BONES - Season 2, Episode 13
フロリダでワニに食われた遺体が発見される。ブースは、音楽がうるさいことに腹を立ててアイスクリーム売りの自動車に発砲してスピーカーを破壊したため、セラピストのもとへ送られる。ブレナンは、代わりにティム・サリバン捜査官、通称サリーと組んで調査に向かう。
遺体は若い女性で、スプリング・ブレイク旅行のためフロリダを訪れていた女子大生のジュディ・ダウドと判明。ジュディはHSB(Hottie Student Body=ホットな女子大生)というパーティで羽目をはずしていたという。HSBとはモンテ・ゴールドという男が主宰するWebサイトで、女子大生たちの過激な画像を載せていることで有名だった。ジュディは死ぬ直前、大量に飲酒し、レイプされたうえに背中を何かで刺されて殺害され、死亡した後にワニに食われたのだった。
ジュディの胃にあった物と同種の酒がモンテのバンから発見される。また、アスファルトの痕跡から、ジュディが最後にいた場所が絞り込まれ、バンがその道を通っていたこともわかる。ジュディはモンテのバンで酒を飲み、レイプされ、その後車を降ろされた。運転していた従業員たちは、ジュディが自分から車を降りたのだと主張。彼女を降ろした後、いったんは探しに戻ったが姿はなく、ヒッチハイクして帰ったのだろうと思ってそのままにしていたという。
ブレナンとサリーはモンテに確認を取ろうとするが、モンテは何者かに射殺されていた。その後、撃ったのはジュディの父、ビル・ダウドとわかる。ビルはジュディがWebサイトに載っていることを同僚から聞かされ、研究所から出て来たアンジェラを尾行して「モンテの仕業なのか」と問い詰めた。アンジェラは「何も答えられない」と答えるが、ビルはモンテに会いに行き「あの娘が自分から望んだんだ」と言われて思わず殺してしまったのだった。
傷の形状から、凶器は先端にネジ状の溝がついた金属棒であるとわかる。その条件に合うものを列挙していると、サリーがギアシフトレバーに注目する。モンテのバンを追いかけては女性たちに「悔い改めよ」と呼びかけるアイザックという牧師がいたが、彼のトラックのギアシフトレバーはハンドル部分が取れて、代わりにテニスボールが取り付けられていたのだ。
アイザックのトラックのレバーを調べてみると、先端には血液反応があった。アイザックは元牧師だが、女性信者との間に問題を起して破門されていた。その後は若者を救うふりをしてモンテのバンを追いかけ、降りてくる女性たちに声をかけてトラックに乗せては餌食にしていた。だがジュディは抵抗し、レバーの上に倒れたため金属棒が刺さって死亡。アイザックは遺体を沼に投げ込んでワニに食わせて始末しようとしたのだった。
ブレナンの個人ドラマが続いた後、久しぶりにBONES本来のエピソードに復帰。……と思ったら、ブースがアイスクリーム売りの車に発砲! その時のブレナンの表情が下記のAAに見えてしょうがなかった(ごめん、ごめん!)。
http://riceballman.fc2web.com/AA-Illust/Data/Gokuri.html
というわけで、事件よりもブレナンの臨時パートナーとかブースのセラピーの方が印象に残り、事件の方はやはり何だか添え物っぽい印象だった。
エップスの転落死は、思いの他ブースの内面に暗い影を落としていたのだろうか。エップスが転落した瞬間のことを聞かれブースは「判らない」と答える。
助けようとして手が滑ったのか、それとも自分から手を離したのか。この2つは全然違うようでいて、案外難しいような気がした。「落とそう」と「何としてでも助けよう」は確かに全然違うのだけど、両者の間には「もしかしたら助けられないかもしれない」「助けられなくても仕方ない」「無理に助けなくていいんじゃないか?」と何段階ものグレーゾーンがあるように思う。フラッシュバックの映像も、どちらとも取れるような撮り方だった。
その瞬間どうだったのか。ブースの出した「判らない」という答えは、自分の内面を見つめる第一歩になったようだ。
一方、臨時パートナーのサリーちゃんとともにブレナンが向かった先はフロリダ。この間ベガスでカジノに砂漠に虫だと思ったら、今回はフロリダ、エバグレーズ、ワニに加えてスプリングブレイクとは! ホッジンスの台詞に「ポルノ爆弾(pornado)」も出て来たし、もしかして次はNYで変な日本ネタ?(それは勘弁)。
今回ブレナンが「誰それ?」と聞いていたのは映画「ショーシャンクの空に」。アイザックの言っていた “His judgement cometh, and that right soon.” が、聖書の文句ではなく映画からの引用だ、という指摘。一応「ヨハネの黙示録」が元ネタではないか、と言われてはいるものの、文言としては聖書じゃなく映画。破門されたとはいえ元牧師としては確かにオソマツかも。
うーん、やはり印象に残ったのはブースのセラピーとサリーちゃんの登場かなぁ。事件自体は何というか……可もなく不可もなく、みたいな。
シーズン2に入ってから、レギュラーキャストたちの描き方は確かに、総じて魅力的なものになったと思う。だが、ストーリーの方が――シーズン1で築いてきたキャラたちを「こうすれば人気が出る公式」に当てはめて話を作っている感が、なきにしもあらず。まだシーズンの折り返し点を越えたところなので、後半あと8話でどうなるか、まだわからないけど。
— Yoko (yoko221b) 2008-10-22