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CSI - Season 7, Episode 15

#156 Law of Gravity


事件概要

デニス・グレーヴス&コートニー・エヴァンス

ホテルの一室で客と売春婦が射殺される。女は左手の手首から先を切断されていた。客はトレントン市の退職刑事のデニス・グレーヴスで、発見したのはデニスとともに宿泊していた、やはり元刑事のフランク・マッカーティだった。フランクはケプラーと知り合いで、事件前にも会ったばかりだが、お互いに知らない相手のように振舞う。現場の部屋には、被害者の他にもう一人、金髪女性がいたことがわかる。その女性は浴室に隠れて犯行を目撃した可能性があった。

身体に入れたインプラントの製造番号から、売春婦はコートニー・エヴァンスと判明し、ウォリックが捜査に向かう。その後、サバティカル休暇から戻ったグリッソムが「書類整理が嫌で」と現場に向かい合流。コートニーの自宅は何者かに荒らされた形跡があった。

ケプラーはひそかにフランクと接触。ケプラーはフランクが犯人であり、コートニーに引っかかれたために爪の下からDNAを採取されないよう手首を持ち去ったということを知る。ケプラーはかつて、フランクの娘エイミーと交際しており、エイミーをレイプして自殺に追い込んだ男を射殺したことがあった。その時に凶器の銃を預かり隠蔽したのがフランクだったのだ。フランクは、パートナーだったデニスの不正行為が明らかになったため、自分の罪が明るみに出ることを恐れてデニスを射殺し、目撃者のコートニーをも殺害したのだった。

コートニーの部屋の空き巣に入った男が判明するが、その男はコートニーのバッグを拾っただけだと主張。ケプラーは、男がバッグを拾ったという場所へ出かけ、ゴミ捨て場で切断された手首を発見するが、その証拠を誰にも見せず隠蔽する。

その後、ホテルの監視カメラの映像から、フランクが金髪の女性と一緒にいたことがわかる。ソフィア、ニック、ケプラーの3名がホテルの部屋へ踏み込むが、そこには拳銃が1丁残されているだけだった――ケプラーは、それがかつて自分が男を射殺した銃であることに気づく。その後、金髪女性の氏名はスージー・ギボンズと判明し、ケプラーは彼女の行方を追う。

拳銃からは案の定ケプラーの指紋が検出される。さらに、フランクとケプラーが親子のような間柄であったことなどが判明。ケプラーは車の追尾装置を外して姿を消し、スージーを探し出してフランクを呼び出す。昔、エイミーをレイプしていたのは、実はフランク本人だった。ケプラーはフランクにだまされ、無実の男を射殺してしまったのだった――。

フランクは逃げようとしたスージーに銃を向けるが、ケプラーが彼女をかばって撃たれる。そこへキャサリンが到着。フランクはキャサリンを撃とうとするが、ケプラーがフランクを射殺し、自らも息絶える。

ケプラーの携帯電話を捜索していたニックは、ケプラーが残したクーラーボックスを発見。中には、携帯電話とともにコートニーの左手と「爪を調べろ」というメモが残されていた。


感想

ケプラー……キャラとしても面白いし、キャサリンと息が合っているのも良い感じだと思ったのに、残念。グリッソムとケプラーの場面、短かったけど良い感じだったし、もうちょっと彼の活躍を見てみたかったなぁ。:-(

このエピソードでケプラーが死ぬらしいというのは、どこかでネタバレを見て知っていたのだが、こんな最期だったとは……。実を言うと、彼は模型殺人犯の犠牲になっちゃうんじゃないか、あの箱の中にはケプラー人形が入っているんではないかと思ったこともあるのだが、全然違っていた。確かに、ケプラーはケプラー篇として独立させる方が収まりが良いと改めて思った。模型殺人はグリッソム、ケプラーはキャサリンの管轄(?)だし。

ケプラーの夢の映像が印象的。廊下を歩くように視点が動いて行く場面が、「ツイン・ピークス」のブラック・ロッジを思い出させた。

プロファイリングの手法を用いて犯罪者の内面から事件の様態に迫っていく、というアプローチの方法。CSI本来の役割からみるとオーソドックスな手法ではないかもしれないが、証拠の採取から始まる少々マンネリ気味なストーリー展開に変化を与えた点でも、ケプラー篇はとても面白い試みだったと思う。ケプラー自身が実は殺人者だったことを思い合わせると、彼が事件の経緯を一人称で語る場面が意味深いものに思えてくる。

それにしてもフランクの正体がレン・キャリオウだったとは! 「ジェシカおばさんの事件簿」ではたしか英国の情報部員だったはずなのに、Law & Order ではセクハラ海軍大佐、そして今回は悪徳警官にして殺人犯とは。見るたびに凶悪になっていく……。

Yoko (yoko221b) 2008-10-23