CSI - Season 11, Episode 16
モルグに運び込まれた若者の遺体が、突然意識を取り戻して姿を消す。翌朝、別の若者が路上に倒れ、警官が死亡を確認したものの、CSIが到着した時にはすでに遺体が消えていた。
モルグの若者の遺留品からは、エリオット・エイデンという研究者の手帳が発見される。エイデン博士は70年代に、死者を蘇らせるなどオカルトじみた研究を行っていたが、幻覚剤を使用して不祥事を起こし、西ラスベガス大学を解雇されて不遇な暮らしをしていた。だが博士の研究室は、大学の旧校舎に残されている。その部屋を調べたところ、最近誰かが使用した形跡があり、毒をもつ魚などが飼育されていた。博士が製作した「感覚遮断タンク」を開けると、そこでは、路上から姿を消した若者が、完全に死亡していた。
免許証の写真を照合した結果、モルグの若者は西ラスベガス大学で心理学を学ぶマックス・フェリスと判明。マックスのカードを奪った人間が逮捕され、彼の持ち物からビデオカメラが発見される。どうやらマックスは、仲間2人とともにいったん死亡して生き返る実験をしようとしていたとわかる。仲間のうち1人はタンクで死亡していたカート・ドーソン、もう1人は女性で「アリス」と呼ばれていた。
カートの遺体からはテトロドトキシン、LSD、大麻が検出される。彼らは神経毒で一時的に仮死状態になったものと思われた。さらに、背中には誰かに押さえつけられたような痕跡が残っていた。「実験」でそれぞれ街に出て行った2人が研究室に戻って鉢合わせし、薬物の影響で幻覚症状を起こしたマックスがカートを殺害したのではないかと思われた。
メールの履歴から、もう1人の仲間は同じく学生のアリス・カツと判明。自宅へ行ってみると、アリスは母親が死亡した悲しみから立ち直れず、もう一度母と会うために実験に志願したものと思われた。
アリスの母シンシアが埋葬されている墓地へ向かうと、そこにいたのはマックス。だがマックスは動揺して逃げ出し、車にはねられて死亡。
アリスのノートやパソコンを調べた結果、そもそも実験はアリスが主導して始めていたことがわかる。母親の死がきっかけで死後の世界に興味を持ったアリスは、エイデン博士の研究を知り、ネットを通じて博士と接触し、マックスとカートを仲間に入れていた。
博士の自宅へ向かうと、そこには博士がアリスとともに行った実験の様子を録画したビデオがあった。しかも最新の映像では、博士自身が薬を服用している。探してみると、博士は裏庭で椅子に座ったまま意識を失っていた。脳死状態で回復は望めないだろう。
アリスは研究室で発見され「母親に会えた」と喜んでおり、カートとマックスに早く会いたいと望んでいた……。
モルグに運ばれた死者が立ち上がって歩き出す。マイアミでもNYでも同じネタはあったし、使われたのも同じテトロドトキシンで、目新しさはないし、エピソードとしてもイマイチな印象は拭えないが、ハスケル・アークの合間の息抜きみたいなものか。でもこういう話って大抵ハロウィン・エピだよね。今回は2月末の放送で、ちょっと季節はずれ?
原題がティモシー・リアリー(幻覚剤を使った研究で知られるアメリカの心理学者)のスローガン “Turn on, tune in, drop out” のパロディであり、またエピソード全体を通じて「フリンジ」のパロディ的要素が散りばめられているらしい。またサラは映画「アルタード・ステーツ」に言及するなど、全体に「そっち系」の雰囲気ありありのエピソード。元ネタに詳しくないので、パロディとしてはちょっと楽しめない感がある。かといってCSIのエピソードとしてそれほど面白いというわけでもないし。アリス・カツさんは日系の勝さんなのだろうが、あの冗談みたいな神棚モドキは止めてほしい。
超心理学や心霊研究については、これも参考になりそうな本を探してみたけど多分読むのは無理。「フリンジ」も興味はあるんだけど全然見るヒマがないし……。
— Yoko (yoko221b) 2013-05-06