BONES - Season 2, Episode 15
港で男性の遺体が発見される。額を銃で撃ち、赤いテープでぐるぐる巻きにして錨につないで沈めるというその手法は、ブレナンの小説 “Red Tape, White Bones” で書かれた事件にそっくりだった。プロファイリングの経験があるサリーが協力を申し出る。ザックは、小説の事件が連続殺人で3人の被害者が出ていることから、あと2人被害者が出るのではないかと気にする。
被害者はアナポリス近郊に住むジム・ロパタ43歳と判明。ジムは妻のコニーに暴力を振るっており、コニーの兄グレッグはそのせいでジムを憎んでいた。動機は十分だが、ジムのアリバイは確認される。
ペットショップで女性の遺体が発見される。やはり赤いテープで巻かれ、大量のネズミにかじられるという、ブレナンの小説と同じ手法。ロパタ事件で使用された物と同じ銃で撃たれたこともわかる。だが、薬物で抵抗を封じたらしい形跡があり、手法が微妙に異なっていた。
被害者の氏名はセイディ・ケラー。裕福で恋愛にも自由奔放な妻を持つ夫のアシュトンが疑われるが、彼にもアリバイがあった。
ブレナンはブースを護衛にサイン会に出かけて行く。会場の近くでヒアリの大群を見つけた2人は、アリの行方をたどり3人目の遺体を発見。何と、ブレナンの編集者エレンだった。やはり同じ銃で撃たれ、同じ赤いテープで巻かれていたが、詳細な犯行の様態が異なっていることから、連続殺人ではなく3人の異なる犯人ではないかという疑いが生じる。
* * *
犯行は、インターネットのチャットルームで出会った3人の人物によるものだった。妹を虐待する夫を憎んでいたグレッグ、妻の財産を狙うアシュトン、そしてエレンにこき使われていた助手のハンクが、それぞれに交換殺人を行い、同一犯人に見せかけていたのだった。ジムの遺体から検出された砂はアシュトンが通っていたゴルフ場の砂、セイディの抵抗を封じた薬物は糖尿病であるハンクが使っていたインシュリン、そしてエレンの身体に残る痕はグレッグの合指症を示していた。
ブレナンを間にはさんでツノを突き合わせるオス2頭――恋人のサリーと相棒のブース。ブースとカミールがいささか強引な別れ方をしたのは、サリーとの微妙な三角関係に持ち込むため? 作品内にカップル3組はいくらなんでも定員オーバーだったか。私としては2組でもオーバーな感じだけど、ポルノ小説を読みながら独り寝のカミールが、(脚本家に)利用されて捨てられたようで何だか気の毒。
とはいえ、今回は久しぶりに事件ストーリーが面白かったエピソード。ブレナンが流行作家だという設定も、久しぶりに出て来たような気がする。久しぶりといえば、第1話「墓地の眠れぬ魂」に登場したオリヴァーが、相変わらずストーカー役で登場。でもあの時は血を見ても平気だったはずでは……。
ブレナンの小説の主人公はキャシー・ライクス。現実のキャシー・ライクスはこのシリーズの原案になった小説の著者で、その主人公がテンペランスだからその逆で、何だかややこしい。
交換殺人、どうせやるなら無理に連続殺人に偽装せず、全然無関係の殺人3件にした方がバレにくかったかもしれない。連続殺人を印象付けてしまうと、どうしても被害者とその関係者が関連付けられてしまうものね。それから、ブースが交換殺人を思いつくのがいささか唐突だったのと、3人の犯行を裏付ける証拠が弱いような気がしたが、そのへんは、まぁいいか。