The Wire - Season 4, Episode 6 ====== #43 Margin of Error ====== * 邦題:「接戦」 * 監督:Dan Attias * 脚本:Eric Overmyer * 原案:Ed Burns, Eric Overmyer * 初回放映:2006-10-15 ---- //"Don't try this s**t at home." - Norman Wilson// ===== 概要 ===== カルケッティが弁護士時代に悪徳地主の弁護人を務めたという怪文書が流される。それはPhotoshopで合成したフェイク写真だった。カルケッティ陣営は、合成元の写真を新聞社のアーカイブから探し出して否定声明を出す。 デロンダ・ブライスは、息子ネイとともにブリアナ・バークスデールを訪ねる。ブリアナは、デロンダに対しては十分な補償をすでに支払っていると主張する。バークスデールの組織はすでに崩壊しているので、これ以上の資金援助はできないのだった。デロンダは「ブリアナの話はウソよ」と言い、ボディの下で売人として働くようネイに迫る。 商店を襲撃して女性店員を射殺したとして、オマー・リトルが指名手配される。オマーが一般市民を殺害したと聞いて、マクノルティは疑問を感じる。 プレッズはドゥーキーにジムのシャワーを使わせ、汚れた服は自分で洗ってやることにする。ドゥーキーには衣服が支給されているが、家に持って帰ると売り払われてしまうのだ。 ノリスは証人殺害について有力な情報を得る。だが令状を申請したところで横槍が入る――ブラドックが証人であるが故に殺害されたのであれば、現市長ロイスの恨みを買うことになる。それ以外の理由で殺害されたことがわかれば、逆にカルケッティに恨まれる。いずれにしても選挙の前日はタイミングが悪すぎるという政治的な理由で、ブラドック事件の捜査は延期され、ノリスとグレッグスには別の任務が言い渡される。 ティルマン中学では、パレンティ教授によるパイロットプログラムが本格的に始動し、10名の生徒が選ばれて特別教室に移動する。 クレイ・デイヴィス議員がカルケッティ陣営にアプローチし、間接的に協力しても良いともちかける。カルケッティはデイヴィスに金を渡すことを了承。だが翌日(投票日当日)、デイヴィスとロイスのツーショット映像が中継されることになる――。 ティファニーがポールとモネルにレイプされたと訴え、見張り役をしていたランディも共犯者として呼びつけられる。ランディは罪を逃れたい一心で校内の不祥事について情報提供をしようとする。教頭は関心を示さなかったが、最後に「殺人事件について知っている」と聞いたところで表情を変える。その話を聞いたプレッズはダニエルズに相談し、事件はカーヴァーに任せられることになる。 ハークは隠しマイクの映像から、マーロがコカインを引き取りに行くという情報をつかむ。駅で張り込み、大きなバッグを持った女性にマーロが接触したところを逮捕。だが2人から薬物は発見されない。マーロは監視されていることを知って仕組んだのだった。 選挙の日は学校も休みになる。ランディはカルケッティの選挙ビラ配布、ネイはデロンダのゴリ押しでボディの商売を下請け。マイケルはジムへ行く。 オマーは商店を出た所で逮捕される。最初に手錠をかけたウォーカー巡査は、オマーの指輪(マーロから奪ったもの?)を着服。マクノルティは釈然としない様子。 開票が進み、カルケッティの勝利が明らかになる。 ---- ===== 感想 ===== マクノルティが久しぶりに登場! 珍しく台詞も多めだった……えっと、一応この人は主役だったはずでは。いやもう今シーズンは違うと言ってもいいんだけど、それにしてもオープニングのクレジットに名前が出ているとは思えない存在感のNASA。 冒頭の教会の場面。3人の候補が教会へ行くのだが、ロイス市長は東ボルティモアのバプティスト教会へ、トニー・グレイはカトリック教会へ、そしてカルケッティは普段の教会ではなく、西ボルティモアの政治的な影響力を持つ牧師のもとへそれぞれ向かう。誰がどの教会へ行くかということにもストーリー上の意味があるような気がする。よくわかんないけど。 教会の場面が日曜の朝、その2日後の火曜日が投票日。というわけで、このエピソードは日・月・火の3日間の出来事ということになる。でもこの日の選挙って民主党の予備選挙なのね……そういえばprimaryと言われていた。一応この後に本選挙があって共和党の候補と戦うらしいが、ボルティモアは民主党が多数なので、民主党の候補に決まれば事実上はもう市長に決定、ということのようだ。党の選挙で首長が決まるわけ? と思ったが、[[https://amzn.to/3PiNawf|『現代アメリカの政治』]](放送大学教育振興会)によるとアメリカの各州には予備選挙法というのがあって、選挙の実施方式も投票資格もすべて州法に則って決められるとのこと。これは、たとえば自民党の総裁選挙などとは位置付けが全然違うわけだ。にゃるほど~。 勝利の報を聞いたときのカルケッティの、放心したような表情が妙にリアルだった。負ければ戦いは終わりだけど、勝った側にとっては、これから本当の戦いが始まるわけで。その瞬間、いったいどれだけの思いが去来しただろうか――と思わせた。 その後、カルケッティがテリーに迫られて拒絶する場面。そういえば前シーズンでは漁色家ぶりが描写されていたっけ……と思い出した。最近はキャラが変わっているのか、ハークがうっかり覗いちゃうことはなさそう。 --- //Yoko (yoko221b) 2008-08-12// [<>]