CSI - Season 15, Episode 17
公衆トイレで首を切りつけられた若い男性の遺体が発見される。氏名はピート・コーデイ、スマホには金髪の少女との自撮り写真が残っていた。衣服には謎の欠片が付着しており、後にサソリの殻とわかる。
少女が持っていたショッピングバッグから彼女が立ち寄った店がわかり、彼女が「ジョン・ノーラン」名義のカードを使用したことがわかる。ノーランはサンディエゴCSIの主任で、ニックの知り合いだった。ノーランは写真を見て「次女のカーラだ」と言う。ノーランは離婚しており、17歳の長女レクシーは母親と、13歳のカーラは彼と暮らしていた。現在は親族の結婚式でベガスに滞在し、姉妹は一緒に出かけていたのだった。
ノーランが娘の携帯番号を提供し、信号がキャッチされるが、場所を突き止めて急行すると、そこにはスマホだけが落ちていた。保存されていた動画を再生すると、カーラが男からナイフを突きつけられる姿があり、レクシーは「妹だけでも助けて」と哀願していた。
レクシーのボーイフレンドに未成年略取の前歴があることや、母親の知り合いがレクシーに執着していたことなどがわかるが、いずれもアリバイが確認され無関係と判明。
やがて、レクシーは住宅街のゴミ箱で遺体となって発見される。付近にカーラの姿はなかった。レクシーの遺体には虫に刺されたような傷跡があり、分析の結果、デスストーカー・スコーピオンというサソリに刺されていたことがわかる。
モーガンは映像の背景から車種を絞り込み、1986年型シボレー・サバーバンと特定。デスストーカー・スコーピオンの寿命が6年以内であることから、2008年以降にこのサソリを購入した人物をリストアップし、同種の車の所有者と付き合わせたところ、キーラン・クラークという男性が浮上する。
クラークは自宅にいなかったが、そこには、カーラによく似た金髪の女性の隠し撮り写真などを大量に貼り付けた祭壇のようなコーナーがあった。
写真の女性はペットショップの元店員ジェニファー・デマーカスと判明。クラークはジェニファーに執着していたが、彼女の方は異常性を感じて距離を置き、ストーキングされたため地元へ戻っていた。クラークは街で彼女によく似たカーラを見かけ、一緒にいた邪魔なピートを殺害した。だが犯行を終えた時、カーラはすでにレクシーと合流していたので、2人とも拉致することにしたのだろう。
その後、レクシーの頭部から検出した石の欠片が、駐車場によく使用される防水剤の付着したコンクリートであると判明。防水剤がまだ乾ききっていないことから、最近補修を行った駐車場を探し、隠れ場所を発見。突入したニックに対し、クラークはカーラの喉にナイフを突きつけるが、ニックはクラークを撃ちカーラを無事に保護する。
ノーランは事件を機に、娘との生活を立て直すために引退を決意。そして後任をニックに任せたいという希望を述べる。
この執拗なまでの「父と娘」テーマ推しは何なのだろう。シーズン13あたりから、ことあるごとに父と娘の愛情や葛藤を描いた作品が目立つ気がする。その中でひときわ目立つのがブラスとエリー、エクリーとモーガン、ラッセルとマヤというレギュラー陣の父娘関係。さらにはダニエル・ショーにまで唐突に娘が登場した。これは「CSI」脚本家陣の趣味なのか? それとも何か主張したいことがあるのだろうか(今シーズンもうあと1回しかないけど)。危ない目に遭う「娘」たちが、エリーを除いて金髪ロングヘアというビジュアルの共通点に何か意味はあるのだろうか(エリーも初登場の時は金髪だった)。
まぁ父と娘というのが「絵になる」構図なのはわかる。守る側と守られる側。守る側は年配の男性で警官やCSIなど権力機構に属し、守られる側は若年の女性でモーガン以外は権力を持たない。力関係の非対称性が強いほど話はわかりやすいし、若く美しい女性の受難も親子愛も物語のモチーフとしては定番。
でも、だからこそ連発されると食傷しちゃうんだよね~。何シーズンにもわたってここまで続ける意味はあるのだろうか。ちょっと安易じゃない?
それはさておき。今回登場したサンディエゴの主任、名前がジョン・ノーランなので一瞬混乱する。演じているブレット・カレンは同じCBSのドラマ「PERSON of INTEREST 犯罪予知ユニット」に出演しているのだが、このドラマにジョン・ノーランという俳優さんが出演しているのだ(役名はジョン・グリアー)。あっちでもこっちでもジョン・ノーラン。
本筋とは関係ないけど、このノーラン主任と元妻さんがどういう夫婦だったのか、まるで想像できない。ノーラン主任も昔はデーハーのイケイケだったとか?
このエピソードが書かれた時点で、ニック役のジョージ・イーズは降板が決まっていたはず。なので、ニックはノーランの誘いを受けてサンディエゴに移ることになるのだろう。栄転ならめでたい!!
次回はいよいよシーズンフィナーレ。ウィンスロップとの戦いにいよいよ決着がつくのか。今までの「連続もの」を思い返すとあまり期待はできないが、でもようやく終ってくれると思うとほっとするような気持ちもある。