CSI - Season 11, Episode 7
ゴミの埋立地で、運搬トラックの中から粉々に粉砕された人体が発見される。トラックを送り出した処理施設では、バイクや家電など様々な大型ゴミをシュレッダーでバラバラにしていたが、作業員が誤って転落した形跡はなかった。トラックに積まれていたゴミを仕分けして調べたところ、成人1名に相当する人体が発見される。頭蓋骨の欠片を調べたところ、シュレッダーにかけられるより前に死亡していたことがわかる。どうやら被害者は、細かく刻んだクレジットカードを入れたクラムチャウダーを食べさせられ、その後に頭を撃たれたらしい。その手口は、マフィアによる処刑を思わせた。さらに、被害者は以前にも撃たれたことがあるらしく、別の古い銃弾の破片も発見される。
被害者が食べたクレジットカードの磁気ストライプを調べたところ、持ち主はラリー・ラモット。ラモットは、個人情報を保護する「IDプリザーブ」という会社を経営している。ラモットが被害者かと思われたが、会社に行ってみるとラモット本人が現れる。
ラモットのカードを持っていた被害者を、犯人がラモット本人と思い込んで殺害した可能性が考えられた。IDプリザーブはネットで派手な宣伝を行って成績を伸ばしていたが、その裏では何千人もの顧客が「個人情報を盗用された」と苦情を申し立てていたのだ。
被害者と一緒に処理施設へ送られたゴミはすべてIDプリザーブから出たもので、同社からのゴミ搬出を請け負っていたのは、警備主任ジュリアス・キャプランが経営する関連会社。IDプリザーブのゴミ容器から被害者の血液が検出され、キャプランがそれに触れたこともわかる。
だが令状を取って自宅に急行すると、キャプランは頭を撃たれて殺害されていた。自宅には、被害者を殺害したと思しき怪しい部屋とグロック拳銃があった。この銃はシュレッダー男を殺害したものだった。だがキャプラン自身を撃ったのは45口径のコルトだった。銃弾を調べてみると、キャプランを撃ったコルトは、6年前にリノで発生した強盗事件で使用されたことがわかる。この事件では、被害者が病院に運ばれた後姿を消しており身元不明だったが、銃弾はシュレッダー男の傷口に入っていた古い銃弾と一致――つまり、この事件で撃たれた被害者が、6年後にラモットのカードを持ってベガスに現れ、キャプランに殺され、キャプラン自身も同じ銃で射殺されたことになる。
シュレッダー男はニューメキシコ在住。わざわざベガスまで来て、ラモットのカードをこれ見よがしに使ったのはなぜか。そして小額の買い物しかしていないシュレッダー男を、キャプランがわざわざ殺害したのは何のためだったのか。
答えはシュレッダー男の身元にあった。男がラモットのカードで買い物をしているところが防犯ビデオに映っていたため、顔認識システムで調べたところ、フロリダで発行された運転免許証がヒットする。氏名は何と、ラリー・ラモット。
6年前の事件の指紋を調べ直した結果、現在「ラリー・ラモット」を名乗るIDプリザーブ社長と一致する。その人物の正体は、詐欺や身元詐称などの前歴があるアーロ・カーデン。6年前、アーロ・カーデンは仲間のラリーを撃ち、前歴のないラリーになりすまして「IDプリザーブ」の商売を始める。本物のラリーはネット広告で自分の名前が使われていることを知ってベガスに現れ、偽ラリー(アーロ)を脅したのではないかと思われた。アーロは犯行を否定するが、自宅からはジュリアスを撃った45口径のコルトが発見され、また口座から500万ドルを引き出した記録もあった。
一方アーチーは、キャプランの隣人の防犯ビデオ映像解析に取り組んでいた。犯行直後に出て行く車が映っていたが、ちょうど別の車が通りかかったために番号がよく見えなかったのだ。ようやく映像の鮮明化に成功し、番号の一部が判明する。それはレンタカーで、借りたのはIPプリザーブに情報を流出されて恨んでいたリー・デブリースとわかる。だがその車を手配して追いつめてみると、運転していたのはアーロのアシスタントのエレイン・トラヴァースだった。
エレインはアーロのアシスタントとして、またキャプランの恋人としてすべてを知る立場にあり、社長の正体も、6年前の犯罪のことも、IDプリザーブ社が不正をしていることも知っていた。キャプランはアーロが金を払ったことを知り、本物のラモットを殺害してその金を奪った。エレインは偽ラモットの銃を持ち出してキャプランを殺し、金を奪ってメキシコへ逃げようとしていたのだった。
冒頭、普通に料理しているのかと思ったら、チャウダーの中に変なモノが! あの形が最初人間の耳に見えて「げっ」と思ったら、どうやら貝だった様子。ああびっくりした。しかし、あれが普通の貝でもグロエピであることには変わりないわけだ。
DVDの収録順序は、なぜか放送順と異なっていて、「ゴミ屋敷の法則」の次がこの話。だもので「うわー2話連続でゴミか!」と少々ゲンナリ。捨てられない人たちが治療を受けてモノを捨てられるようになったら、その結果こういうことになるのね……。それって結局ゴミが場所を移動するだけなんじゃないの? と空しい気分になってしまう。
それが後半は、ID泥棒という情報犯罪を扱った展開に。マイアミやNYにも出てきたけれど、知らないうちに自分名義のローンの山ができているって、想像するだけでも恐ろしい。殺人やカジノやセレブなんかは、自分から「遠い」と感じるが、いつの間にやらカード地獄なんて、ありそうすぎて怖い。だから自分の個人情報を守ろう! と思うのは良いのだが、加入する前に検索して評判とか確かめないのかなぁ、グレッグ……。
今回は「ラリー・ラモット」の名で認識される人物が、代役も含めて3人、拳銃も2丁、被害者と加害者が2人ずつ、事件も殺人2件、恐喝、コールドケースの強盗事件、と何だか数が多くて「誰のどの事件で同じ銃が使われたの?」と混乱させられた。複雑に絡み合っているわけじゃなく、ひとつひとつは単純な事件なのだが、バラバラに出てくるので事実関係を整理するのが大変。