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BONES - Season 1

#12 The Superhero in the Alley


事件概要

ウォーレン・グレンジャー事件

路地で白骨化した少年の遺体が発見される。遺体はアメコミの主人公のような変わったコスチュームを身に着けており、カバンの中にはコミック雑誌が入っていた。歯型から、被害者は17歳のウォーレン・グレンジャーと判明。ホームスクールで高校の課程を終え、ボーリング場で働いていたが、社交性がなくコミックの世界に没頭する孤独な少年だったらしい。

骨折の様相から、被害者は何者かと格闘したすえに脊髄を切断されて殺害されたことがわかる。また、着ていたコスチュームはヒーローコミック「シチズン14」の主人公のものだとわかる。持っていたコミックは印刷物ではなく、手描きの原画だった。

ウォーレンはコミック・ショップの常連で、コスプレ仲間と集まってゲームをしていたが、しばらく前に仲間たちを「腰抜け」と呼びグループを抜けていたという。

グッドマン博士は、ウォーレンの作品から、彼が死の恐怖を感じていたこと、手の届かない愛の対象である女性がいたことを読み解いていく。実際、ウォーレンは白血病を患い余命は2ヶ月程度と思われた。また、ボーリング場にはウォーレンの愛の対象と思しきルーシー・マグルーダーがいた。経営者テッド・マグルーダーの妻である。

ウォーレンの体内から微小な骨の欠片が発見される。腕の骨とわかるが、ウォーレンの物ではなく30代の白人男性と判明。ウォーレンは、テッド・マグルーダーが妻に暴力を振るっていることを知り、自分が死ぬ前に悪を正そうとした。脅すだけのつもりでナイフを出したが、弾みで刺してしまい、その時にテッドの骨が混入。逆上したテッドにナイフを奪われ、殺害されてしまったのだ。凶器はボーリングの玉の指穴調節に使うベベリングナイフだった。

アンジェラはウォーレンの劇画を復元してルーシーに手渡し、ブースは自分の勲章をウォーレンの棺の上に置く。


感想

「骨」からその持ち主の人となりを探っていくのがこのドラマの特徴だが、今回は骨とともにその人の「作品」が残されていた。というわけで、こういう分野が得意なグッドマン所長が作品からウォーレンの人物像を描き出していく。ブレナンも作家としてそれに同意するかと思えば「お言葉ですが……」と反発してみたり。自らも作家であるブレナンにとっては、作品から作者像に迫るというアプローチは、自分にも跳ね返ってきてしまう手法なのだろう。

ならば当然アンジェラは絵描きとして「絵」から作者に迫っていくはず――と思ったら、ウォーレンは原作のストーリー作りの方で、絵を描いていたのは別の仲間だったようだ。

それにしてもブレナンの小説には「考古学者は退屈が好きだから管理者向きだ」とか、そんな露骨なことが書いてあるのか。もうちょっとこう、オブラートに包んだ書き方はできないのか……それがブレナンらしいってことなのかもしれないが。

スーパーヒーローのコスプレで悪に立ち向かう、というエピソードはCSI:NYにもあったけれど(奇しくもこのエピと同時期の放送だった)、ウォーレンの棺に勲章を置くブースの姿は、「全てを見ていた男」(CSI:Miami)のホレイショを思い出させた。ブースはスナイパーとして勲章を受けたようだが、本人はその時代の業績をあまり誇りに思っていないような印象があった。前回のエピソードでは、狙撃以外にもダーティな任務についていたことが示唆されていたし。罪滅ぼしのために捜査官になったというブースには、名もなき英雄であるウォーレンの方が自分よりも勲章に相応しいという思いがあったのだろうか。

ところで、ウォーレンのコスプレ仲間に「地獄のヤスタニ(Yasutani the Terrible)」というのがいて、ブースが彼に「地獄のヤキトリ君」と呼びかけていた。最初吹き替えで聞いて、うまいこと訳したなぁと思っていたら、原語でもヤキトリ(Mister, uh, “Yakitori the Horrible”)だった。


使用楽曲

Yoko (yoko221b) 2008-09-19