マックス・アラン・コリンズによる小説版CSI第7弾。グリッソム、サラ、グレッグ、ソフィアはブラス警部とともに高級住宅地で年配の女性が殺害された事件を担当。捜査の過程でグリッソムは、意外な人物と再会する。キャサリン、ニック、ウォリックは若い女性の殺害事件を担当。DVの前科があり接近禁止令を出されていた夫が疑われるが、やがて意外な事実が判明し……。
時期的にはシーズン5の後半だろうと思う。グリッソムのグレイヴヤードシフトとキャサリンのスイングシフトにチームが分かれていて、グレッグはもう一人前の現場捜査官になっているので。
2つの別々に起きた殺人事件。一見何のつながりもないようだが、電話の通話記録から実は密接に関連していたことが判明する。最初のうちわからなかったのは、警備会社の小細工のせいなのだが……しかし被害者の遺言状を調べたら、そんなことはすぐわかってしまうのではないかと思う。テンプルトンも元刑事ならそれくらいわかるだろ。
まあ事件はともかく、今回もやはりキャラ描写が良いなと思った。グレッグが警備会社の記録を調べて、テンプルトンが生データを渡さなかった理由を思いついた時は「さすが!」と思ったし、アルコール依存を克服しようとする人物に対するウォリックの態度も好感が持てた。テンプルトンに関するグリッソムとブラス警部の会話も、2人の信頼関係を感じさせて良かったと思う。
逆にニック、サラ、ソフィアの出番が少ないのは残念なのだが、ベガスはそもそも人数多すぎなのだ。シーズン5でグレッグとソフィアが加わってCSIが総勢7名。他の2シリーズは増減があっても4人か5人だし、全員に見せ場を作るとかえって散漫な印象になるかもしれないなー……MACオリジナルのキャラクタも登場しているし。今回はキャサリンの事件の担当刑事と被害者のパソコン担当がオリキャラ。後者は「Body of Evidence」で登場したエンジニアのNuñezが再登場。
オリキャラを出す理由はあったのかなぁ……刑事さんの方はおそらく、終盤で犯人に襲われた時に「死んじゃった?」とドキっとさせるためだろう。これが例えばヴァルタン刑事とかだったら、死ぬわけないものね。それはまぁわかるのだけど、被害者のパソコンの中身を調べるのに、わざわざ専門家のNuñezを呼ぶ意味はあったんだろうか? 別にワークステーションの動作を片っ端からトラッキングするわけじゃなく、個人のパソコンの中身を調べるだけ。持ち主はエンジニアでも何でもない。TVならアーチーが担当するところだ。やはり自前キャラの方が動かしやすいのかな。NuñezはMACのお気に入りなのかもしれない。キャサリンと親しげにしているところなどは、なにやらGary Stu風味な印象が、なくもないのだが。
— Yoko (yoko221b) 2006-08-04