CSI - Season 4, Episode 19
I hear it all the time. My grandma says it. My mom says it. And my sister says it. Well… she used to say it.
キャサリン、ウォリック、ニック、ジャック(火災専門の捜査官)担当。ジェシカ・アバナシーの家で火災が発生した。ジェシカとその母親マーサ、息子サムは無事に救出されたが、娘のサブリナは死亡。その夜は外泊しているはずだったが、いつの間にか家に戻っており、気づかれなかったのだ。最近、近隣で火災が起きたばかりなので、連続放火を疑った捜査員は野次馬に注目する。
ニックとウォリックは放火事件のビデオと写真をチェックし、両方に事件を実に来ていたヴィヴァ・チャールズを発見。放火未遂の前科があった。だが、ヴィヴァは自分は放火癖がある(pyromaniac)だけで放火犯(arsonist)とは違うと主張。ニックはヴィヴァの自宅から大量のマッチの山を押収し、以前の事件に使われたマッチとの照合をグレッグに依頼する。だがマッチを切り取った跡はどれも一致しない。また、ジェシカはクレジットカードの負債を抱えていたが、保険は最低限のもので返済は無理。
ガレージには焼け焦げた新聞の束があったが、火の経路から外れていることが不自然だった。それはマッキンリー高校の学校新聞で、一面の記事はサブリナが書いたものだった。スポーツ選手が売春婦を買っていることを告発するものだったが、その選手にも父親兼コーチにもアリバイがあった。
居間のソファが最も損傷が激しく、火元と思われたが、そこに燃焼促進剤が使用された形跡はなかった。ソファの素材はポリウレタンで、燃えやすいため1988年には使用が禁止された素材だった。つまり、ソファ自体が燃焼促進剤だったようなもの。マーサが喫煙者で、認知症の症状も見せていたことから、火の不始末が疑われたが、ジェシカは母親が眠った後、部屋に鍵をかけたので違うと言う。また、キッチンの磁石が磁性を失っていることから、その場所の温度が華氏932度以上だったことがわかるが、火元が居間であれば、どのようにシミュレーションをしてもキッチンはそこまで高温ににならない。
火元は居間ではなくキッチンと判断し、キッチンの床から灰や瓦礫を取り除くと、その下から “Bitch” という文字を書いた跡が出現する。固形燃料の痕跡もあった。再び家中を捜索すると、いちばん下の息子サムの部屋から燃料の痕跡とマッチが発見される。サムは帰宅した姉に起こされて眠れなくなり、台所で食べる物を探して「紫のジェリー」(燃料)を見つけた。昔それで遊んだことを思い出したサムは、床に文字を書いて火をつけ、そのままベッドに戻ったという。“Bitch” という単語を書いたのは、いつも聞かされているからだった。祖母も母も姉も、その言葉を使う(使った)からだと――。
グリッソム、サラ、ブラス警部担当。アダム・ブレナーという男がトイレの床に倒れて死亡していた。ポケットには暗号のようなメモ。頭部に傷があり、鏡が割れて血痕が付着していた。だが死因は窒息。気管の中に「S」と書かれた小さなメダルのようなものが入っていた。さらに、胃の中から同じようなメダルが見つかる。事故で6枚も飲み込むことは考えられない。また、トイレの床の血は被害者のものだったが、鏡の血は別人だった。
6枚のメダルの文字は、V、E、X、I、N、S だった。グリッソムは犯人からのメッセージかと考え、元の単語を復元しようと組み合わせを試みる。
被害者はオーランドの郵便局員。ベガスに来たのは、LOGOS というゲームのトーナメントに参加するためだった。LOGOS とは、文字の書かれた駒を配置して、クロスワードのように単語を作っていくゲーム。アダムはゲームの記録保持者だった。彼はベガスに到着してすぐホテルに直行し、LOGOS 大会の参加者以外とはほとんど接触がなかったはずだった。鏡についていた血痕は、ある参加者のものだったが、彼はゲームで失敗して鏡を殴りつけただけで、アダムはその場にいなかったと主張。
アダムは自分のゲームの経過を細かく記録していた。発見された V、E、X、I、N、S の文字をすべて使用する単語は使っていない。だが、クレイグという相手と対戦した時の記録を見ると、ノートに消した跡があった。それを復元すると “EXVIN” となった。
クレイグの荷物の中には、血の付いた銃のレプリカがあった。またゲームボックスにはその6文字がない。LOGOSのルールでは、存在しない単語を使って相手が「チャレンジ」した場合、使った側には罰則が加えられる。アダムは架空の言葉 “EXVIN” という単語を作り「飲酒をやめた元ワイン愛好家のことだ」と嘘を言った。クレイグはチャンピオンの言うことだからとそれを真に受け、“EXVINS” という単語を作った。するとアダムはすかさず「チャレンジ」。ひっかけだったのだ。クレイグはそれに怒りアダムに駒を飲み込ませたのだった。
火災の事件は、子どもの部屋からマッチが見つかった時に、いやな意味で「きた~」と思った。子どもが犯人、というエピが1シーズンにかならず1つはあるんだよね……。そのたびに親が偽装工作をしたり、子どもっぽく小賢しい言い逃れをしようとしたりするのだが、今回の子どもは今までにない不気味さ。認知症の祖母、ストレスを抱え込んだ母親、難しい年頃の姉に囲まれ、家族の病がいちばん弱い子をいちばん蝕んでいた――そんな後味の悪さが残った。
放火癖(pyromaniac)と放火犯(arsonist)ってどう違うんだよ! って感じだが、どうも pyromaniac の方はとにかく「火を燃やしたい」という抑えがたい衝動を持つ人のことで、精神医学に基づく概念のようだ。arsonist というのは、放火という罪を犯した人という刑法上の言葉で、動機は何でも良いのだろう。
主任の事件。LOGOSみたいなゲーム、主任は好きそうだな~。ゲームの参加者もやはり語彙が豊富な人が多いのか、abscond(逃げる)なんて聞きなれない単語をごく普通に会話に使ったりしていた。主任、どさくさにまぎれてLOGOS大会の参加申込書か何かもらって来てませんか。対してサラは計算の方が得意? でも要素が6つの順列だから、6×5×4×3×2×1=720、暗算してみると意外に簡単だったり。何にしても、2人の間に自然な雰囲気が戻っていることが感じられて良かった。
— Yoko (yoko221b) 2006-04-30