Without a Trace - Season 2, Episode 15 ====== #38 Wannabe ====== * 邦題:「少年エリック12歳」 * 監督:David Barrett * 脚本:Hank Steinberg * 初回放映:2004-02-12 ---- ===== 事件概要 ===== ==== 失踪者:エリック・ミラー(12歳) ==== 12歳の少年エリック・ミラーが、授業中にトイレに行くと言って教室を出た後に姿を消した。トイレには、割れた鏡の破片や血痕が飛び散り、激しく抵抗した後に誘拐されたことを思わせた。 両親の話では、エリックは最近ふさぎこむことが多く、失踪前日は遅くなってから汚れたシャツで帰って来たという。両親はエリックが頭が良いのに成績が伸び悩んでいることを気にし、カウンセラーに通わせたり薬物療法を考えたりしていた。 エリックと親しいダレンは「ビリーが何かした」と言う。ビリー・ホプキンズはエリックとダレンに酷い虐めをしたことがあった。また、エリックがゲームセンターで年上の少年から怒鳴りつけられている場面も監視ビデオに残っていた。エリックを怒鳴りつけたのは、同級生リサの兄のフランクだった。フランクは「エリックが妹を虐めたのでシメた」と言う。 ビリーのパソコンから、エリックが裸で縛られている写真が発見される。それはリサから送られたものだった。ビリーは数日前、エリックから「好きな女の子にどうやって近づけばいいんだろう」と聞かれ「クールにいけ」と答えていた。エリックはビリーに虐められる反面、彼に憧れる気持ちも持っており、それを聞いてわざとリサに悪口を言ったと思われた。 エリックが写真を撮られた場所は乗馬クラブの馬小屋。エリックの片思いの相手だったブランディが彼を誘い出し、アダルトビデオにあるような拘束プレイをしようと持ちかけてパイプに縛りつけた。そこでリサやエミリー(ダレンの双子の妹)が登場し、「負け犬!」と罵りながら馬糞をぶつけ、屈辱的な写真を撮ったのだった。 事実を知ったサマンサは「女の子たちはリサのことでエリックに仕返しをした。その計画はもう終わっているのだから、これ以上エリックに何かする必要はないはず」と不審に思い、エリックは連れ去られたのではなく自分で姿を消したのではないかと思い始める。エリックはひどい虐めを受け続け、それを両親にもカウンセラーにも言えず独りで苦しんできた。そこへ馬小屋の一件。トイレで鏡を見たエリックは、自分の顔を見ることに耐え切れず、鏡を割って出て行ったのではないか。 改めて問い質されたダレンは、事件当日の午後、エリックに会ったことを認めた。エリックは写真のことを知ってショックを受け「ぼくに会ったことは誰にも言うな」と口止めしてどこかへ行ってしまったという。自殺の危険が考えられた。 エリックを虐めた首謀者はエミリーだった。リサを虐めたからというのはただの口実。エミリーはエリックが好きなのに、エリックはブランディの方が好きだから――それが理由だった。 ミラー家に、エリック本人から電話がかかる。すぐに切れてしまったが、逆探知により公衆電話からかかったことがわかる。仮にエリックが自殺しようとするならどこを選ぶか――その電話のそばには、ブランディの自宅があった。マローンとダニーはそこへ急行し、ロープで首を吊ろうとしたエリックを間一髪で救い出す。 ---- ===== 感想 ===== 事件ものだからしょうがないとは思いつつも、学校の荒廃ぶりが……。 今シーズンは、1話の「消えたスクールバス」でも家が裕福でないと虐められる、みたいな話があったが、6話「迷える子どもたち」では乱交、そしてこのエピではもっとすごい虐めの実態が……。 エリックが自分から姿を消したというのは何となくわかった。犯行が可能な時間は10分あるかないかという程度だし、エリックが授業中にトイレに行くなんて最初からわかっているはずもない(鏡の割れる音とか誰も聞いてないのかな?)。なぜ誰もそれを言い出さないのだろうと、少々イラつかされた。 このエピも「迷える子どもたち」の回と同じで、生々しい虐めの実態を描いてエリックの行動を読み解いた時点で物語が終わってしまった感じ。エミリーの「動機」も何だかあまり響いてこなかった。でも今回は助けられたし、最後は(唐突な気もするが)良い場面で終わった。捜査官たちが真剣にエリックの気持ちに思いを馳せ、彼を探し、泣きながら助けた(ダニー!)ことがこの先エリックの力になれば良いと思った。 ---- ===== 使用楽曲 ===== * David Berkeleyの"Fire Sign" (アルバム "After the Wrecking Ships") --- //Yoko (yoko221b) 2008-06-03// [<>]