CSI - Season 4, Episode 1
Let me not to the marriage of true minds &br; Admit impediments. Love is not love
ホテルの一室で、アリス・ドミンゲスという女性が喉を切られて死亡。その部屋は非常階段に近く音も聞こえにくい「マーダー・セントラル」と呼ばれる位置。アリスは椅子に座ったまま、抵抗もせず縛られもせず、正面から喉を切られていた。アルコールとともに「エクスタシー」を摂取しており、そのせいで抵抗できなかったものと思われた。その後、彼女の夫が駐車場の車の中で、やはり首を切られた遺体となって発見される。ドミンゲス夫妻は犯行のあった部屋とは別の部屋にチェックインしており、現場は盗まれたカードで他の人物が借りた所だった。凶器のナイフは車の中に落ちており、ドミンゲス氏の指紋と、夫妻二人分の血液が検出された。
アリスの足の指には、ストリップ劇場で使われるラメ入りの紙ふぶきが挟まっていた。ドミンゲス夫妻は、その劇場で別のカップルとともにVIPブースにいた所を目撃されている。一方、エレベーターの監視カメラの映像をチェックすると、ドミンゲス夫妻が別のカップルと一緒に4人で映っていた。映像をさらに遡ると、数時間前にそのカップルは、さらに別のカップルと一緒にいた。映像に映るカードキーから、リフキン夫妻の身元が判明。リフキン夫妻は、キャメロンとマンディと名乗るカップルに誘われてホテルの部屋へ行ったものの、途中で口論になり追い出された。キャメロンとマンディが、その後ストリップ劇場でドミンゲス夫妻を誘ったものと思われる。
ニックとウォリックはテレビのニュースキャスターが「マーダー・セントラル」について言及するのを聞く。ニックが友達のケニーに話し、ケニーがマスコミにしゃべったのだ。キャサリンは法廷へ行くが、そこでサム・ブローンが不起訴になったことを知る。
そこへ別の事件の報が入り、グリッソムとブラス警部はモーテルへ。その一室で、女性が首を切られて死んでいた。夫の遺体は、外のアイスボックスに入れられていた。犯人は明らかに、事件の報道を聞いて犯行の手順を変えたのだ。グリッソムはカチカチに凍った遺体の足を折って取り出し、CSIは「溶けていく犯罪現場」をバケツリレーで運び出す。氷の下から、凶器のナイフが発見された。部屋のベッドにはコインを入れると振動する装置があり、その中のコインを取り出して指紋を調べる。
アイスボックスにあった血液は二人のもので、一人は被害者、もう一人は未知の人物だった。グリッソムとキャサリンは犯行の様子を推測する。被害者の二人はセックスの誘惑で誘い込まれ、その後夫が銃を突きつけられ、むりやり妻の首を切らされる。あるいは、妻を殺さねばもっと酷いことをしてから殺してやると言って脅されたのか。ニックは指紋を照合し、データベースから「マンディ・クラインフェルド」を発見。夫の名はキャメロン。二人はとあるホテルのプールサイドで、別のカップルと談笑していた。キャメロンの靴には、ストリップ劇場の紙ふぶきの紙片がついていた。
グリッソムらはクラインフェルド家を捜索しようとするが、判事は根拠不十分として令状を出そうとしない。薄弱な根拠で令状を出した事件が、控訴審で逆転されているのだ。ニックとキャサリンは監視カメラのビデオでマンディがリフキンの耳に舌を入れているのを見て、同じことを他の男性にもしたかも、と思いつく。ドミンゲスの遺体はすでに洗浄されていたが、もう一人はまだ検死官のところにいた。タッチの差で洗浄を中止させ、耳の中の唾液を採取すると、そのDNAは、アイスボックスの中にあった身元不明の血液の主と一致した。その証拠により令状を得たグリッソムとブラスはクラインフェルド邸へ向かう。だが中へ入ってみると、クラインフェルド夫妻は殺害されていた。
(続く)
前シリーズの最終話を、手術室へ向かう裸エプロンの後姿で締めくくった主任。で、結局耳はどーなったのよ、と思ったらあっさり回復ですか。しかも、キャサリンに聞こえなかった携帯のバイブ音を遠くから聞き取ってしまう地獄耳。もともと聴覚がすごく良かったんだろうな……だから余計に「バランスを失って」しまったのだろうか。
新シリーズになって、メンバーに新しい制服が! おそろいの紺のベストかっこい~。
さて事件はというと、少しややこしかった。冒頭に二組のカップルが登場するが、発見された遺体はその人たちではない。監視カメラの映像や目撃者の話で、被害者が別のカップルと一緒にいたことがわかるのだが、その特定方法が少々複雑。
時系列順に整理してみると、
エレベーターの監視カメラで身元が割れるのは、リフキン夫妻。クラインフェルドはおそらく、カメラに映らない位置を選んで立っていたと思われる。リフキン夫妻の証言から「マンディとキャメロン」という名前がわかる。
その後、モーテルの振動ベッドに入っていた小銭の中から「マンディ」という名を持つ女性の指紋が発見され、そこからやっとクラインフェルド夫妻にたどり着く。で、その段階ではまだ「証拠不十分」ということで令状は出されなかった。
令状を出せるだけの「新たな証拠」はモーテルで氷漬けになっていた男性の耳の中から採取された唾液。でも一致したというのは、アイスボックスの血液のDNAと一致したってことだよね……。そこは殺害現場なのだから、そこにあった血液と、被害者の耳の中の唾液の主が同じなのは当たり前じゃん? と思うのだが。たぶん、マンディが男性の耳に舌を入れるクセがある、ということがビデオの映像として残っているから、マンディ=唾液の主=血液の主である可能性が高まった、ということなのだろう。
何か難しいぞ! しょっぱなから!
とか思いながら見ていたら、そういうややこしいことが最後の最後でどっかへ吹っ飛んでしまいましたよ。
その他の見どころ。今回のエピソードでは、ニックが少々カッコ悪い役回りだった。昔の友だちに会い、あの部屋は「マーダー・セントラル」と呼ばれているんだよと知識を披露したまでは良かったのだが、それがマスコミに漏れてしまう。ニュースを見る側からしたら「え、それっていけないこと?」という気もするのだが、それで犯人が犯行のやり方を変えて次の事件が起きてしまう。
そしてキャサリンも。どうやら、シーズン3最終話での証拠の採取方法が問題になったらしく、サム・ブローンは不起訴になったようだ。ブローン事件は、今後どうなっていくのだろう。シーズン3での主任の耳のように、話の合間合間に時折浮上するテーマとなるのだろうか?
ロビンス先生はストリップ劇場の常連? でも先生はそういう場にいても、楽しみながら解剖学講義か何かしてそう。連れて来られたデイヴィッドは、踊り子さんに気を取られて先生の話を上の空で聞いてたり……。
主任とキャメロンが引用合戦したのは、シェイクスピアのソネット116番。全文は次のとおりだが、キャメロンがどういう心境でこの詩を引用したのかは、結局よくわからないままなのだなぁ。
Let me not to the marriage of true minds
Admit impediments. Love is not love
Which alters when it alteration finds,
Or bends with the remover to remove:
Oh no, it is an ever-fixed mark
That looks upon tempests and is never shaken.
It is the star to every wandering bark,
Whose worth's unknown, though his height be taken.
Love's not Time's fool, though rosy lips and cheeks
Within his bending sickle's compass come:
Love alters not with his brief days and weeks
But bears it out even to the edge of doom.
If this be error, and upon me prov'd,
I never writ, nor no man ever loved.
— Yoko (yoko221b) 2006-01-19