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CSI - Season 5, Episode 20

#112 Hollywood Brass


When you're ready, I'll make it happen. Love, Dad.

事件概要

ダコタことサーシャ・レイノルズ殺害事件

ハリウッド――。路上で客を引いていた売春婦ダコタが、男の車に乗ったきり姿を消した。ダコタの友人「ジャージー」は警察へ届け出るが、数時間連絡がない程度では取り合ってもらえない。ジャージーは父親に電話をかける。ジャージーの本名はエリー・ブラス、ジム・ブラスの娘だった。ブラスは保安官に休暇を願い出て、ハリウッドへ向かう。LAPDのアニー・クレーマー警部はブラスの古くからの友人だった。ブラスはアニーからエリーの住所を聞いて出かけて行く。

エリーは警察に電話を入れてほしいと頼んだものの、父親が実際にやって来るとは思わず、自分はビーチで優雅に暮らしており、ダコタはパーティで行方不明になったと嘘をついていた。ブラスはボロ家のようなアパートの窓辺にたたずむエリーの姿を物陰から見る。

エリーが目撃した車は、その後コリアタウンでボロボロにされて発見される。後部窓には「BHGC」と書かれた紙片が挟まっていた。CSI:LAのマット・グレイザーが、ちょうど会議でLAに来ていたウォリックとともに車を調べる。トランクには血痕と、弾痕のような穴があったが、ただ撃っただけではなく周囲に工具痕が残っていた。ブラスはダコタのDNAを得るためエリーと接触。エリーは病院で「血液検査」を受けたことを話し、ブラスはその意味を知ってため息をつく。

車の持ち主は、検事補のトッド・ピコーンだった。トッドは街で売春婦を拾った後でカージャックに遭ったが、体面を考えて届け出なかったと言う。アニーは判事にかけあうが令状は取れなかった。

湖に沈められていたダコタの遺体が発見される。車のトランクの穴はやはり銃弾による物で、血痕はダコタのものだったが、彼女に銃創はなかった。弾はトランクを撃ち抜き、ガソリンタンクに入っていた。穴を開けたのは中に溜まった血を抜くためだったのだ。ブラスは検死報告書をFAXでロビンス医師に送り所見を聞く。ダコタは何箇所も殴られて失血死しており、体表には凶器の型が残っていた。爪の中には緑色のワックス、腰にはコンクリートの重りがつけられていた。

ピコーンの自宅の庭にはコンクリートブロックが使われていた。令状を取って捜索すると、居間のカーペットの下には巨大な血痕。清掃に使用した溶剤のせいでDNAの検出は期待できなかったが、さらに調べると、テレビの画面のひび割れ部分に血液が付着していた。また、ゴミ箱に捨てられていたアブサンのビンは緑色のワックスが塗布されており、そこに爪を立てたような跡があった。

ピコーンはダコタを買ったことは認めたが、自宅へ連れて行って「友人」に紹介し、その後のことは知らないという。アニーは「友人」の名を聞いたが、ピコーンはオフレコで答えたため、ブラスには知らされなかった。その頃ウォリックはアブサンのビンから検出された指紋の結果を得たが、その直後にラボから追い出されてしまっていた。背後に何かがあると悟ったブラスは、唯一の目撃者エリーに電話をかけ、今夜は出かけないようにと警告する。

ウォリックはラボを追い出される前に指紋の照合結果から6名の名前を見ていた。ピコーン以外は判事や議員などの大物ぞろい。市長選挙に立候補している人気俳優のヴィック・パターソンもいた。ニックに協力を頼んでデータベースで照合すると、そのリストの中で武器を隠して携帯する許可を得ているのは、パターソンだけだった。しかも車で発見したものと同じ45口径で、銃を購入したのは Beverly Hills Gun Club(BHGC)だった。ブラスとウォリックはBHGCへ向かい、パターソンの撃った銃弾を手に入れる。

ブラスからニックへ送られた銃弾は、ダコタの事件で車から回収された銃弾と一致した。それだけでは殺人の証拠にはならないが、銃の握りの部分にあるワシの刻印が、ダコタの身体にあった痣の形と一致した。パターソンは銃でダコタを殴って殺害したのだ。


感想

ブラス警部ロサンゼルスへ行くの巻。でも撮影所はもともとLAにあるのだと思うと、何だか変な感じ。

今回はブラス警部が中心になり、他のメンバーはウォリック、ロビンス先生、ニックぐらい? 主任がまったく出て来ないという回は珍しい。あれ、今までにあったっけ、こういうの? エリー初登場の回(シーズン2「いとしきエリー 我が娘 」)でも主任はほとんどいなかったけど、始めと終わりにはちゃんと登場していた。最後の方でアニーがマイクを切った時は「主任がいれば唇を読めるのに~」と思ってしまった。

エリー・ブラスさん、前回とは役者が代わり、何だかもっと荒んだ印象に。前に出て来た時は、悪い仲間とつるんではいたけど、まだ犯罪には手を染めておらず(少なくともその確証はなく)、ギリギリの所で踏みとどまっている感じだった。ラストでは母親の所へ帰るようだったし、警部とも和解できそうな期待も持てたのだが……まさかハリウッドで春をひさいでいたとは。驚くとともに、暗澹とした気持ちになった。

ブラス警部が主人公であるせいか、あまり科学捜査の出番はなかったし、犯人も最初に登場した時の映し方で何となくわかってしまったけれど、CSI:LA とウォリックがプチ合同捜査する場面は良かった。たまには普段と違う面子で捜査というのも、新鮮でいいね。ブラス警部もダコタの彼氏のアパートでは、令状も持たずに踏み込んでから「廊下で異臭がしたことにしよう」なんて言って、普段とは一味違う感じだった。自分の管轄で捜査する時はそんな無茶しないでしょ、警部? それと、ニックが調べていた銃弾はガンクラブからガメてきた物なんだろうか……「証拠の半分は法廷で通用しない」と言っていたし。そんなん渡されても、アニーも困るだろうな。

あの後アニーはどうしただろう。職を捨てる覚悟で捜査に踏み切ったか……アニー役ドナ・マーフィーの出演エピソードはこれだけなので、パターソンや判事に睨まれたアニーがLAPDにいられなくなってベガス市警に転属……とかそういう展開はなさそうだ。

しかし警部! エリーにはプロムにパトカーを出動させるより、検死官が何と言おうとモルグを見学させておくべきでしたよ!


単語帳

Yoko (yoko221b) 2006-09-14