BONES - Season 4, Episode 17
凍結防止用の塩の中で、十代の少女の遺体が発見される。身長180cmという特徴のため、高校でバレーボール選手のアシュリー・クラークであることがすぐにわかる。塩の作用で遺体はミイラ化していたが、腐敗はしていなかったため、カミールは炭酸ナトリウム、ホルマリン、エチルアルコールの溶液に遺体を浸し、元の姿を復元する。
アシュリーは妊娠12週だったが、調べてみるとアシュリーの親友はじめ女子バレー部員の実に半数が妊娠中か出産していることがわかる。しかも、アシュリーや部長のアリッサ・ハウランドを含め4人の子の父親が同じ男子生徒、クリントンであるという。クリントンがどう見てもモテないタイプであることから、ブースは疑いを抱くが、検査の結果、父親はやはりクリントン。バレー部の女子生徒たちはお互いに資金を出し合って一緒に暮らし、集団で子どもを育てようとしていたらしいとわかる。
部長のアリッサは、学校ではリーダー的存在であり大学の奨学金も受けられることになっていた。だが本人はそのプレッシャーを負担に感じており、たまたま慰めてくれたクリントンとなりゆきで関係を持ってしまった。クリントンは父親になろうなどとは言い出さない「理想の相手」だったため、他の部員たちもアリッサに影響されて次々に彼と寝て妊娠したのだった。
遺体を復元する間、軟組織を除去できないので「骨を調べられない」とブレナンは苛立つが、助手のアラストはデジタルX線を使用して骨格をバーチャルに再現し、中耳のあぶみ骨にヒビが入っていることに気づく。カミールは耳の部分にグリセリンを注入して傷を復元しようとする。傷口は見つからないが、UVライトで調べたところアザが発見される。そのアザの位置から、アシュリーは迷走神経に強い衝撃を受けて心停止で死亡したことがわかる。
アザの形状から凶器の形がわかり、付着していた繊維から、アシュリーの遺体を運んだ車の車種が判明。殺害方法から、解剖学の知識がある者――ということで、アシュリーの整体師フィッツが浮かぶ。スイーツがアンジェラとともに患者として「潜入」し、凶器を発見。アシュリーは共同子育てに必要な出資金5,000ドルをフィッツから脅し取ろうとして殺害されてしまったのだ。
ブースはクリントンを呼び出し、父親の自覚について教え諭す。
う~ん、何だか微妙なエピソード。まず事件と関係ないところでアンジェラの恋愛話が何だかウザい。事件の方も何をどう言えば良いのか。両親からのプレッシャーに耐えかねて、なりゆきで……という最初の子だけは想像できる範囲だけど、いくら彼女がリーダー格でロールモデルでも、何で他の子たちまで一斉に右へならえなのか。
ドラマは必ずしも現実的でなくてもかまわないし、特にBONESにはそれほどリアリティを求めてもいないが……しかし、物事には限度というものがあるのではないか。この路線が続くようなら、ちょっとついて行けないかもしれない。
唯一興味深かったのは、遺体をホルマリンとアルコールに浸して「もどす」場面かな。この部分をもうちょっと詳しく描写してほしかったのだが、ブレナンは関心を示さないし。
今回の助手は久しぶりの新顔、アラスト・バジリ君だった。ムスリムであることや、やたら擬声語が多いことなど、まだ外面的な「人物紹介」の域を出ていない印象はあるものの、クリエイティブな発想力があって、今後も何かやってくれそうな可能性を感じさせる。