Spiral (Engrenages) ====== Episode #1.3 ====== * 脚本:Laurent Burtin, Martin Garonne, Laurence Diaz, Guy-Patrick Sainderichin * 監督:Philippe Triboit * 初回放映:2005-12-20 ---- ===== 事件概要 ===== ==== エリナ・アンドレスク ==== オフィスに戻って来た判事は、クレマンの姿を見て驚くがすぐに矛を収め、エリナの手帳を自宅に持ち帰る。クレマンは仕方なくブノワの待つ店へ戻り「手帳は判事が自宅へ持ち帰ったので無理だ」と言う。彼らの様子はロールが監視していた。ブノワはその後、エリナの部屋に侵入した男(ミシェル)に接触し、手帳のことを話す。 ロールはミシェルを尾行しようとするが、途中で歩行者をはねてしまう。だが、その男はなぜか現場から逃げようとする。どうやら麻薬を持っているらしい。ロールとジルは男を取り押さえるが、その間にミシェルは判事の自宅へ忍び込み、まんまと手帳を盗み出す。 翌日、ロールはクレマンを見かけたことを話す。クレマンは「詮索するな」と不快感を示したものの、その後判事にブノワが友人であることを正直に話す。 ロールはブノワが会っていたルーマニア人ミシェルの身元を調べ、判事に報告。麻薬や売春などの前科があり、兄はルーマニアの売春組織のボスだという。ブノワはクレマンに「客のためにミシェルからドラッグを買っただけだ」と言う。 ジルは麻薬男がコカインを排泄するのを待つが、様子を見に来たロールと話している隙に男は便を飲み込んでしまう。ロールは、ジルがコカインを使っていることに気づく。 ジルは売春婦の家でミシェルに会う。ミシェルは、ジルの借金を帳消しにして無料でドラッグを提供する代わりに、警察の情報を知らせるよう言う。 ==== ジャン・ルサージュ ==== 有名なブランド食器「ルサージュ磁器」のオーナー、ジャン・ルサージュが自宅の暖炉に身体を突っ込んだ状態で発見される。頭部と右腕は黒こげになっていた。頭蓋に骨折跡があったため、殴られて死亡または意識不明の状態で焼かれたものと思われた。 検死によりルサージュが男色行為を行っていたことがわかる。夫人は彼の性癖を認め「オフィスの横に秘密の部屋がある」と言う。そこには性具や拘束具が置かれていた。ロールは室内のパソコンでチャット記録を発見。相手の「ケヴィン」ことフロリアン・デュプレを探して会いに行く。フロリアンは以前ルサージュの会社の従業員で愛人だったが、飽きたからとクビにされていた。フロリアンはそれでもなお偽名を使ってルサージュに近づこうとしたのだった。「愛していたのに、家に入れてもくれなかった」と犯行を否定する。 ルサージュ夫人は最初、犯行推定時刻にはすでにパリを離れていたとアリバイを主張するが、その後の調べで虚偽であることが判明。玄関先で若い男と痴話ゲンカをしていたことに腹を立てて殺害に及んだのだった。 ==== アンドルー事件 ==== 赤ん坊殺害事件で、父親の両親が判事のもとへ来る。精神鑑定の結果を聞いた彼らは「そんな女に預けた母親が悪い」と言い出す。 その後、判事は「赤ん坊が邪魔になって、わざと危険人物を雇ったのであれば、子どもを危険にさらした罪になる」と言い、法律違反がないか調べるよう言うが、クレマンは「それはできない」と断る。判事は「わかった」とその場では引き下がるが、その後祖父母に連絡し「あなた方から告訴してほしい」と持ちかける。 ジスレンヌは審理にかけられることになり、国選弁護人としてカールソンが弁護につく。カールソンは「国選はつまらない惨めな事件ばかり」と不満を漏らす。ルロワは「想像力を働かせてストーリーを作れ」とアドバイス。 ---- ===== 感想 ===== クレマンは結局日記を持ち出せなかったが、代わりにミシェルが日記が盗み出してしまい、クレマンの立場はますます危ないことに。判事が日記を自宅に持ち帰ったことにも驚いたが(証拠保管の手続きは……)、そのことはオフィスに居合わせたクレマンしか知らないはずだから、判事はクレマンの関与に気づいただろう。大丈夫かなぁ。 そして! 今回はブノワ監視中に偶然麻薬の運び人を見つけてしまい……途中からスカトロな展開に 8-O これは1話のグロより強烈。さすが、フランソワ・ラブレーを生んだ国だわ。 暖炉で社長さんが亡くなっていた事件では、思わぬスキャンダルが明るみに。いやSM趣味なのは別にいいんだけど、なぜ会社の中にあんな部屋が。さすが、マルキ・ド・サドを生んだ国だわ。人々がごく普通に日常業務をこなしている社屋に突如出現する、その唐突さゆえに余計にあやしく見えてしまった。しかも食器を製造している会社――家庭を象徴するような日常的な商品とのコントラストが際立っていた。 アンドルー事件は前回の続き。結局ベビーシッターは精神疾患のため責任能力がないという判断になったらしく、赤ん坊の祖父母はジスレンヌを非難し始める。父親(ジスレンヌの夫)は亡くなったのだっけ。うーん、ベビーシッターの斡旋業者が「危険人物を採用した」と言われるならまだわかるのだけど、母親がそこまで言われなきゃならないのは、ちょっとよくわからない。「誰かに責任を取らせなければ腹の虫がおさまらないので、どうせなら以前から嫌いだった彼女に」というのが本音なんじゃないの? と思ってしまった。また、こっそり祖父母をたきつけて「告訴してください」と言う判事の意図もよくわからず。判事からこう勧めるのも、本来やってはいけないことみたいだし。 --- //Yoko (yoko221b) 2009-08-16// [<>]