest"(不抗争)答弁を行い、裁判は結審するが、テッドはニールの態度に腹を立て「これ以上君の弁護はしない」と言い渡していた。 事務所へ戻ったホフマンは、ハリウッドの実力者リチャード・クロスの訪問を受ける。その前夜、ハリウッドでは15歳の少女ジェシカ・コステロが殺害されるという事件が起きていた。クロスはジェシカの姉ジュリーの後見人を務めており、現場のマンションはクロスが所有していた。ジュリーはモデルでクロスの愛人でもあった。 クロスはホフマンを伴って警察署へ赴き、ポールソン刑事の事情聴取を受ける。クロスは、ジェシカとはあまり接触がなく現場のビルにもここ数日出入りしていないと答える。その場はそれで終わったが、その後ポールソンはクロスにもう一度話を聞きたいと連絡し、ホフマンの事務所を訪れる。犯行当日にクロスがそのビルに入っていく様子を映した監視カメラの映像が見つかったのだ。ホフマンはクロスに「何も言うな」と指示する。 刑事が帰った後、クロスはホフマンに「脅えた様子のジェシカから『来て欲しい』と連絡を受けたが、行ってみるとジェシカはすでに死んでいた。現場では何も触らずにそのまま帰った」と説明する。 姉のジュリーが帰国し、ジェシカの遺体を確認する。ホフマンは地方検事ガーフィールドのオフィスを訪れて根回し。クロスはガーフィールドの強力な支持者でもあった。 事務所に戻ったホフマンは、クロスから「ニール・アヴァドンが麻薬売買で逮捕された」と知らされる。その直後、ポールソンが事務所に現れ、殺人容疑でクロスを逮捕。逮捕を許可したのはミリアム・グラッソ検事で、ボスのガーフィールドは何も知らされていなかったという。クロスの逮捕には、ニールの供述内容が関係しているらしい。逮捕は金曜の夕方に行われたため、週明けまで罪状認否は行われない。ホフマンは事務所の弁護士たちを集めて保釈手続きの準備を進める。 ---- ===== 感想 ===== "Murder One" は、1シーズン全体を通して1つの殺人事件(ジェシカ・コステロ殺害事件)を描くという体裁を取っている。ただしその事件「だけ」に集中するわけではなく、並行していくつもの小さな事件も描かれる。そのほとんどはメインのジェシカ事件とは関係がないが、いくつかは今後のストーリーに関わってくる。 舞台はハリウッド、主人公のテッド・ホフマンは一流法律事務所を経営する弁護士。顧客はハリウッドの実力者やら映画スターやら。舞台設定はとにかく派手なのだが、全体に重厚なトーンで描写されているので、きらびやかな、あるいは浮ついたような調子ではなく、落ち着いた大人のドラマといった雰囲気である。主役を務めるダニエル・ベンザリの存在感が強いせいもあるだろう。 ホフマンの事務所は、「ホフマン&アソシエイツ」であって共同経営者というのがいない。ホフマン以外はみな若手のアソシエイトばかり――クリス、ジャスティーン、リサ、アーノルドの4人で、彼らの個性もこれからおいおい描かれていくことになる。今回はジャスティーンが野心的でアグレッシブなところを見せた以外は、そうでもなかったかな。 10年以上前に放映されたドラマだけあって、脇役に意外な人が顔を見せたりしている。Law & Order の初期シーズンもそうだが、昔のドラマはストーリー以外にもこういう所が楽しめて面白い。これも、IMDbなどの情報系サイトが充実していればこそ――すっかり印象が変わってしまって、見ただけでは気づかない人も多いんだ。 さっそく今回、「24」の大統領ことグレゴリー・イッツィンが地方検事の役で登場。この方はあまりお変わりない、かな。腹に一物というか、何かヒトクセありそうな権力者、という役どころのハマる人だ。 --- //Yoko (yoko221b) 2008-04-20// [<>]