CSI: Miami - Season 1, Episode 1
Without the truth, we ourselves become powerless.
ワシントンDCへ向かう小型ジェット機が、離陸直後に墜落、炎上した。飛行機の墜落は連邦政府の管轄だが、マイアミ警察のCSIチーフ、ホレイショは、独断で捜査を開始。死亡したパイロットの胸には、弾が貫通した形跡があった。発見されたブリーフケースは空。生存者が発見される。飛行機の所有者、保険会社社長のサマーだった。
同社の経理部長、クリスティーナ・コルーチの遺体が8マイルも離れた所で発見された。空のブリーフケースは彼女のもの。また、当日にアルコールと抗うつ剤を服用していた。カリーは発砲の痕跡を探す途中で、扉を固定するピンが削られていたことを発見。クリスティーナは、扉が開いたために墜落より前に落下したと推測された。飛行機の整備員は、部品がなくてサイズの合わないピンを削って使ったことを認めたが、墜落した当時の高度では、扉が自然に開くはずはなかった。さらに、サマーの会社が粉飾決算の疑いがあり、出頭を命ぜられていたことも判明。
意識の戻ったサマーに話を聞くと、朝から様子のおかしかったクリスティーナが、自分で扉を開けて飛び降りたという。クリスティーナの毛髪を調べると、過去1年抗うつ剤、半年前にマリファナ、3ヶ月前に大量の鎮痛剤を服用していた。メーガンは自殺を疑うが、ホレイショは内部告発しようとして殺されたという意見。飛行機の扉の指紋を調べたが、そこから導かれる体勢はサマーの話と一致しない。もう一度話を聞きに行くと、彼はすでに退院していた。
デルコとスピードルはブラックボックスを探し、墜落の第一発見者の所へ行く。男はワニの密猟者だった。二人はワニの水槽からブラックボックスを回収。ボイスレコーダーの音を聞くと、扉が開き、その後にエンジンが停止して墜落した。パイロットの音声を消すと、扉が開いた後、17秒後に悲鳴がしていた。だが銃声はしていない。ホレイショは部下たちに、他殺という過程でもう一度すべてを調べ直すよう指示する。撃たれた痕に見えたのは、機体から抜けたリベットが当たったものだった。エンジンが破損した原因はクリスティーナの靴が当たったこと。さらに指紋を調べると、サマーが消火器でクリスティーナを殴って飛行機から突き落としたことがわかる。だが、サマーはすでに首を吊って自殺していた。クリスティーナはその日の朝、会社の不正を告発する手紙と証拠の書類を委員会に送付していた。
釣りを楽しんでいる人の頭上をいきなり飛行機が突っ切っていたかと思うと、どーん! と墜落。その後、小型のモーターボートみたいな物に乗って現場へと向かうホレイショとデルコ。証人を失ったデルコに対する「この現場すべてが語ってくれる」という言葉。飛行機の墜落事故は連邦政府の管轄になるが、ホレイショは彼らの到着を待たずに自分たちで捜査を開始――。冒頭のこの展開だけで、この「CSI:マイアミ」が本家と同じく証拠を重視するドラマであること、しかし本家に比べてアクションが多めで派手な画面であること、ホレイショが行動派のチーフで、時には規則を無視して動くこともあるということが描写されている。新シリーズへの期待が高まるオープニングだった。
そして事件解決後、終盤でホレイショがサマーに言うせりふ。“You're really swinging now, huh,”
swingは「揺れる」というような意味だが「首を吊る」あるいは「窮地を切り抜けてうまく処理する」という意味もある。おそらく、粉飾決算の疑惑をswingしようとしていたサマーが、本当にswingしちゃったな、という意味だと思うのだが……かなり辛らつな物言い。ホレイショはこの後も、たびたびこのような言葉で悪をズバッと斬ってくれる。
— Yoko (yoko221b) 2005-12-24