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CSI - Season 1

#21 Justice Is Served


- The last act is bloody, however fine the rest of the play.
- Every death is not to be feared by those who live wisely.

事件概要

テリー・マニング殺人事件

グリッソム、ウォリック、ニック担当。公園をジョギング中の青年が死体で発見された。その公園は山を切り開いて作った物なので、時折ピューマが出現することがある。だがその事件では、大型犬の歯形とメスで遺体を切り、内臓を摘出した跡があった。ウォリックは現場で氷のかけら(ドライアイス)を発見。

グリッソムは、歯形から犬種を特定。登録されている同種の犬の中に、人を咬んだ「前科」のあるシンバという犬がいた。飼い主は栄養学の博士号を持つドクター・ヒルリッジという女性。シンバの歯形は被害者の身体にあったものと一致した。グリッソムは臓器の密売を疑い、以前棺の使い回しをした葬儀社のオーナーに話を聞く。同業者の噂では、臓器が高値で売れることもあるらしい

ニックとウォリックは、ヒルリッジ宅を捜索して犬のフンを採取。そこから人間の細胞が発見され、DNAは被害者のものと一致した。押収したミキサーを調べると、そこには血の跡があった。ヒルリッジは被害者の臓器でプロテイン・シェイクを作って飲んでいた。彼女はポルフィリン症で、人間の血を大量に必要としていたのだ。

移動遊園地女児溺死事件

移動遊園地のトンネル内で、6歳の女の子が溺死。その遊園地の主催者は麻薬と淫行の前科があったが、尿検査ではサンプルをすり替えられてシロ。女児は浅い水の中で溺死し、腕が骨折していたことから、キャサリンは他殺を疑う。乗り物のシートベルトは緩く締めてあったが、人間で再現実験をしてみると、女の子を引きずり出すことはできなかった。殺したのは母親で、恋人との生活を邪魔されたくないということが動機だった。


感想

グリッソムがヒルリッジの包丁さばきに注目し、外科技術をどこで学んだかを聞くシーン。ヒルリッジは「CIAよ」と答え、すぐに「Culinary Institute of America(アメリカ調理学院)」と説明するのだが、最初の「CIA」に反応するグリッソムとのやりとりが面白い。吹き替えでCIA云々がカットされていたのは残念。包丁の使い方は、あまり巧いとは思えなかったが。

彼女の犯行を示す証拠はけっこう単純なもので、あまりひねりのある事件とは言えないが、グリッソムを翻弄するような台詞まわしや、ページ冒頭に記載した引用合戦(上のほうが、ヒルリッジによるパスカルの引用、下がグリッソムによるブッダ)など、マスター・クリミナルとまではいかないものの、大物犯罪者的な風格を感じさせる。

仕事を忘れて思わず感情移入してしまう捜査官。グリッソムは麻薬売人や赤ん坊殺しに激昂し、サラは虐げられる女性にいつも同情的だ。キャサリンの場合は、娘と同じ年頃の子どもだろうか。最後に男性と抱き合うシーンで「エディとよりを戻したのか?」と思ったが、スクリプトを見ると名前はPaulになっていた。新しい恋人?

ところで日本語の「悪魔に魅入られた女」は、どちらの事件の犯人だろうか(両方かな)。雰囲気的におどろおどろしいのはヒルリッジの方だが、彼女にはそれなりに切実な動機がある。利己的だが人間的だ。「悪魔に魅入られた」という表現は、邪魔だからというだけで娘を殺す母親の方にふさわしいかもしれない。

Yoko (yoko221b) 2004-03-24