BONES - Season 3, Episode 6
ジェファソニアン研究所内の焼却炉で、若い女性の焼け焦げた遺体が発見される。推定される犯行時刻に外部からの訪問者はなく、被害者も加害者も研究所内部の人物と思われた。頭蓋骨を見たアンジェラは、被害者が実習生のクリステン・リアドンであることに気づく。アンジェラはクリステンと親しく、彼女が研究所の誰か――しかも既婚者の男性と不倫をしていると聞いていた。
クリステンは学者よりもデザインをやりたがっていたが、父親のテッド・リアドン博士の意向で実習に来ていたという。研究所では、エヴァン・クリムキュー博士の下で、博物館や収集家の持っている遺物の鑑定を行っていた。死ぬ前日に鑑定していたのは、「父亡き息子」をめぐる連続殺人事件の証拠品。それらの遺物には、18世紀にフリーメイソンやイルミナティを壊滅させようとした「ゴルモゴン」という秘密結社の刻印があった。ブレナンは、ゴルモゴンの仲間がクリステンを殺害したのではないかと疑う。
クリステンは刺殺された後に焼かれたことがわかるが、再現実験の結果、遺体を投げたのは最上階に相当する高さからであることが判明。また、クリステンの携帯電話が発見され、彼女の不倫相手は中東部門のカイル・アルドリッジ博士と判明。アルドリッジの研究室は最上階にあった。そこでは、大量の血液反応が発見される。ただし、博士はヴェジタリアンであり、食人儀式を行うゴルモゴンとは考えにくい。
だが、アルドリッジ博士は弁護士と連邦検事との面談を希望した後、金庫室で首を吊って死亡。博士は死の直前、妻に宛てて罪を認める遺書をメールで送っていたが、カミールの検死の結果、死因は不明であるものの、首を吊ったことは他者による偽装と判明。
ブレナンは、骨格筋と骨が離れていることから、アルドリッジ博士のカリウム値に疑問を抱く。カリウム値は通常よりも高かったが、腎臓の疾患や薬物の影響は見られない。サクシニルコリンを摂取した影響であると思われた。サクシニルコリンには筋肉を弛緩させる作用があり、高濃度であれば死に至る可能性もある。しかも体内で生体物質に変わるため、毒性検査でも検出できない。これは古代から使用されている麻酔薬のひとつで、古代薬学はテッド・リアドンの専門であった。
その後、クリステンの遺体に残る物質と3Dシミュレーションにより、彼女は先端の尖った角度67°の棒状の部分を持つ青銅器に貫かれて死亡したことがわかる。それに該当する遺物を探した結果、クリステンが鑑定していたオリックス(アフリカ産の大羚羊)の置物が該当した。だが置物はすでに研究所内にはなく、すでにアーリントンの私書箱に送られてしまっていた。ブースとブレナンが私書箱を見張っていると、エヴァン・クリムキューが荷物を取りに現れる。
クリムキューは、ジェファソニアン研究所への荷物が税関でチェックされないことを利用して、イラクから美術品を密輸していた。彼は「自分は密輸をしただけ、アルドリッジがクリステンを殺し、自分に遺体の処理を手伝わせた」と主張するが、クリムキューの腕には、アルドリッジの身体をロープで吊り上げた時の痣が残っていた。
1話で登場した秘密結社が再び――と思ったら、今回の殺人はそれとは無関係。しかし、例の地下室の遺品は鑑定部門の実習生たちが鑑定しており、「ゴルモゴン」という名前も登場、少しずつではあるが話は進んでいるようだ。
今回はジェファソニアン研究所が犯罪現場となり、“supreme honcho” のバンクロフトが登場。「24」のジョージ・メイソン兼CSIのアトウォーター保安官だ~。この人はグッドマン所長の後の所長ということなのだろうか。ジェファソニアン全体のトップみたいだものね。honcho の語源は日本語の「班長」だけど、そのレベルで使われている場面に出会ったためしがない。「班」だと10人未満のグループを連想するが、honcho は大抵もっと上の、局長とか支社長とかなんだよね。何でだろ。
クリステンが死亡した時の具体的な状況とか、アルドリッジが検事に何を言おうとしたのか?(密輸のことか?)とか、疑問はのこるのだけど、ラストのブースとブレナンの場面が良かったので、それでいいことにする。ブレナンが紙コップをつぶそうとしてぽろっと落っことす場面、あれがすごく自然で良い感じだった。あの部分、アドリブ――というか素で落っことしてたのかな?
ブースの台詞に出てきた「キヴォーキアンも博士だろう」というのは、終末期患者が安楽死できるようにするための自殺マシンを開発したジャック・キヴォーキアン博士。ブースはカトリックなので、いかなる事情であれ自殺は認めないのだろうか。
— Yoko (yoko221b) 2009-03-23