Table of Contents

CSI - Season 5, Episode 17

#109 Compulsion


I'm sorry … that you feel that way.

事件概要

マーサ・クレル殺害事件

グレイヴヤードシフト/ブラス警部担当。ホテルの一室で、フライトアテンダントのマーサ・クレルがレイプされたうえに刺殺された。犯人は犯行後に室内を清掃したらしく、室内とベッドは整然としており、指紋も発見されなかった。被害者の衣服と荷物は持ち去られていた。

エクリーは5年前に類似の事件を担当していた。被害者はFAで、同じような手口で殺害されていた。被害者の衣服と荷物が持ち去られていたこと、部屋が消毒されていたことも同じだった。ただ、5年前の現場は1階で、駐車場に面した扉に鍵がかかっていなかったが、今回の現場は2階である点が異なっていた。精液のDNAは同一。精子の特徴から、いったん精管を切除し、後で修復したことがわかる。

5年前にベッドカバーで発見された指紋は、当時の技術では読み取れなかったが、最新技術で分離してみると、前歴のあるジェシ・エイチソンと判明。ジェシは自宅にはいなかったが、電話の通話記録から位置を割り出すことに成功。判事は、コンピュータで操作した指紋では根拠が薄弱であるとして、令状を出すことを拒否した。仕方なくグレッグはジェシを見張り、彼が捨てて行ったコーヒーの紙コップを回収。DNAを検査するが、加害者の精液とは不一致だった。5年前、ジェシはスーにコカインを売りに行って彼女の遺体を発見し、保護観察中だったのでそのまま逃げただけだという。

ホッジスは、排水溝で検出された毛髪に杉の香りが添加されていることに気づく。そのホテルでは、清掃後に漂白剤の匂いに関する苦情が時々あるので、数年前から杉のチップを入れているという。その漂白剤を使用できるのはメイドだけで、全員女性。盗難も考えにくかった。マネージャのマイケルズは数年前に再婚し、精管切除を修復していた。

マイケルズはあくまで殺害を否定しDNA提供も拒否するが、そこへサラがスーツケースを持って現れる。マイケルズは「私の車を勝手に捜索したな!」と叫ぶが、それは被害者が持っていたものと同型の別のスーツケースで、中にはテープレコーダーが仕込まれていた。

タイ・ホーキンス殺害事件

スイングシフト/キャバリエ刑事担当。12歳の少年タイ・ホーキンスが自室で撲殺された。部屋の外には足跡、窓には “BRAT”(小僧、ガキ)という落書きがあった。家の裏には、パイプが何本も積んであり、つなぎ目のねじ部分が被害者の傷跡に一致した。

キャバリエ刑事は子どもが被害者となった事件を何度も担当した経験から、両親は無実とにらみ、14歳の兄マットを厳しく取り調べ、まだ証拠が十分でないと主張するニックと対立する。窓の外の足跡はマットのもの、タイのシャツに付着していた毛髪もマットのものだが、それが殺人と直結するとは言い切れなかった。

キャバリエ刑事はマットの供述をコンピュータの音声ストレスアナライザで分析し、嘘をついていることを指摘し、マットの自白を得た。だがそのアナライザは、ネバダ州では使用が認められていない。また、未成年者なのに両親も同席していなかった。ニックは、付近でホームレスの男が徘徊し不法侵入を繰り返していることを知る。

そのホームレスの男ウォルターを取り押さえてみると、彼は血の付いた青いセーターを着ていた。そのセーターはベンチで見つけたという。血液はタイのもの、そしてドライクリーニング店のしるしから、持ち主は父親のマーティンと判明。

マーティン、ウォルター、マットとそれぞれ同じくらいの身長のウォリック、ニック、ジュディが再現実験を行う。セーターの血の跡は、ベッドの縁で途切れていたため、上の方にしか血痕がない。実験の結果、青いセーターと同じ位置に血痕が飛んだのは、マットと同じ身長のジュディだった。マットは最後まで動機を明らかにしなかったがマーティンは理由を知っていた。それは、タイがマットのおねしょを皆に言いふらしたことだった――。


感想

あぁ、今シーズンも恒例の「子どもが犯人」エピがあったのね……。orz

キャバリエ刑事、初登場のシーズン4「向こうの世界を見た女」では現場で記念写真を撮ったりして、お茶目な人なのかと思っていたら、意外と強硬な。えーこんな人だったっけ? といささか驚く。兄が怪しい、両親の嘆きは演技じゃない――このへんの「刑事のカン」は当たっていたというわけだ。でも父親も血の付いたセーターを見せられた時の反応が “Do I need a lawyer?” だったりして、ちょっと怪しいと思わせるところはあったけれど。

この対立は尾を引くのだろうか、というところがちょっと気になるかな。今回のキャバリエ刑事は、捜査を指揮しているのはあくまで殺人課の刑事で、CSIは「使える証拠」を持って来ればいいんだ、みたいな感じだった。しかし「未成年者を両親や弁護士の同席なしで尋問した」というのは後々問題にならないのだろうか。その時はやはり証拠が必要だから、CSIに頼らざるを得ないと思うんだけどな。

実の兄弟で殺人――キャサリンは何か思うところはあっただろうか。あまりそう見えなかったけど。

もうひとつの事件。こういう引っ掛け戦術はミステリとしては常套手段だけど、CSIでは珍しい。「犯罪者はかならずどこかでミスを犯す」というセオリーに基づいたものではあるけれど、結局のところ、こうして犯人を陥れるしかないというのは、結局それ以外の物的証拠があげられなかったということなので、ある意味でCSIの負けなのかもしれない――とも思った。科学捜査はかならずしも万能ではない、という現実がややネガティブに描写された感じかな。

でも、グレッグが Forensic Journal をちゃんと読んで研究していることがわかったり、ラボ技術者さんたちのそれぞれに優秀なところが見えたり、主任とホッジスが「デイヴィッド」「ギル」と呼び合ったりと、チームワークが冴えているのは良かったわ。スイングシフトがちょっとギスギスしていただけ、余計に。


単語帳

Yoko (yoko221b) 2006-08-28