CSI - Season 14, Episode 14
資産家の令嬢アナ・オルティスがメキシコのアルケロ市で遺体となって発見される。死因は麻薬の過剰摂取だというが、父親のガブリエルはそれを信じられず、検死解剖を差し止め、旧知のアル・ロビンスに検死してほしいと頼み込む。ロビンスはラッセルの許可を得て、ニックとともにブラジルへ向かう。メキシコ連邦警察のシルバ捜査官が案内役として同行することになった。
アナの遺体にはコカインらしき白い粉末が付着しており、内臓にも長期の薬物摂取を示す特徴が見られた。遺体が遺棄されていたのも、カルテルの抗争で4人が殺害された現場の近辺。だが血液サンプルをラボに送って分析したところ、摂取したのは麻薬ではなく重金属であったことが判明。白い粉末もコカインではなくプラスチックだった。
アナは発見現場で死亡したのではなく、どこかから運ばれて遺棄された可能性が考えられたため、ニックはシルバとともにアルケロのプラスチック工場へ向かうが、連邦捜査官と地元警察の関係はあまり良好ではない。トラックの運行記録は入手できたが、シルバはアナ殺害容疑で地元警察に逮捕されてしまう。
ロビンスとニックは逮捕こそされなかったもののモルグに足止めされてしまい、ロビンスは退屈しのぎにデイヴィッドが担当する遺体を詳しく見せてほしいと頼む。
それはベガスで起きた二重殺人で、ガレージで男女2人の遺体がコンクリート詰めになるという事件だった。被害者はその家に住むクレア・マーシュとその義弟。クレアの夫ブレットは出張で留守にしており、コンクリートは下水管修理のために置いてあったものだという。膨張モルタルの配合を誤ったためか、コンクリートは異常に膨れ上がって巨大な塊と化し、家主が気づいて通報したのだった。クレアと義弟の不倫、あるいは義弟の片思いによる無理心中かと思われたが、血痕を調べた結果、2人は第三者に撃たれて死亡していたことがわかっていた。
ロビンスはクレアの内臓が損傷していたことを知り、爪を調べるよう指示。調べてみると、何とクレアはアナと同じようにタリウムを摂取していたことがわかる。この2つは同じ事件だったのだ。
一方、トラックの運行記録からはベガスとアルケロを行き来する運転手ガルシアの存在が浮上。ガルシアは遺体の遺棄は認めたものの「知らない間に遺体が乗せられていた」と主張。せめて誰かに発見されるようにと、カルテルの事件現場に遺棄したのだという。
クレアが送ったメールから、彼女と親しい「絵描き」がいたことが判明。自撮り写真のメタデータから撮影場所が判明するが、そこは年配の女性が「アトリエ」として現金で貸している場所であり、誰が借りているかはわからない。しかしアナやクレアの肖像画やタリウムの痕跡が発見され、事件との関わりは明白。現場にあった手紙から、アナがその「絵描き」と別れたがっていたこともわかる。おそらく、アナを離したくないために毒を盛ったのだろう。ガブリエルはアナが秘密裡に年上の恋人と交際していたことに衝撃を受けるが、相手には心当たりがないという。
その後、クレアとアナの交流関係を突き合わせて調べてみると、美術教師として2人の在籍した高校で教えていたキース・ガーナーの存在が浮上。ガーナーはガルシアが勤務する会社の社員食堂に壁画を描いていたこともわかる。ガーナーの携帯電話の信号を調べると、そこはガブリエル・オルティスの邸宅だった。ガブリエルはアナの復讐としてガーナーを殺そうとするが、ラッセルの説得に応じて投降する。
ロビンス先生がモルグを出てお出かけするのは、数シーズン前にラングストンと出張して以来だろうか。というか、国外出張自体ベガスでは初めて?
ホレイショはブラジル、マックはギリシャに行くエピがあるが、ベガスではなかったように思う。グリッソムとサラが南米(か中米か忘れた)へ行ったのはCSIを辞めた後だった。
ベガス居残り組はグロテスクなオブジェのような遺体の事件に取り組み、2プロットかと思ったらひとつの事件だった。これはちょっと、強引というか無理矢理感があったのではないか。ロビンスがミーズ線を見て未解決事件を思い出すという展開の方が自然だったように思う。たまたまロビンスがヒマを持て余していたおかげで解決に漕ぎつけたというのは、うーん、どうなんだろう。
巨大な塊の中に男女2人という現場はビジュアルなインパクトがすごいので(ある意味NY的な)、これはこれでメインの事件として見たかった気がする。
— Yoko (yoko221b) 2021-01-10