CSI - Season 8, Episode 9
警察に追われ、ゴミを撒き散らしながら爆走するゴミ収集車から、男の遺体が投げ出される。運転していた男は車を降りて逃げようとするが、別の車にはねられ死亡。身元は元警官のブロディ・ビッグスとわかる。投げ出された方は5軒のカジノで働くジェイソン・クルーズ。死因は窒息と思われた。
遺体を運んでいたゴミ収集車は、ゴミの内容や車体の様子などから、80年代からずっと使われていなかった物と思われた。その後車体番号から使っていた業者が判明するが、その会社は83年に廃業しており、オーナーでありマフィアのボスでもあるアンソニー・ペズーロも83年に殺害されていた。
ジェイソンの母ベリンダは、最初はブロディのことを「知らない」と言っていたが、捜査を進めるうち、実はベリンダはペズーロの妻のケイトであり、ペズーロの友人だったブロディとも旧知の仲であったことがわかる。ベリンダはペズーロの死後、証人保護プログラムを受けて別人として暮らしてきたのだった。ゴミ収集車は、クラブ「ピガール」を経営するルウ・ゲッダに譲られたことがわかる。だがゲッダはその車については「何も知らない」としか言わない。
ウォリックは、ジェイソンのパソコンのスケジュール表から、ピガールに同行したマイク・レイカークの名前を発見して事情を聞く。レイカークは、以前「ピガール」へ出かけてぼったくりに遭い、支払いを拒んだところ、殴られて椅子に縛られ、剃刀で脅されたため結局全額払ったことがあった。ジェイソンはその話を聞いてゲッダに抗議したという。ゲッダがブロディに命じてジェイソンを殺させたという疑いが生じる。
ゲッダとピガールの周辺を調べると、これまでに何件も暴力犯罪が起きているものの、いざとなると被害者が被害届を取り下げ、警察も見て見ぬふりをしているらしいことがわかってくる。その事件の被害者にも、また未解決の殺人事件の被害者にも、椅子に縛り付けられたような痣が腕についていた。ウォリックはそれを根拠に令状を取ろうとするが、それでは根拠が不十分だと却下される。業を煮やしたウォリックは、自ら囮になるつもりでピガールへ出かけて豪遊してみるが、途中でグリッソムが現れ家に帰されてしまう。
だがウォリックは結局タクシーでピガールに戻り、店で親しくなったダンサーのキャンディの後を追い、そのまま一夜を共にする。目が覚めた時、すでにキャンディは姿を消していた。
ウォリックはピガールの駐車場へ車を取りに行くが、そこには警官が集まり、犯罪現場のテープが張られていた。何と、ウォリックの車でキャンディの遺体が発見されたのだった――。
前回がコメディっぽい話だと思ったら、やはり今回はどーんと……。
このところ、あまり出番がなかったウォリックだが(ドゥーダンが映画に出ていたんだっけ?)、ようやくウォリック・ドラマが! と思ったらこんな展開かぁ……。今シーズンのフィナーレで何が起きるかはある程度わかっているので、この先を見たいような見たくないような。サラが燃え尽きて去って行った記憶も新しいところへ、連鎖反応のようにウォリックがこんな状態になっているのを見るのは、やはり見ていて辛いものがある。
今回の事件の真相は、おおよその見当はついているものの、物証からゲッダへは殆ど行き着けていない。何となく、このままフィナーレまで対決をひっぱるのかなぁ(フィナーレエピのタイトルがアレだから)という感じ。ということは、それまでこの暗い雰囲気が続いてしまうの? ホッジスのコメディリリーフにも限界があると思うぞ。
継続エピソードといえば、グリッソムの蜂研究はどうなったんだろう? あれはプロポーズのための小道具にしただけ、とかいうんだったら怒るよ。蜂でなくてもいいから虫をもっと出せ~! というか、虫と絡む主任をもっと見たい~!
今回の監督は、映画監督のウィリアム・フリードキン。うーん、フリードキンの作品で見たことあるのは、ホレイショが検事役で出ていた「ジェイド」ぐらいだな。なのでフリードキン監督の持ち味というか風味がよくわからないのだけど、ウォリックとキャンディの幻覚みたいな場面とか、紙吹雪のようなゴミ撒き場面はフリードキン風なのだろうか。
ジェイソンの部屋に “HUX” があったが、これは「暗闇の快感」で殺されたハンプトン・ハクスリーの発行しているヌード雑誌か。