CSI - Season 14, Episode 15
乗り捨てられた車の中で少女の遺体が発見される。身元はデビー・ローガン16歳。ただちに自宅に連絡を取るが、牧師である父親は娘が家を抜け出したことにも気付いていなかった。
死因は頭部への鈍器損傷で、他に性的暴行も受けていた。膝にも傷があり、紫のガラス片がめり込んでいた。分析の結果、そのガラスにはマンガンが使用されており、かなり古いものであることがわかる。
車内から指紋が発見され、照合した結果、ダイナーでチラシ配りをしているアーネスト・ペニアの存在が浮上。だがペニアは車上狙いのために物色していただけらしく「昨夜はカラ振りだったのでチラシは捨てて帰った」と主張する。
ペニアの供述から、ニックとグレッグは郊外の人里離れた建物へ向かうが、いざ到着してみるとそこは売春宿であった。経営者のスザンヌは「ここは許可を得て営業している合法的な店」だと主張し、少女のことは何も知らないと言う。だが、部屋を調べてみると、デビーの膝から発見されたものと同じガラス瓶や血痕などが発見され、デビーがここにいたことがわかる。バーテンの青年はデビーの遺体を発見し、スザンヌに命じられて離れた場所に遺棄したことを認める。
その後、建物の外で血痕のついた石が発見され、それがデビーを殺害した凶器らしいとわかる。室内からは大人数の指紋が検出されるが、そのうちのひとつがデビーの父ジム・ローガンのものと一致。調べてみると、ジムは毎週決まって火曜日にスザンヌの宿を訪れていたことがわかる。しかし事件当日は別の用事があり行っていなかった。
宿で働く女性たち全員の靴跡を採取している際、キルステンという女性のサンダルの裏に、紫のガラス片が刺さっていることがわかる。キルステンはデビーを部屋に入れたことは認めるが、さらに事情を聞こうとするとジムが弁護士を付けて「何も言うな」と言う。実はキルステンは家出したジムの娘(デビーの姉)であり、家へ連れ戻そうと説得するために毎週通っていたのだった。
一方、宿で収集されたDNAを照合した結果、客のひとりがデビーをレイプしたことがわかる。ブライム郡の執政官を務めるロジャー・リドリーであった。だがリドリーのオフィスへ向かうと職員たちが「警察を呼んで」と叫びながら逃げ出して来る。キルステンから話を聞いたジムが、リドリーに銃を突きつけていたのだ。
ニックがリドリーを説得してその場は事なきを得るが、リドリーは「16歳だとは知らなかったし、ちゃんと斡旋業者に金を払った」と言う。斡旋したのは何と、母親のキャロリンだった。
キャロリン自身も売春での逮捕歴を持つ身。ジムに救われたというが、キャロリン自身は「夫は褒められたいだけの偽善者」と思っていた。ほしくもない養女2人を引き取って育てるはめになり、まずキルステンを、続けてデビーも売春婦にしようとしたのだった。キルステンは父親に言うことができなかったがデビーは違った。父親にすべてを話そうと宿へ向かったが、その日に限ってジムはおらず、デビーは追って来たキャロリンに殴り殺されたのだった。
ネバダ州で売春は合法。今回いちばん驚いたのはそこかもしれない(ラスベガスのあるクラーク郡は違うらしい)。
そして娼館のマダムとして登場したのが「ツイン・ピークス」でオードリーを演じたシェリリン・フェンだったことにまたびっくり(2017年の続編はまだ見ていない)。オードリーも娼館に連れて行かれる場面があったが、その23年後のお姿は実に堂々としたマダムっぷりだった。シェリリンはマイアミにも一度出演しているのだが、その時は本当に普通のおばさんだったので、今回の方がまだオードリーの雰囲気がある感じ。マイアミといえば執政官のリドリーはカリーの父親を演じたジョン・ハード(残念ながら2017年にご逝去)だった。
仕事に追われて父親不在の家庭、血のつながらない父と娘、売春婦になった娘と何とか対話を試みる父――と、ブラス父娘を思わせる人間関係だが、今回ブラス警部とサラはお休み。
事件の方は、キャロリンの動機が何だか現実離れしたぶっ飛び方で「え、え、え???」と思っているうちに終わってしまった感がある。