CSI - Season 13, Episode 18
両手の手首から先を切断された若い男性の遺体が発見される。防犯カメラには被害者を遺棄した人物が映っていたが、暗視ゴーグルらしきものを装着しており、人相は不明。被害者の両足に熊の罠にかかったような傷があり「ハンティング」の獲物になったのではないかと思わせた。また、ポケットには折り鶴が入っていた。
膝に着けていた防具のニーブレイスは特注品であり、持ち主を調べるとディラン・トリッグと判明。しかし自宅を訪ねるとディラン本人がそこにおり、ニーブレイスは「スポーツ仲間のカール・エイブラムズに貸した」という。
ディランの話から、カールがキャンプに出かけた場所がわかったため、ニックとモーガンは引退した警察犬のサムを連れて付近を捜索。ほどなく、地下へ通じる扉が見つかり、付近には血痕も認められた。
地下室へ降りていくと、そこにあったのは生活空間を含む広々としたシェルター。ニックはそこで正体不明の男性に銃を突きつけられるが、モーガンの加勢で形勢逆転し、警察署に連行。
シェルターを調べてみると、床の人工芝の下から血溜まりが発見される。水や電気など生活に必要な設備は一通り揃っており、大量の銃器類も発見される。さらに調べると、少女趣味のインテリアで飾られた寝室があり、ベッドには性行為の痕跡。また、10年以上前に流行したデザインの婦人服、カールが持っていたものと似た折り鶴も発見される。捜索していたフィンとサラは不審な物音に気付いて調べてみると、十代の少女がおびえた様子で隠れていた。
地下室にいた男はトミー・バーンズ、少女は娘のミランダと判明。11年前にカーソンシティでトミーの妻レベッカが殺害され、その事件はいまだに未解決。当初犯人扱いされたトミーはミランダを連れて地下シェルターに潜行したという。
トミーはミランダを危険な世界から守ってきたと主張するが、ミランダのベッドを分析すると、カールともう一人、身元不明男性の精液が検出される。ミランダをめぐる三角関係があったのか、あるいは娘を守ろうとするトミーの犯行かと思われたが、そこへトミーの弁護士が現れ、家宅捜索に令状がなかったことを根拠に証拠の排除を主張。これ以上の家宅捜索も、これまでに得られた証拠に基づく取調べもできなくなってしまう。
カールが持っていた折り鶴を調べてみると、それは食品の包み紙でできており、バーコードからシェルターに近いサプライストアが浮上。その店を訪ねたところ、店員のルーク・ホランドがミランダとひそかに交際していたことがわかる。2人で会っていた時に、右手を失い大怪我をしたカールを発見し、シェルターに運び込んだが手当てをする間もなくカールは死亡。トミーに知られないように血の痕を隠し、身元を隠すために左手も切り落として遺棄したのだという。しかしミランダをはさんだ三角関係に言及されると、「カールには男の恋人がいた」と言ってその可能性を否定。カールはミランダの協力を得て、恋人ディラン・トリッグとの情事に彼女の寝室を使っていたのだった。
ルークの供述をもとに砂漠を捜索したところ、熊用の罠とカールの右手が発見される。手の爪の中には犯人のものと思われるDNAが残されていた。
カールはゲイであることを隠していなかったが、ディランはカミングアウトする勇気がなく、その間で悩んでいた。ディランの父親のは2人を別れさせようとしたが、カールが馬鹿にしたように笑ったので思わず殺したのだという。ディランは父を擁護せず「カールを殺したと聞かされた」と認める。
ハンティングの獲物にされたかのような遺体、地下シェルターに潜む謎の男――という道具立てがとても面白そうだったのに、真相がわかってみると「???」となってしまった話。ディランパパがカールを殺したところまでは良いとして(倫理的な「良い」じゃなくストーリーとして理解できるということね)、その後ルークがあんな大掛かりなことをする意味はあったのだろうか。
妻殺しの容疑をかけられたトミーが地下に潜行してしまうというのも唐突な感じだが、ラッセルに言われて「じゃあオレゴンに行きます」というのは何だかあっさりしすぎ。好意的な親戚が大勢いるなら最初からそこへ行っておけよと思ってしまった。ミランダは父親思いの良い子みたいだけど、父親の勝手で地下生活をさせられたり恋人と離れて遠くへ行かされたり、大変だよね。
で、レベッカ・バーンズの事件は結局未解決のままなのね。容疑者になった夫が釈放されたとたんに行方をくらませたのだから、「やはり夫が怪しい」となってその線で捜査が止まっているんじゃないだろうか。
— Yoko (yoko221b) 2020-09-13