CSI - Season 6, Episode 14
- So, tell me … where'd I go wrong?
- You killed two people.
クレイトン・ナッシュのアパートを、知り合いのカール・クーパーが訪れる。カールはサイレンサー付きの拳銃でナッシュを射殺して逃走。だがその途中でアリー・サリヴァンの車が衝突する。アリーは自分の非を認め、警察に電話しようとするが、殺人を犯したばかりのカールは警察を呼ばれると困る。カールは警察沙汰にしないようにとアリーを説得し、車に乗り込んで帰ろうとするが、アリーが携帯電話を出してダイヤルしているのを見る――。
アリー・サリヴァンの遺体が破損した車のそばで発見され、グリッソム、ニック、サラ、グレッグ、ブラス警部が捜査を担当。首が折られていることから、事故死でないことは明らかだった。車からはレイプの前歴のあるトレント・ホールの指紋が検出されるが、トレントは関与を否定する。トレントの話から、アリーが携帯メールを多用していたことがわかり、電話を調べると「999552」とダイアルした形跡が残っていた。グリッソムは、アリーがライセンスプレートの文字を見て「YKA」と入力しようとしたものではないかと考える。
アリーの車に残る塗料と「YKA」のライセンスから車を絞り込もうとするが、その車は砂漠で黒焦げになっていた。その車を販売した中古車店の場所とバスの運転手の証言から犯人の経路を絞り込み、ニックとグレッグは燃やされた手袋、靴、靴下を発見。手袋の皮はアリーのネックレスに付着していた断片と一致した。また、燃えカスの中から発見された筒はサイレンサーと判明。それはキャサリンらが担当するクレイトン・ナッシュの事件で使用された物だった。
ナッシュの遺体はアパートの管理人によって発見され、キャサリン、ウォリック、ソフィアが捜査に当たっていた。凶器の銃は部屋の中に残されていた。銃弾の旋条痕から犯人はサイレンサーを使っていたことがわかる。拳銃を置いてサイレンサーを持ち去ったのは、手製のサイレンサーに工具痕が残るためと思われた。
サイレンサーが発見されたことからグリッソムの事件との関係がわかり、犯人の行動を再現してみると――その人物はオフロード車で砂漠へ行き、車を隠してバスに乗り、中古車店へ行って車を買う。それを運転してナッシュのアパートへ行き彼を殺害。だが逃げる途中アリーの車がぶつかってきたためアリーを殺害して逃走。再び砂漠へ戻って車や他の証拠品を焼却し、オフロード車で帰って行った。
ナッシュは以前銀行強盗に関わり、取引をして法廷で証言したため、仲間の多くが逮捕されていた。動機を持つ以前の仲間の中から犯行が可能な者を絞り込み、部分掌紋からカール・クーパーにたどり着き、オフロード車の購入記録からジャニス・クーパーの住所が判明した。
カールはその直前に姿を消していたが、妻ジャニスに捜査が及び、彼女が娘と引き離されるかもしれないことを知って自首。
最初から犯人がわかっているという、CSIでは珍しい構成のお話。これは一応倒叙形式ということになるのだろうか。だが、犯人はわかっているけれどトリックは明かされていないという構図でもなく、犯人もトリックもわかっていて、それを「どう崩すか」がポイントになる(刑事コロンボみたいな)わけでもなく、この構成で何がやりたいのかがイマイチよくわからなかったような気がする。
最初から犯人も犯行の経緯もわかっていると、「誰が何をどうやったのか」はわかっているわけだから、必然的に犯人とCSIの知恵比べに関心がいってしまうのだが、ポール・ミランダみたいなのに比べるとどうしても、今回の人は普通っぽいし、CSIの捜査も普段と変わらないじゃんと思ってしまう。その「普段と変わらない事件」を別の角度から見るという試みだったのかな。
たしかに、普段光の当たらない、犯罪者の「犯罪の前後」の様子を描くというのは面白い試みだと思うが、それも「たまにやるくらいならいいか~」という程度かな。時系列を整理したら矛盾が出た、みたいなプロットホールもできにくい構成だが、逆にいうとそれだけドラマが平坦な感じ。ドラマを見ながら点と点をつなぐとか、間隙を埋めていくとかいう「こちらかのアプローチ」が必要ないせいかな。とか何とか、視聴者ってワガママだなぁ。
カールが見ていたRocketboom.comというサイト、また変な(失礼)架空のサイトかと思ったら実在するビデオブログだった。作中でレポートしていたAmanda Congdonが“herself”でクレジットされていたので、これも本物のレポーターだったのかな。へー。
— Yoko (yoko221b) 2007-04-12