CSI - Season 11, Episode 10
早朝のスーパーで女性客が射殺され、店員のヘクターが巻き添えになる。女性客が3歳くらいの娘ホリーを連れていたとわかり、ブラスはただちにアンバーアラートを出す。支払いに使った小切手から、身元はクリスティーン・ムーアと判明。夫のダニエル・ムーアはFBI捜査官だった。
ムーアはモルグでクリスティーンが目を撃たれていることを知り、「犯人はライラン・ガウスだ」と断言する。ムーアは子ども相手の性犯罪を担当しており、ライラン・ガウスを追い続けてようやく逮捕したものの、控訴審で証拠の一部が不採用となり、逆転無罪となり釈放されていたのだ。母親の目を撃つのはガウスの手口だという。クリスティーンが死ぬ前にも「ガウスがクリスティーンを尾けている。パパが言ったとおり、皆殺される!」という留守電が入っていた。電話したのは、ムーアと最初の妻の息子、トレントだった。
ガウスは不在だったが、近くの公園にいることがわかり、駆けつけるとそこにムーアが拳銃を手にして現れる。間一髪でニックがガウスを突き飛ばし、生きたまま逮捕。だがガウスは犯行を否定し、アリバイが確認される。クリスティーンの車が乗り捨てられているのが発見されるが、ガウスにつながる証拠は発見されない。
その後、ムーアとクリスティーンが離婚調停の泥沼にあったことがわかる。クリスティーンは単独で娘の親権を求め、さらに義理の息子であるトレントの後見人にもなろうとしていた。そこでムーアの所在を探すと、彼はガウスの部屋におり、足下には射殺されたガウスが倒れていた。ムーアは「撃ったのは自分ではない」と言い、確かに発砲した形跡はなかった。
ガウスの部屋には、トレントが勤めている宅配業者の帽子が落ちていた。トレントの行方はわからないが、自宅には統合失調症の薬があり、またクリスティーンが射殺された時にトレントも車に乗っていたらしいとわかる。トレントについて事情を聞くと、ムーアは激昂し、息子は病気ではないから自分が薬を止めさせたのだと言う。ブラスはムーアを説得し、トレントの行きそうな場所を聞き出す。サラがそこへ向かい、トレントを発見。トレントはひどい妄想に襲われ「俺がガウスだ」と口走る。
トレントが持っていた銃はガウスを撃った凶器と判明。だが、クリスティーンを撃った物ではなかった。彼女を撃ったのは誰か別の、ガウスの手口をよく知っている人間ということになる。さらにクリスティーンを殺す動機を持つ人間……。
ブラスの説得でムーアはトレントと向き合い、「おまえはガウスではなく、お前が見たのもガウスではない。私がクリスティーンを殺すところを見たのだ。ホリーを奪われたくなかった」と告白する。トレントはそれでもホリーの居場所を言えなかったが、トレントの帽子にトコジラミが付着していたことから場所が特定される。トレントはモーテルで部屋を取り、隣室の女性にホリーを預けて行ったのだ。
「CSI」のエピソード構成では、前回のような軽い息抜きエピの後に、暗く重たい話が来ることが多い。しかもタイトルが「アンバーアラート」(原題の418は失踪、427は誘拐を示す警察のコード)だったので、重苦しさを覚悟して見始めた。……という状態だったので、思ったほど鬱ではなかったかなぁ。クリスティーンもトレントも、ムーアの病にひきずられて破滅したような感じで、ただただ気の毒に思うのだが、とにかくホリーだけは助かったことだし。きっと母方の親戚が引き取ってくれるだろうと思う。
ムーア捜査官は出だしからいきなり怪しい感じで、本当にFBIかしら? と疑問に思ったが、偽捜査官のエピソードはすでにあるので、2度も同じ手には引っ掛からないよね。まぁ捜査官であるのは本当だとしても、やはり言動が怪しすぎる。と思ったら案の定、殺人犯。
こうなると、ガウスが逮捕された事件で、本当に彼が犯人だったのか? という疑問も湧いてこようというものだが、本人も死んでしまったし、もう真相はわからない(というか連邦の管轄だし)。まぁ、ガウスの犯行は明らかなのに証拠がないので、ムーアが暴走してしまった(それが控訴審で突っ込まれた)というのが真相ではないかと想像している。
今回はラングストンがお休み。主役が欠席でも特に違和感がなかったのはさすがというべきか。
— Yoko (yoko221b) 2013-05-04