CSI - Season 9, Episode 9
グリッソムが部下たちに仕事を割り振った後、「CSIを辞めるつもりだ」と告げる。キャサリンが深夜シフトの主任になり、エクリーが新しく捜査官を雇うことになる。そこへ遺体発見の報が入り、グリッソムは現場へ。
遺体はゴミ袋に入れた状態で川に遺棄されており、身体はすっかり腐敗して液状になっているため、死亡時期は不明。袋からはダビデの星のペンダント、茶色と金髪の毛髪が着衣とともに発見される。成人した白人男性で、舌骨が折れているため絞殺されたと見られる。ダビデの星のペンダントから、10年以上前に行方不明になったジョエル・スタイナーという若者が浮上。ジョエルは90年代に起きた連続殺人事件の最初の被害者ではないかと思われていた。
その事件は、90年代にネバダ州など3州で起きた事件で、カップルばかりが襲われたことから「ディック&ジェーン・キラー」(DJK) と呼ばれていた。現在まで7名の男性が遺体で発見されており、ネイサン・ハスケルという人物が逮捕されて終身刑で服役中。女性の遺体はまだ1人も見つかっていない。7名の被害者のうち、最初の被害者には刺し傷が2ヶ所、次の被害者には3ヶ所あり、傷の数は順々に増えて7人目では8ヶ所。なので、最初の被害者より前に「刺し傷が1ヶ所」の被害者がいるのではないかと思われており、行方不明者リストと照らし合わせた結果、ジョエルとその恋人がそうではないかと推察されていた。
ジョエルの両親は、ペンダントを息子の物だと確認する。また、毛髪はハスケル本人の物であった。では遺体はジョエル本人か、と思われた矢先、意外な事実が判明。発見されたスニーカーはオーダーメイドのもので、2年前に作られたものだったのだ。ハスケルは10年間服役しているため、この遺体はDJKの最初の被害者ではあり得ないことになる。
スニーカーの発注記録から、遺体はジェラルド・トリヴァーと判明。トリヴァーはリノ警察の情報屋で、半年前から行方不明になっていた。トリヴァーの自宅には、ハスケルの被害者に関する品々がいくつも隠されており、その中には、ジョエルが行方不明になる直前に行ったコンサートのチケットが含まれていた。
トリヴァーの自宅に残る靴跡を調べたところ、過去の事件の物と一致した。5週間前に起きたイアン・ウォレスとジャスティーン・ステファーニの事件(5話「そばにいてほしい」)である。イアンに刺し傷が9ケ所あったことから、ハスケルの共犯者(あるいは弟子)が「続き」を行っている可能性がある。
西ラスベガス大学のレイモンド・ラングストン教授が、犯罪学セミナーにハスケルをテレビ会議で参加させることがわかり、グリッソムが客員教授になりすまして聴講する。グリッソムは質疑応答で共犯者がいるか尋ねるが、ハスケルはあくまでも単独犯を主張。
その後、ハスケルの被害者らはいずれも殺害される前日にコンサートに行っていたことがわかり、その会場で被害者を物色していた疑いが強まる。イアンとジャスティーンはチケットを3日分購入しており、事件翌日のチケットは別人が使用していた。そのコンサートを映した動画から2人の席を調べると、洗車場で働く2人組が確認できた。
その2人は「ダフ屋から買っただけだ」と主張。半券を押収して指紋を調べると、カーティス・キージーという男の指紋が検出される。だが、ニックとバルタンがキージー宅へ向かったところ、そこにあったのはキージーの遺体。そしてその現場にも、イアン&ジャスティーン、トリヴァーの殺害現場と同じ靴跡が残されていた。
時系列を整理してみると、まずトリヴァーが警察の情報提供者になり、それを知った靴跡男とキージーがトリヴァーを殺害。そこで殺しのスリルを覚えた靴跡男はイアンとジャスティーンを殺害し、師匠の後継として9回刺す。だがキージーがチケットを売ったため、靴跡男が制裁として彼を殺したものと思われた。
グリッソムは翌日の講義にも出席し、なおも共犯者について聞こうとする。だがそこへジョエルの母親が乱入し、教室は混乱。グリッソムは思わず警察内部で使用する符丁を使ってしまい、ハスケルに気づかれてしまう。何も知らされていなかったラングストンは「捜査のために授業を乗っ取ったのか」と怒る。
その夜、ラングストンはハスケルから電話を受け、「スタイナー夫人のことで」と言われグリッソムにも電話をつなぐ。ハスケルは「ボルダーハイウェイとハスブルックの角」と場所を告げ、そこへ行ってみると、ジョエルと思しき白骨が発見される。さらに、その近くには別の男性の遺体もあった。その身体には刺し傷が10ヶ所。つまり、共犯者の新たな被害者と思われた。
ついにこのエピソードが来てしまった……主任ーーー!(涙)
冒頭でいきなりグリッソムの「CSIを辞める」宣言。キャサリンが次の主任になり、エクリーが新人を雇うことになる(まぁ、それが誰かはもうわかっているわけだけど)。キャサリンの「貴方が決める前から、私にはわかっていた」という台詞にもじーんときてしまった。本当に行ってしまうのね主任……。
しかし、ゆっくり身辺整理をする間もなく遺体発見の報。連続殺人鬼ネイサン・ハスケルの「最初の被害者」かと思いきや、殺されたのは2年以内。ハスケルは終身刑を言い渡されて、もう10年間獄中にいるわけなので、模倣犯か共犯者か、いずれにしてもハスケルに関わる誰かが「こちら側」にいるはず。
そして捜査を進めるうちに数回前のSM殺人事件(5話「そばにいてほしい」)との関連が浮上。そうか、あの尻切れトンボはここにつながるのか! あの時は未解決のままあまりにも唐突な終わり方だったので「は?」という感じだったが、ちゃんと続きがあったのでホッとした。
さて、ハスケルが西ラスベガス大学の犯罪学セミナーに参加すると聞き、主任が「社会学の教授」というふれこみで参加。ここで、セミナーの教授としてレイモンド・ラングストン(ローレンス・フィッシュバーン)が初登場。ラングストン教授とCSIの「ファースト・コンタクト」は必ずしも好意的なものではなく、後編でこれがどう変わっていくのだろう? と思わせる。
ラングストン教授は元医師だったが、病理学者として勤務していた病院の同僚が所謂「死の天使」となり患者を殺害していたが、それを見逃してしまったことを苦にして病院を辞め、現在は犯罪病理学者として教鞭をとっているとのこと。
どんな先生なのかと思ったら、「女性による連続猟奇事件」を紹介するという前振りの後でチンパンジーの母娘の写真を見せる、というお茶目な一面が。でもここの翻訳で「殺人」や「10人」という言葉が使われていたのが惜しい。人ではないので「子どもを殺して食べるという事件を10回も起こした」というような表現にすべきではなかったか。
で、最近の殺人はハスケルの共犯者たちの仲間割れらしいとわかったものの(性的サディストは単独で行動するんじゃなかったのか……)正体はつかめず。そしてハスケルの情報を得て現場へ向かうと、そこには「最初の被害者」であるジョエルの遺体と、まだ新しい被害者の遺体が。というところで後編に続く。
このエピソードの原題は “19 Down” だが、被害者を数えてみると、
ということで、合計21名になってしまった。共犯者は数に含めず「ナイフの刺し傷付き」の被害者が19名ということなのかな。
— Yoko (yoko221b) 2011-05-24