CSI - Season 5, Episode 23
I love it when you wear your gloves.
グレイヴヤードシフト/ブラス警部担当。大学の学生寮で、トリップ・ウェルモントとポーラ・レヴィンが死亡。床に敷いたマットレスの上で寄り添って眠るように死んでおり、皮膚の色がピンクに変色していた。
皮膚の色がピンク色になるのは、一酸化炭素かシアン化物の中毒した場合。だが、一酸化炭素の発生源は見つからず、胃の中身にもシアン化物は入っていなかった。
サラとグレッグが現場を調べている最中、寮のシャワールームで爆発音がした。行ってみると、トイレの便器が粉々になっていた。しかし爆発物や火薬の痕跡はなく、寮で他のトイレが爆発したという事件も起きていなかった。
トリップの吐瀉物を調べた結果、死因は二酸化炭素の中毒と思われた。一酸化炭素は調べたが、二酸化炭素は死因として一般的でないため、調べていなかったのだ。だが二酸化炭素は肌をピンク色にすることはない。
トリップの部屋をもう一度調べると、隣のザックの部屋からドリルを使って穴を開けた形跡があった。ザックはトリップに対して部屋の騒音などで何度か苦情を申し立てていたが、2人が死亡した当時はロサンゼルスに行ったことが確認される。ザックの指にできた火傷のような跡から、部屋の中にドライアイスの欠片があったことがわかる。
致死量の二酸化炭素を放出するには、30ポンド(約13.6kg)のドライアイスが必要だった。二酸化炭素は空気より重いので下に溜まる。トリップとポーラが床ではなくベッドに寝ていれば、死ぬことはなかっただろう。また、2人の身体がピンク色になったのは、温度が下がったためだった。そして、余ったドライアイスをトイレに流した時にガスが発生し、溜まったガスが爆発を起こしたのだった。グレッグが古い便器を拾って来て実験すると、便器は爆発して粉々になった。
大量のドライアイスを買い占めた人物は見つからなかったが、大学が実験用に持っているドライアイスを調べ、スーザン・ヘミングトンが40ポンド(約18kg)のドライアイスを使っていることを突き止める。スーザンはトリップに口説かれて本気になったが、トリップはただからだが目当てであり、一度寝てしまえばもう用はないという態度だった。スーザンはそれを恨み、ザックが外出することを知って部屋に忍び込み、壁に穴を開けてドライアイスを置いた。ただ、殺すつもりはなく、バスケの試合に出られなければ良いと思っていただけだった。トリップがポーラを連れ込まず、ベッドに寝ていれば死なないはずだった。トリップが床に寝るのは女の子を連れ込んだ時だけで、試合前にはセックスをしないはずだった。
ヴァルタン刑事、エクリー担当。CSIの人員が出払っているため、エクリーがしぶしぶ現場に出動。ジェイムズ・ビルマイヤーという男性が駐車場で倒れて死亡していた。
ロビンス医師が最初に検視した時点では、頭や上皮に傷があったが致命傷ではなく、死因は不明。だが医師が休憩からモルグに戻ってみると、遺体が消えていた。手違いで搬送された形跡はなく、盗まれたと考えられた。
その後、ビルマイヤーの遺体はラスベガス警察の前のベンチに座らされているところを発見される。口には葉巻をくわえ、頭には紙のとんがり帽子をかぶっていた。死因は高血圧性心臓血管病で、頭の傷は倒れたときにぶつけてできたもの。とんがり帽子からは、救急隊員でヘンダーソンに住むプレストン・ヘイバーンの指紋が検出された。
ビルマイヤーは、チャーリー・ジャクソンの家で「パーティ」に参加していた。ジャクソン、ヘイバーン、ビルマイヤーは高校時代からの友達同士。ビルマイヤーが病気で余命いくばくもないと知り、友人たちでパーティを企画した。だが、ビルマイヤーは来る途中で死亡してしまったので、それを知ったヘイバーンがビルマイヤーを「誘拐」してパーティを開いたのだった。ジャクソンは「きっと彼もこれを望んだはず」と言うが、遺体を盗んだ罪で逮捕。
キャサリン、ウォリック担当。原っぱの真ん中で、目隠しをされた若い男性が倒れて死んでいた。氏名はケヴィン・スタニランド。遺体の周囲にはミステリーサークルが形成されていた。死斑から、死体遺棄ではなくその場で死亡したものと思われたが、足跡は救急隊員の物しか残っていない。死に至るような病気も外傷もなく、毒物も検出されず、死因は不明だった。
ミステリーサークルが形成される原因にヘリコプターの風があることから、被害者の死亡した頃のレーダーの記録を調べると、確かにヘリらしい機影があった。
そのヘリの持ち主は、ケヴィンをヘリに乗せて「パラシュートなしで飛び降りろ」と強要し、その一部始終をリアリティ・ショーとして撮影していた。ヘリは実際には地上1メートルあまりの所を飛んでいたのだが、目隠しをされていたケヴィンはそれを知らず、ショックで心臓が止まってしまったのだ。
主任の出番が少な~い。ぶつぶつ。いや、主任に限らずサラとグレッグ以外のレギュラー全体が印象薄かったような気がする。これは、フィナーレの撮影スケジュールの影響なのだろうか。そのせいでいささか散漫な印象があったことは否めないが、しかし捜査官の個人色が強いドラマが連続した後、久々にCSIらしい雰囲気だったかなと、その点では安心して見ることができた。コミカルなタッチも面白かったし。
レギュラー陣の出番が少ない分、ホッジスやエクリーが活躍。アーチーも久しぶりに顔を見せてくれて嬉しい。それに何と、エクりんが久々に現場復帰ですよ! 彼が現場にいる姿を見るのは、シーズン2以来ではなかろうか(「王様の秘密」ではテープの内側に入っていないからね)。エクりんとヴァルたんのツーショットはけっこう良かったなぁ。もう「嫌な奴キャラ」は返上してコメディリリーフを担当してはどうか。ホッジスと組んだりして。
ホッジスの台詞 “It's a blessing and a curse.” は、「モンク」の有名な台詞らしい。私は「ミレニアム」(クリス・カーター制作のドラマの方)の主人公の台詞を思い出した。確か自分の特殊な能力のことを “It's my gift and my curse.” と言っていたように思う。
前回キャサリンの髪の色を話題にしたが、今回、屋外のシーンはかなり赤みが強く出ていた。緑の原っぱをバックにすると、やはり赤い方が鮮やかできれいに映える。
ところで、ミステリーサークルで「周囲に足跡が残っていない」というのは、後ろ向きになって踏んだ草を起こしながら帰れば、わりと簡単にできることらしい。やったことないけど。
未解決の謎が少し気になるところ。結局 (V)o¥o(V) は結婚しているのか、どうなのだ。